小5息子がYoutuberになった話
息子が小5のうちに書かなくては!と気づいたので3月中に書いておく。
あらかじめ断っておきますが、親バカ記事です。
ゲーム実況ではない
息子は昨年9月からYoutubeチャンネルを開設している。
私が勧めて、チャンネル立ち上げと管理者にはなっているが、基本的に彼に任せている。
実は、今どきの小学生はYoutubeをやるのがそこまで珍しいことではないらしい。息子の通う公立の小学校でも学年で数人いるとか。
びっくりしたが、中身はほとんどゲーム実況らしい。
ゲームをしないので、どういうものかよくわかってないのだが、ゲームしながら実況するだけなら確かにハードルが低そうだ。
編集も、PCを使わずスマホでできちゃうらしい。令和だなあ。
しかし、息子のチャンネルはゲーム実況ではない。
コマ撮りだ。
コマ撮りと息子
コマ撮りとは、写真で作るパラパラ漫画的なものである。
今はそういうアプリがあって、写真をつなぎ合わせて簡単に動画作成できる。
息子がコマ撮りにハマったのは、3年前、コロナ初期の一斉休校中。
毎日暇すぎたので、色々試したうちの一つがコマ撮りアプリだった。
何きっかけだか忘れたがバチッと彼にハマり、レゴをつかってせっせと撮影していた。
2年生だったので、ストーリーは謎だったけど、レゴ人形が恐竜と戦ったり野球をしたりする動画を、毎日1時間くらい撮影していて「ぼく、将来映画監督になる!」といっていた。かわいい。
学校再開後はすっかり熱も冷めて、他のものにハマったりしていたのだが、あるものの再ブームとともにコマ撮り熱も再燃した。
ウルトラマンだ。
ウルトラマンと息子
息子は5歳のときウルトラマンが大好きだった。
大好きすぎて図鑑をすりきれるまで読み、どのウルトラマンの第何話にどの怪獣がでてきたかまで把握していた。こわ。
将来の夢はもちろんウルトラマンなんとかで、ヒーローショーで握手をしたときは「ママ、今日のウルトラマン固かったから、本物だと思う!」と目をキラキラさせていた。かわいい(2回目)。
そんな息子もすっかり大きくなり、大量のおもちゃもお下がりしてすっかり思い出になっていたのに、ある日NHKでやっていた円谷プロのドキュメンタリー的なドラマを見てから、目のキラキラが戻ってきた。
さすがは(?)5年生だけあって、今度のブームは制作側にかなり寄っていた。
円谷英二さんの伝記を読み、ウルトラマンをデザインした成田亨さんの自伝を読み、初代ウルトラマンのスーツアクター古谷敏さんの自伝も読んだ。
さらに、シン・ウルトラマンが公開されていたので、観に行ってからはオタク度が爆上がりし、昔読んでいた図鑑を引っ張り出してブツブツ言い始めた。
ついには「昔集めたソフビ全部買い直す!」というので、お下がりした友人に頭を下げて返してもらった(その子ももう卒業していた)。
何十体もの怪獣とウルトラマンがリビングに散らばった。
こうなるともう止まらない。
久しぶりにコマ撮りとるわ、といって夏休みから撮影を始めた。
例によって夏休みの宿題もほったらかしである。
ウルトラマンとコマ撮りとYoutubeと息子
で、まあ宿題やれだのなんだのかんだのあり、息子がついに
「俺は将来コマ撮りYoutuberになるから、勉強しなくて良いんだ」的なことを言い出した。
カチンと来た私は「Youtuberなら今でもなれるよ。いつかやるじゃなくて、今やってみればいいじゃん。」といった。
詳細は忘れたが、ノリで一緒にチャンネルの作り方を調べて開設した。
はじめての動画は2分近くあり、制作に3日くらいかけていた。
私は、続くわけない、と思った。
それから半年。
息子はほぼ毎日動画を更新している。
動画の数は180本を超えた。
ひれ伏す母
3日続けば褒めてやろうと思っていた私は、もうひれ伏すしかない。
彼がこれだけ頑張り続けられるとは正直思っていなかった。
だって、コマ撮りってめちゃくちゃめんどくさいのだ。
写真を1枚ずつ繋げて作るので、1分の動画を作るのに900枚くらいの写真を撮影する。
撮影したら、タイミングに合わせて効果音をつけたり、セリフを録音したり、映像合成をいれたりする(ポーズを固定した棒を消したり、ビームを出したり)
なのに、息子は毎日やるのである。
平日は流石に忙しいので、ショート動画といわれる10秒くらいの動画だ。それでも最初は1−2時間かけていた。今は30分くらいでざくざくやっている。
