君はピノキオになにをみるか(1940年)
ディズニー100周年の記念映画として公開された「WISH」。作中では主人公アーシャが星に願うことでスターと出会い物語は進んでいきます。
この作品をみたとき、なぜ星に願うのだろうと思いました。
答えはこの「ピノキオ」にありました。このつながりを見出せたことだけでもピノキオをみた価値があるかもしれないと感じましたね〜
さて今回は、アニメーション作品として初めてアカデミー作曲賞と歌曲賞を受賞した「ピノキオ」についてです。アニメーションよりも先に音楽が作られるようになったというのはあまり知られていないのではないかと思います。
そんな聞いていて心地よい、けれどしっかりと作中の感情を伝えてくれる。そんなピノキオを見た感想をまとめていきまーす。
注意:これは個人的な主観で映画のレビューをまとめたいと思ったものです。共感を呼びたいものではありませんのであしからず。
この時代の作品を今見れることに感謝
1940年公開のこの作品。見ようと思えばディズニープラスを開き、10秒くらいで見れます。時代を作ってきた名作がこんなにも手軽に見れていいのかと。
嬉しいような、悲しいような。
手軽に見れるのは嬉しい。それがなければこのレビューは書けないから。
でもこれだけ手軽だと、映画という価値自体が下がってしまうのではないかとも思う。それは僕が映画というものに他の人よりも価値を置いている前提があるけれども。
ピノキオ関係なく、映画という価値については一度熟考してみたい。
手書きの良さと音楽の壮大さ
いまとは違う、手で描かれた(違ったらすいません)なめらかさがある描写。小学生のときにみたトムとジェリーと思い出しました。
ディスニーとワーナーブラザーズってなんか関係ある?結構テイスト似てる気がしたんだけど笑
正直僕はいまの時代の映画のタッチが好き。CGで作られた綺麗さに魅了されてしまう。けど、古い作品があることで今の作品があることを考えると否定する気持ちにはなれないし、良さを同時に感じた。
そしてなにより音楽。大層なスピーカーできけたわけじゃないけど、心地よいという表現が1番あう気がする。
星に願いをの曲はもちろん、クラシックをつかった1つ1つのコマの表現は今にはない時代を感じられる。
人形を題材にすることの良さ
物語は木で作られた操り人形のピノキオに魂が宿ることでスタートします。
僕はここで、人形を題材にすることで善悪の判断がついてない子供を演出したいのかなと感じました。
無垢の状態は赤ちゃんじゃないと作れないですが、赤ちゃんは喋れない。言語と最低限の思考を得たピノキオだから成立している。そんなことを見ながら思いました。
誘惑というのは生活上常にまとわりついてきます。YouTubeの広告だったりテレビCMも誘惑という分類をすればそうかもしれません。
幼いピノキオだからこそ、悪い考えをもった大人にだまされる。そう捉えられる描写にみえるシーンがありますが、僕にはそう映りませんでした。
純粋な心をもっているから。
善悪の判断がついていない魂だから。
子供だから判断ができないというのではなく、選ぶ基準をもっていないからピノキオはだまされてしまったのではないかと。そのためそれを教えてくれる良心(=両親にかかっている?)がすぐそばにいることがこの作品の何よりの素晴らしさなのかもしれません。
今の人の根底にある哲学を作り出した
なぜ学校にいかなくてはいけないの?
嘘はついたらだめ
だめといわれたことをするとバチが当たる
とくにバチが当たるというところは、まさに私が子供の頃に親にいわれたことでした。その源流はこの映画だったり、原作のピノッキオの冒険なのかと(これは見てないけど)。
嘘をつくと鼻が伸びてしまう。
=嘘をつくと自分に悪いことが起きることの顕在化
そしてどんどん鼻が伸びていくことで、一度ついた嘘はどんどん広がり取り返しがつかなくなることを表します。
84年前の作品、いまの20代の親やおじいちゃんおばあちゃんに当たる世代がみてきたと考えると、映画が人の考えの根底に影響を与えるというものすごく深い価値を感じますね。
ピノキオ怖いじゃん
いけないことをしたときに起こるバチ当たり。
作中でめちゃくちゃ怖い描き方をされていて正直驚きました。子供みたらトラウマになっちゃうよねこれ。自分見なくてよかった。
けどそれくらいの怖さがあるからこそ、子供に見せる価値があるのかもしれません。見せるだけで善悪の判断基準が作れますから。それが各家庭ごとの教育方針にあうかはわからないけど。
まとめ
君はピノキオになにをみるかをタイトルにしてみた。
僕は時代背景と、善悪の判断をこの映画にみた。
喫煙シーンとか普通にでてくるし。
科学的にタバコの害がまだきちんと証明されていなかったのか、嗜好品として世界に広まっていたのかまでは僕の知識がないのでわからないが。
そして純粋な魂に対して、知識を持った人が接してあげなきゃいけない。
人の性格は遺伝:環境=5:5と言われるけど、環境要因とはまさにこのことなのかもしれないと。
僕に子供ができたら、ジムニーのような良心でいたいと思う。
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