見出し画像

イベントレポート『働かざる者たち』 に学ぶ働くヒント

こんにちは。日経電子版のプロモーション担当の牛込です。10月4日、noteさんとのコラボイベント第2弾として、『働かざる者たち』に学ぶ働くヒント~出世?窓際?真の成功者はどっちだ~を開催しました。イベントについては先日のnoteでお知らせさせていただきましたが・・・

おかげさまで、盛況のうちに終了しました!!

新聞社の働かない人にスポットライトをあてた衝撃の漫画『働かざる者たち』の作者・サレンダー橋本先生を、日本経済新聞の本社にお迎えしてアレコレ語っていただこう、という中の人としてはドキドキの虚構と現実が混じりあう企画。今回のnote投稿では、このイベントの様子を一部ご紹介します。

※以後、漫画のネタバレを含みますのでご注意くださいためし読みはコチラから

登壇者の様子はコチラ

横石崇さん(写真左):「TOKYO WORK DESIGN WEEK」発起人/オーガナイザー。「働き方」についての著書もある専門家。
サレンダー橋本さん(中央):「新聞業界に近いところ」で働く会社員兼漫画家。ちょっと様子がおかしいですが、顔バレNGなので覆面を着用
桜井陽(右):日経社員。「制御不能のカリスマ」主に社会部にて事件・事故を担当した後、現在はデジタル事業に籍を置く。

漫画の「働かないおじさん」は実在するのか?

イベントには60名超のご参加をいただきましたが、その中でも多かったのが築地大手町竹橋の新聞社でお仕事されている同業の方々。これも漫画に圧倒的リアリティーが備わっているからこそ、でしょう。

実際「新聞社で働く知り合いが多い」というサレンダー橋本先生は、ときに「取材源の秘匿」を盾にしつつも、漫画に登場する「働かないおじさん」たちの設定を明かしてくれました。

まずは、八木沼さん。漫画では「アガリ型」として、出世の先が見えた中年に多い評価を完全にあきらめているタイプに分類されています。仕事をしないで、若い女性と合コンばかりしている様子が描かれています。

ちなみに八木沼さんについては、イベント参加者から以下のような質問(というより悲鳴?)をいただきました。

漫画に登場する八木沼さんはお前かと疑われています笑 疑惑払拭のため、どの新聞社を題材にしたかまでは言えないと思いますが、大手町方面か築地方面か竹橋方面か名古屋方面かなど教えていただけましたら幸いです

サレンダー先生の回答は「実在の人物です」。気になるどの新聞社なのかは…「取材源は明かせません」。ただ「この人は本当に同期が先に部長に出世して、自分は合コン三昧の生活をしてるんです。でも、そうでもしないと自分のプライドを保っていられない。そういう気持ち分かるんです」

続いて、ウィキさん「スネたガキ型」で、「自分は能力を不当に評価されている」と考えガキみたいにスネて働かず、被害者面をして周囲に上司や会社の不満を撒き散らすタイプです。勤務中に「ウィキペディアをメモ帳に貼り付けて読んでれば、仕事してるように見えるしょ」と、とんでもないサボリテクを披露するおじさんです。

これも先生の答えは「実在の人物です」。なんと「実際にはメモ帳だけではなく、メール文面にも●●様と宛名を書いた後にウィキペディアをコピペしてひたすらウィキペディアを読んでいる」とのこと。(一体どこの新聞社ですか・・・!!!!ウラヤマケシカラン(違))

そして、漫画でも随一の存在感を放つ風間さん。記者志望だったのに販売局の配属となり、記者への異動がかなわないことに絶望し、栄達のために不正に手を染めるようになった人物です。主人公の橋田のこともダークサイドに引き込もうと画策します。

さすがに懲戒解雇レベルの風間さんの実在モデルはいないようで安心しましたが、「配属先が希望通りにいかない社会人はどこにでもいますよね。どこかで折り合いをつけながら働いている人がいる一方、その折り合いがつかず、拗らせてしまったおじさんが風間なんです

ちなみに主人公の橋田について、サレンダー先生は「自分のことを投影している」といいます。「普段は平静を装って働いているけど、自分が溜め込んでいる不安とかを全て漫画にぶつけて自分を保っているんですよ

「働かざる者たち」は何を伝えているのか?

そんな、働かないおじさんたちの悲哀を描いた「働かざる者たち」。イベントでは漫画のラストシーンに込めた思いを、野暮とは思いつつもサレンダー先生に語っていただきました。

ラストシーンをざっと説明すると、働かないおじさん達との日々から10年後の設定です。主人公の橋田は同じ新聞社で働き続けていますが、八木沼さんやウィキさん、風間さんらは既に会社を去りました。橋田の働く新聞社はIT企業に買収され、自身も大阪転勤の辞令を受けたりと、環境は大きく変わっています。しかし、新しい環境になっても変わらないのは、そこにまた別の「働かないおじさん」が現れたこと。このおじさんが主人公に「ぼちぼちやって、なんぼやで」と話しかけて来たところで、上のラストシーンのコマに移ります。どこか清々しい主人公の表情が印象的です。

「実は漫画の冒頭シーンで描いた『働きアリの法則』とつながっています。アリのコロニーでは『よく働くアリ』と『普通のアリ』と『働かないアリ』の割合が決まっているという話で、人間にも同じことが言えるんじゃないかと。時代や環境が変わっても、変わらない真理みたいなものだと思うんです」

「人間は優秀で自分の軸を持っている人ばかりではなく、普通の人は迷いながら生きています。『働かざる者たち』はそういう弱い部分が出てきてしまった、どこにでもいる人たちなんです

「主人公の橋田もまた、はじめは迷いを抱えていて、周りの働かないおじさんたちに心を惑わされていた。でも、ある時、働くことの覚悟を決めた。覚悟を決めたから、(片目をつぶって眉毛をあげる)この表情でおじさんを受け止めることが出来るようになったんです

日経でやってみて

イベント参加者の皆さんには、サレンダー橋本先生の直筆イラスト&サイン入り漫画をお渡ししました。メッセージは「働け‼︎」。イベントでサレンダー先生に語っていただいた内容も、まさに、働く人への愛と、働くことへの勇気がもらえるものでした。ありがとうございます‼︎

ところで、今回のイベントを日経が開催しようとした経緯を振り返ると、「働かざる者たち」を描いていると疑われた日経社員が、自らの身の潔白を証明するために先生本人をお呼びする、というもの。イベント開催によってその目的は達成できたハズなのですが……

なにやらサレンダー先生が「デジタル化が進んだ新聞社ってどうなっているんですか?」って興味津々のご様子。これはもう、続編に期待するしかありません!!

この記事が参加している募集

イベントレポ