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Vol.5 「新型コロナ状況下の金融行動・意識の変化」②

                             2020年5月

新型コロナウイルスの影響で相場もジェットコースターのように激しく動いており、プロの投資家ですらこの先を予測するのは難しい状況です。
先月の株価の一時急落はパニック売りとの報道もありましたが、このコロナ禍で、生活者は投資についてどのように考えて、実際にどんな金融行動をしているのでしょうか。
先週に続き、自主企画調査「新型コロナ状況下での金融行動・意識の変化」(回答者1,627人、調査時期:2020/5/11~13)から調べてみました

■個人投資家の投資意欲は分かれる。若年層は投資に意欲的。
現在のコロナ禍での投資に対する考えについて質問しました。
投資経験がある881人で集計してみると、
投資したい(「積極的に投資したい」「できれば投資したい」計) 53%
投資したくない(「あまり投資したくない」「投資したくない」計) 38%
わからない 9%
上記のとおり、投資したい人は半数を超えますが、投資したくない人も4割程度存在し、意向が分かれています。
投資経験がない682人に至っては、「投資したくない」が67%と消極的でした。投資したくない人も含めた回答者全体を年代別でみると、若年層ほど投資に意欲的で、20代は投資したい層・投資したくない層が4割ずつと拮抗しています 。

■金融行動は普段と変わらないが半数。若年層の一部で投資意欲が高い。
コロナ禍での家計管理や資産運用において、実際にどのような行動をとっているか、あてはまる選択肢を選んでもらいました。
回答者全体(1,627人)のうち上位にあがった項目は以下のとおりです。
1.普段と変わらない  47.1%
2.節約している 37.1%
3.貯蓄を切り崩している 7.6%
4.投資額を増やしている 6.7%
【参考】8.投資額を減らしている 2.8%

トップの「普段と変わらない」は、高齢層や高資産層ではさらに高い傾向です。
「投資額を増やしている」を年代別でみると、いずれも回答率は1割未満ですが、若年層ほど高くなっていました。
その他の自由記述をみると、「保険の見直しをしている」(女性30代)、「投資のタイミングをはかっている」(男性40代)という回答もあり、実際の行動に起こす前の準備をしている人もいることがうかがえます。
若年層は投資にアクティブな姿勢をとっているのに対し、高齢層や高資産層は静観しているようです。
長年の経験からじっとタイミングを見極めているのか、冷静に相場をみて敢えて何もしない姿勢なのか、先のみえない状況に戸惑って何もできずにいるのか、引き続き機会があれば調べていきたいと思います。

結果が気になる質問項目などあればお気軽にご連絡ください。

【主な項目一覧】
Q コロナ状況下の家計管理・資産運用行動
Q 貯蓄や投資の情報収集(コロナ問題が起きる前・後)
Q 貯蓄・投資商品実態(コロナ問題が起きる前・後)
Q コロナ状況下での投資の考え
Q コロナ状況下で金融機関に求めること
Q 給付金10万円のつかいみち

調査結果はレポートとしてまとめてご紹介する予定です。

■今週の執筆者■
森岡 園深(ソリューション1部)
主な担当業務:銀行・証券・生命保険・損害保険など金融全般の調査を担当しています。

【お気軽にご意見、ご要望などいただければ幸いです】
日経リサーチ 金融ソリューションチーム finsol@nikkei-r.co.jp

当コラムの無断転載、引用は固くお断りいたします。
また、執筆者個人の主観、意見が含まれております、ご了承ください。

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