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Vol.15 コロナ禍における投資行動~金融RADAR特別調査2020より

                             2020年8月

金融ソリューションチームコラム第15弾をお届けいたします。
今回は前回に引き続き、自主企画調査「金融RADAR(※1)特別調査2020」よりコロナ禍における投資行動についての調査結果をご紹介いたします。
(回答者:首都圏の20~74歳の男女3,026人、調査時期2020/6/24~6/29、Web調査)

今年の春以降、コロナ禍による株価の乱高下、市場の混乱がありましたが、一般の個人投資家はどのように考え行動していたのでしょうか。
調査実施時点の6月末で何らかの投資商品を保有している層(n=1671)の動向を分析しました。
新型コロナウイルス問題発生後~調査実施時点(6月末)における投資行動は以下のようになっています。

1.投資商品を新たに利用した、または増やした 30.5%
2.投資商品の利用をやめた、または減らした 17.5%
3.何も投資行動をしていない 54.0%
(1・2は重複があるため合計が100%になりません)

これを性・年代別に見ると、男女それぞれ20~30代の若年層で「新たに利用した、または増やした」の割合が高くなっており若年層が積極的な投資行動をした様子がうかがえます。

また、実際にどのような投資商品・サービスをコロナ禍で新たに利用した・増やしたのかを見たところ「NISA・つみたてNISA」が投資歴の浅い層で、より高いスコアとなっていることがわかりました。

投資商品保有層全体 6.5%
投資歴1年未満層(n=57) 24.6%

昨今、つみたてNISAの口座数増加等について報道もなされていますが投資初心者の入口として利用されていることが調査結果からも見受けられます。

では、コロナ禍で消極的な投資行動(投資商品の利用をやめた、または減らした)をしたり、全く投資行動をしなかった層の理由は何だったのでしょうか。スコア上位5項目をご紹介します。

【コロナ禍で投資商品の利用をやめた、または減らした理由(n=292)】
利益確定をしようと思ったから 16.8%
相場が乱高下して怖くなったから 14.4%
リスク分散を行うため 13.7%
別の商品に乗り換えようと思ったから 12.7%
手元に現金が必要になったから 11.6%

【コロナ禍で投資行動を行わなかった理由(n=902)】
保有商品に影響がなかったから 24.8%
長期運用のメリットを重視したから 24.6%
相場回復を期待したから 21.3%
投資方針を変える必要がないと思ったから 19.1%
損失確定をしたくなかったから 11.1%

このように多少の混乱はありつつ、冷静に市況を見つめ判断を行っていた個人投資家も多かったようです。長期運用の考え方が徐々に根付いてきたと言えるのかもしれません。

「金融RADAR」特別調査2020は、コロナ禍における金融への意識・行動の変化や近年注目の金融サービスの認知・利用意向を聴取しているほか、金融機関のWebサービスやキャッシュレス決済など、デジタル金融に関するテーマを多く取り上げています。
ご関心・ご要望がございましたらぜひお問い合わせください。
▼商品詳細ページ
https://www.nikkei-r.co.jp/service/industry/radar/
※1:金融RADAR®は日経リサーチの登録商標です。

■今週の執筆者■
高橋 元子(ソリューション第1部)
主な担当業務:金融自主企画調査・金融機関のCS調査
【お気軽にご意見、ご要望などいただければ幸いです】
日経リサーチ 金融ソリューションチーム
finsol@nikkei-r.co.jp
当コラムの無断転載、引用は固くお断りいたします。
また、執筆者個人の主観、意見が含まれております、ご了承ください。


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