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Vol.71  NISAのモデルとなったISAとは?

                           (2023年2月)


金融ソリューションチームコラムの第71弾をお届けいたします。

いきなりですが質問です。
先日2月13日は何の日だったでしょうか。


そうです、NISA(213)の日です。


現在日本では、2024年から始まる新生NISAの話題が飛びかっていますが、
今回はNISAに関するトピック、その中でもNISAのモデルとなったISAを取り上げていきたいと思います。

ご存じの方も多数ではあると思いますが、NISAはISAという英国の制度をモデルとして導入されました。

ISAは1999年4月に英国民の貯蓄率向上を目的として導入された税制優遇措置がある制度です。
こちらの制度は英国民の貯蓄習慣を定着させたことから評価が高く、非常に成功した制度であると言われています。

評価されたポイントは2つあります。

1つ目は制度が恒久化されていること
1999年ISA制度が開始した時は10年という期限がありました。
しかし、2008年に制度が恒久化されて以降ISAの資産高は約1.7倍と飛躍的に増加しており、数年後の2014年には英国の成人人口の約半数がISA制度を利用しています。

2つ目は制度を分かりやすくしたこと
導入当初は制度が複雑で批判の声も多くありましたが、制度の改善努力を英国政府が行ったことで、人々のISA利用意欲が高まったと考えられています。

簡潔にISAを説明しましたが、今回こちらを着目した理由としては2024年から始まる新生NISAが同様に恒久化され利用者にとって分かりやすい内容の制度になるからです。

弊社の独自調査である金融RADARの結果を参照すると、NISAの口座を開設し運用している人の割合は2020年15.2%、2021年17.0%、2022年23.4%と、年々増加しています。

今回、新生NISAに生まれ変わることで、運用者が大幅に増加する可能性もあります。
ただ、制度だけではなく各金融機関においてもNISA口座開設方法の簡素化や
新制度をわかりやすく説明することも非常に大切であると考えます。


■今週の執筆者■
塩沢 周平(ソリューション本部 アカウント第1部・世論調査部)

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日経リサーチ 金融チーム  finsol@nikkei-r.co.jp
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