【2年前の日記やさん】11月9日

https://note.com/nikkiyasan/n/n4765fc4f18c2

2022年1月に頒布した『東京には大阪より16分はやく夜が来る日記』から、2年前の今日の日記を掲載します。


2021年11月9日(火)雨  大阪・笹

 演劇オタク同期と、ランチ。私が行きたがっていたチュロス専門店に行く。会社から、結構な距離。ヒールの人間を雨の中、しかも地図を片手に歩かせた。私は方向感覚に自信がないのと、連れてってくれそうな気配があったので、ぼーっと歩いた。すみません。
 会っていない間、演劇オタク同期は「推し(若手舞台俳優)とイベントでツーショットを撮れる権利が、ブロマイドの当たりとして三つ入っていた。同担拒否なので、マネージャーに『どこまで買えば権利が全部手に入るか』と聞き、そこまでの分すべて購入。イベント後、ファンアカウントに鍵リプが常につくようになったので、最近『法的措置を検討する』と明言した。平和になった」らしい。どのあたりが平和になったのか……。会っていない間にファイティングしすぎ。しっかり5ちゃんねるでも叩かれているらしい。ファイティングしすぎ。
 急ぎ足(※店が遠かったため)の帰り道、「パートナーを得ることに興味がないと話したら、『パートナー』の単語選びに反応があった」という話を聞く。つまり、「レズビアンなの? 言いたくなかったら言わなくていいよ、ごめんね……」みたいな返しだったらしい。お、おお~? おお、おお……。文脈をものすごく殺されている。
 パートナーという単語を選ぶとき、その背後にあるのは自分のセクシャリティだけでなく、世界に対する姿勢、「女性は彼氏、男性は彼女、ではないよね」という意識も考えられると思うが。それに、セクシャリティのカムアウトだとしたら、返事に気まずさが漂うのもそれはそれで……。いや、このへんはまだまだこれからなのかな。「え! まだ若いんだからこれからいろいろあるよ♡ 悲しまないで♡」が返ってこないだけ、いいのか? うーん。

2021年11月9日(火)晴れ時々雨  東京・音

 朝から会議。仕事がにわかに紛糾。
 こういうときは、おやつにチーズトーストを食べる。おいしくて、ちょっとだけ手間がかかっていて、温かい。ああ、高糖質・高脂質。
 
 仕事が紛糾している原因はいくつかあるのだが、どれもここには書けない。書けば、あまりにありふれた愚痴になってしまい、不毛だからだ。誰でもが知っているような正論で、即座に論破できてしまう。
 でも、正論は往々にして、あんまり誰のことも救わない。不正が跋扈するのは不快だが、正しさは強くも優しくもなくて、ただ正しいばっかりだ。

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