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~デジタル化を考える~必要に迫られて加速した身の回りのデジタル化

 日経ピーアールで営業部長をしておりますK林と申します。デジタル化については以前から様々なところでその必要性が言及され、当社でも関連するセミナー企画を実施してきました。今までのご講演のなかで先進的な取り組みをしている企業も多くありましたが、新型コロナウイルスによってデジタル化が加速したのは間違いありません。こうした仕事に携わる者として、また営業部の部長という立場として、身近に起こった色々な変化を確認してみたいと思います。

新型コロナウイルスがもたらした影響

 2019年12月に新型コロナウイルスが武漢で発生して、そこから全世界に広まっていきましたが、当初はこれほどのスケールの問題になるとは想像もしていませんでした。私自身もこのさほど怖がることもないと思っていましたが、感染は広がり4月には緊急事態宣言が発令されました。

 当社では管理本部で急遽、テレワークの環境を整えてくれたお蔭もあり、在宅勤務に移行することができました。このときは、広告やセミナーの案件の殆どがキャンセルまたは延期となり、営業部門としては業務に追われることはありませんでした。ただ、部門や業務によってはノートパソコンやネットワークの準備が追い付かず、出社が必要な人も多く、申し訳なく感じていたのを思い出します。

 社内の申請書類が紙で行われているためその書類に押印してまわすため、またFAXや電話での受発注業務のために出社が必要な企業も多いと思います。当社も同様でしたが、この1年余りでデジタル化による対応が進められ、殆どの申請書類等はオンラインでできるようになりました。

実際にテレワークをやってみてわかったこと

 社内申請等の事務対応についてはだいぶ慣れてきました。以前であれば、上長が出張等で不在のときは承認されるまでに時間がかかっていましたが、今はそのようなことはありません。承認する側も対応が遅れているとアラートが出るので滞ることがなくなります。

 またペーパーレスというメリットもあります。当社でも紙の伝票がだいぶ減り、更にデジタル化の領域を広げていくことで、紙のコストだけでなく、伝票の保管に伴う物理的なスペースも必要がなくなるなど別の効果も生まれてきます。

 では営業業務についてはどうか。内閣府「新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」の職種別の回答結果によると、回答結果によると、テレワークを実施していない人の71.8%が「営業・販売職はテレワークできない」職種と回答しています。ところがテレワークを実施した人の「営業・販売職はテレワークできない」職種の回答は30.6%と大きく下がっています。

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 扱う商材や組織によって違いはあると思いますが、やってみれば何とかなるというのかもしれません。当社も1年前に比べるとコロナ禍の営業活動にだいぶ慣れてきたと思います。

 ただ、気になるのは“コミュニケーション”です。同調査でテレワークの不便な点として、「社内での気軽な相談・報告が困難」があげられています。これには同感です。

 出社すると部員から仕事内容について相談されたり、時には上司から呼び出され急な業務が発生することあります。それによってその日に自分で予定していた業務ができなくなることもあるのですが、それよりも部員がどんなモチベーションでどんな仕事をしているか、上司は何を考えているかを把握できる、ということが大きいです。業務量がどうなのか、助けを必要としているかが分かりますし、雑談によって得られる関係性もあり、やはり物理的な場・時間の共有がチームワークの向上には重要だと気付きます。

 もちろんこれは私の意見であるので、他の部員はどう感じているかを確認する必要はあると思っています。テレワークは、自分の頭で考え誰にも邪魔されず、自分の仕事に集中できるという側面もありますので。

今後、働き方はどうなるか

 当社のように新聞広告や折込広告といった紙媒体を扱い、リアルセミナーの企画といった仕事を中心に行っている企業にとって、新型コロナウイルスのような出来事は極めて影響が大きく、2020年の春頃は不安でしかありませんでした。

 しかし、新しい働き方や仕組みにも対応しながら業務を進められるようになり、リアルセミナーもWebセミナーに形を変えて企画化することができています。

 ではこの先、どうなるのか。

 効率的な働き方としてもリスク対策としてもテレワークという選択肢は根付いていき、そして得られるメリットを増大するために更なるデジタル化が進む、と予想しています。

 その分、セキュリティ面での不安も付いて回ります。ガードの甘い企業が攻撃された事例も増えていますし、システム部門の方々を中心に今後は一層の注意が必要になっていくでしょう。

 営業内容はその時代に合わせて変化していくものですし、働き方も人も多様化を受け入れざるを得ない時代になると思います。人・業務内容によって合う・合わないがあり、それでも意識の共有や的確な指示など、これからの時代に合ったマネジメントも求められるようになっていくと考えられます。

 つまり、新型コロナウイルスが我々の仕事や意識に大きな変化をもたらしましたが、これからも変化し続ける覚悟を持つことが大事、ということでしょうか。

参考資料:
内閣府 年次経済財政報告より
第2章 感染症拡大の下で進んだ柔軟な働き方と働き方改革(PDF)」

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