後ろで見ていても、何やっているかわからない速さで編集している。
ストーリーも、おもしろネタだったりガチ戦闘シーンだったりするが、ようこんな毎日ネタ思いつくなと思う。たぶん授業中もずっと考えてるんじゃなかろうか。
息子の学び
基本的に見守る姿勢でいたのだが、やってみなくちゃわからない学びが彼にはたくさんあったらしい。
1.世間のニーズと作りたいもののギャップ
彼はオタクなので、ウルトラマンのマニアックなシーンを再現したり、よくわからない怪獣の微妙な差を表現しようとしたりする。
しかし、情熱のすべてを注いで作った動画が全然バズらず、伸びる動画は適当に作ったものだったりする。
特に顕著だったのが、友だちに借りたディズニーキャラクターを登場させた動画が急に再生回数とイイネをぶち上げたときだ。
「やはり、ディズニーは強いのか…」円谷オタクに漂う敗北感。
しかし息子は悩んだ末、ウルトラマンメインで行くことにした。
「収益化を目指してバズるものを狙うより、好きなものを作りたい」という選択をしたのだ。
2.低評価を付ける人とその心理
Youtubeではアナリティクスで動画の分析が詳しくできる。
どんな人がいつ何秒間動画を見たか、高評価と低評価の割合など。
最初息子は低評価をつけられるたびに落ち込んでいた。
「なんでわざわざ低評価なんてつけるんだろう…」
さらにYoutubeを始めたことを知った友達からも、冗談半分で「お前そんなことしたら低評価つけちゃうぞ〜いいのか〜?」みたいなことを言われたそうだ。
最初はモヤモヤし悩んでいた息子だが、「アンチを気にして手を止めるのはもったいない」と気持ちを切り替えたらしい。
「ああいうことを言ったり、やったりする人は、絶対に自分では何もやらないんだよ。苦労を知らないから、そんなことができる。俺は絶対に人に低評価をつけるようなことはしない!」と宣言していた。
尊敬すべき心構えだと思う。
助言はしたけれど、自分でその気持にいきつけたのはすごい成長だ。
3.優しい出会い
Youtubeという流行り物だからこそのマイナス面もあったけど、プラスの面も大きい。
Youtubeはコメントを無効にすることもできる。最初は相手が小学生だと思って、嫌なことを言う人もいるかも知れないと思い、無効にしていた。
しかし、開いてみたらコメントは好意的なものばかりだった。
最近ではウルトラマン動画をあげている人と仲良くなって、お互いにコメントしあってキャッキャしている。(そのへんDMじゃない公開のやりとりだから良いところ)
知らない人からコメントがくるたびに、息子はじーーーんと感慨にふけっていた。
「お母さん、名前も顔も知らないどこかの誰かが、動画を見ていいなと思って、わざわざコメントしてくれるなんてすごいことだよね。
ありがたいよ…」といっていた。
うん、お母さんもそう思う。
気軽に世界中に発信できる今の時代だから、嫌な思いをすることもあるけど、優しい人もいるんだよね。
気軽に低評価をつけて傷つけて楽しむ人もいれば、わざわざ褒めてくれる人もいる。
世界には色んな人がいるってことを、体験を通して知るなんてなかなかできないことだ。
親に何を言われても、本を何冊読んでも、息子の実感に叶うものはないと思う。
それは、行動したからこそ得られたものだ。
好きなことをしている彼を見守りたい
親バカすぎて、長くなってしまった。
これから6年生になると、勉強も難しくなるし、忙しくなる。
彼の情熱もどこまで続くかわからない。
5年生で登録者数400人を目指し、それを達成したので燃え尽き感も垣間見えている。
だけど、どうあっても彼の選択だ。
自分の生き方は自分で決める、というのは大げさかもしれないが、彼は今回私の想像を遥かに超えて一つのことを継続しつづけた。
それは彼に自信を与え、私も彼を一人の人間として尊敬するようになった(今までしてなかったわけではないけど)。
大げさだけど、彼の人生に誇りと自信を与えてくれたんじゃないかと思っている。
そしてそれは彼が努力して得たものだ。
どうか、この経験が彼のこれから人生にとって良い影響を与えてくれますように。祈って見守ることにしよう。
なお、息子のチャンネルもこっそり紹介しておく。
よろしければ高評価とチャンネル登録お願いします(息子より)
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