日本語講師になる
すこし前にすこし書いたのだけど、仕事をひとつ増やすことにした。
それが、日本語講師のお仕事だ。
日本語を教える仕事で、私の場合、相手はほとんどアメリカの英語話者らしい。
研修も終わって、いよいよ講師デビューが近づいてきたので、今の思考を整理しておきたい。
なぜ日本語講師なのか
もともと、とある理由で今の仕事をセーブしようと思っていた。セーブというのは、やりがいや自己実現を求めないということだ。
でも、それではつまらない。子ども達もどんどん手を離れるし、誰かの何かの役にたちたい。承認欲求。
収入は度外視して、ボランティアでもいいからそういう仕事はないか探そうとして、見つけたのがアクティボというサイトだ。
ボランティアや社会貢献性の高い仕事を紹介しているサイトで、魅力的な案件がたくさんあった。
最初は、不登校の子どもへの学習支援に関われないかと思って探した。
この一年たくさん教育や子育てに関する本を読んできたし、同じ親として親御さんの不安も理解できるんじゃないかと思ったから。
でも私が働ける平日の日中に意外とニーズがない。子供が学校に行っている時間にやりたいから時間は譲れない。
教育に関わる仕事・平日日中・オンラインで探しまくった結果、みつけたのが日本語講師の仕事だった。
日本語難しい!
もちろん私は日本語講師の資格があるわけではないので、申し込みをしただけでは講師になれない。(資格がなくても教えることはできる。塾や家庭教師に教員免許がいらないのと同じ感じかな)
まずは面接で志望動機や人柄なんかをみて、その後けっこうな分量の二次試験を課せられる。ここでe-lerningのような動画をうけつつ、自分でも勉強して1ヶ月くらいかけて二次試験をクリアする。
頭の良さというよりは、これだけの分量の試験を受けるだけの本気度があるかどうかを試験されている感じだ。
ここで私ははじめて、日本語の文法がどちゃくそに難しいことを知った。日本語ネイティブだとごく自然に身についている文法のルールがもう、意味がわからないほどに難しい。法則が複雑すぎる。
動詞が3グループに分けられて、それぞれに13の形があり、さらにそれぞれに大量の文型がある。
例えば、「洗う」は、丁寧なですます形にするには「洗います」(う→いに変化)だし、否定するには「洗わない」(う→わに変化)だし。
さらに「洗う」は「洗って」だけど、「遊ぶ」は「遊んで」だし、「写す」は「写して」だし…えええ?どういう法則?どうやって覚えてんの日本人?Why Japanese People!!
文法だけではなく、意味の違いも難しい。
「うれしい」「たのしい」「幸せ」の違いは?
「下手」「苦手」の違いは?
「ある」「いる」の違いは?
「もらう」「くれる」「あげる」の違いは?
何にも考えずに使っていたけれど、あらためて説明しろと言われると難しい。日本語で説明を読んでも理解するのが難しい。しかもそれを英語話者にわかりやすく説明しなきゃいけないのだ。
え、日本語講師すご。
日本語面白い!
約2ヶ月、日本語の難しさに圧倒されるとともに、言語の面白さにワクワクしっぱなしだった。
元々文章を読むのが好きだし、文体や言葉の好みが偏っている。今までなんとなく感じていた「この人の文章が好き」「この文体にシビれる憧れる」みたいな感情に裏付けがつけられそうだ。
なぜこういう言葉遣いが正しいのか、なぜこういう文章を美しく感じるのか、言語を深く学んでいくとそんな疑問にも答えられる気がする。
言葉の持つ微妙なニュアンスの違いを知ることで、書くスキルも上げられる気がする。
文章校正やライティングの仕事にも役にたつ気がする。
一石何鳥になるかわからないくらいメリットだらけじゃないか。
ワクワクが止まらない。
英語も頑張る!
この10年くらいずっと英語できるようになりたいな〜と独学で勉強していた。モチベーションの波が激しくて、盛り上がってるときは英検準一級に2ヶ月で合格したりしたのだけど、普段使う機会がないからやらないと全くやらない。
すぐ忘れてしまう。
基本的には日本語で日本語を教えるのだけど、まるきり初めて日本語を学ぶ人には英語も使って説明しなきゃいけない。「日本語を教える」という目的があることはモチベーションを維持するのにも良いし、何しろネイティブイングリッシュと接する貴重な機会をいただけるのである。
ありがたいことこの上ない。
初心を忘れないように
根っからのビビりで、最近は新しいことを始めようという気もしぼんでいたのだけど、今のところワクワクしっぱなしである。
また、講師デビューしたら悩んだり上手くいかなかったり、「思ってたんと違う」ってこともあるのだろうけど、そうなったらこの記事を読み直そう。
初心を思い出して、また頑張れるように。
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