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Vol.66 データサイエンティストの在り方について考える 

                                                                                                     2022年10月

「データサイエンティストが21世紀で最もセクシーな職業である」と述べられてから10年、データ活用を進める企業や組織が増えており、データサイエンティストの人材を確保する動きも活発化しています。

全国の大学においても専門の学部を設定する等、育成への取り組みが顕著となり始めています。

しかし、重要性が注目されてきたとはいえ、データサイエンティストという人材が、どのようなスキルを求められているかを明確にイメージできている人は多くないのではないでしょうか。

今回の金融コラムではデータサイエンティストには、どのようなミッションがあるか、どのようなスキルが求められるのかについて、データサイエンティスト協会の文献を参照しながら洗い出していきたいと思います。

▼ミッション
データの持つ力を解き放つことがミッションだと考えられています。
抽象的なのでもう少しかみ砕いて説明すると、データの裏側にある潜在的事象を読み取り、
さまざまな意思決定に活用できるようにサポートすることが役割であるということです。

▼求められるスキル
以下の3つのスキルが重要であると考えられます。

ビジネス力(business problem solving)
課題背景を理解した上で、ビジネス課題を抽出し、データを分析・活用して課題を解決する力
データサイエンス力(data science)
情報処理、人工知能、統計学などの情報科学系の知識を理解し、統計ソフトなどを用いた専門的な分析ができる力
データエンジニアリング力(data engineering):
プログラミング知識を使ってデータの収集、加工やシステムへの実装、運用ができる力

また、上記の3つのスキルは1つでも欠けてはならず、課題解決のフェーズによってそれぞれのスキルを使いこなす必要があります。
例えば、課題の目的・テーマ設定をする段階では「ビジネス力」が必要となり、データの処理・分析をする段階では「データエンジニアリング力」が必要となるといったイメージです。

ここまで、データサイエンティストについて簡潔に記載してきましたが、定義やミッションは一概に決まっているわけではありません。企業や組織によって求められる役割はそれぞれ異なると思います。
データサイエンティストを採用・育成する際には、自社・自組織にとってどのような人材が求められるのかをじっくりと検討し、その上で採用・育成をすることが大切であると考えます。

今回のコラムが役立つかはわかりませんが、少しでも記憶に留めていただけると幸いです。

<今回参照した文献>
データサイエンティスト協会:
http://www.datascientist.or.jp/files/news/2014-12-10.pdf

■今週の執筆者■
塩沢 周平(ソリューション本部 アカウント第1部)  

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日経リサーチ 金融ソリューションチーム finsol@nikkei-r.co.jp
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