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元国会議員秘書が出会った「政治をよりよくするさいきょうのアイディア」(後編)

前編では、とある見識の深い人との出会いから生まれたアイディア「国政の選挙区を地面から切り離す」ことによって今私たちが感じている政治へのモヤモヤを根底から解消できるのではないかという提案をしました。

この記事では、選挙制度を改革するならより民意を反映するために同時に実装すべき仕組みについて考えていきます。


国民の意思がより正確に反映される選挙を考える

投票・集約方法の最適化

複数の候補者から1人を選び、その候補者の名前を書いて多数決で当選者が決まる。私は投票権を得てからこの方法の選挙しか経験したことがありません。皆さんも選挙とはこういうものだと思っているのではないでしょうか。慶應義塾大学経済学部教授の坂井豊貴先生の著書『多数決を疑うー社会的選択理論とは何か』でも紹介されていましたが「ボルダルール」という多数決とは異なる仕組みを採用している国もあります。「ボルダルール」とは、1人1票ではなく1人で複数の候補者に投票することができ、例えば1位を3点、2位を2点、3位を1点というふうに重みづけをして選択する方法です。この方法は多数決と異なり死票が出づらく、民意に近い結果が出やすいと言われています。
※ボルダルールの詳細についてはNHKのこちらの記事でわかりやすく解説されています。

選挙制度改革の議論では、金権政治の打破や、二大政党制の推進など、様々な意図を持ちがちですが、それ以前に、最大限国民の意思が正確に反映される投票・集約方法は何かについて議論を深める必要があると思います。

有権者の過半数が「投票してもどうせ何も変わらない」と感じている状況は確実に何かがおかしい状況です

支持団体等の可視化

これは元香港区議会議員の友人から聞いた話なのですが、非民主化が進んでいる今はどうかわかりませんが、投票先に印をつける記号式投票で行われる香港区議会議員選挙では投票用紙の候補者氏名欄の横に所属政党とは別に支持団体の名称が載っていたそうです。これは日本でも採用した方が良いでしょう。

投票行動の最終段階で、極めて重要な情報「その候補者は誰のために働くのか」ということについて判断できる材料があること。これはとても重要です。選挙区が地面から切り離されても業界団体等のいわゆる組織票と言われるものは存在し続けるでしょう。これ自体は悪いことではありません。そのことを明らかにした上で国民に問えば良いのです。何らかの法整備が必要ですが、推薦状や政策協定等の支援団体等との約束事をフォーマット化し、届出を義務づけ公開する。これは真面目に政策実現を願う支援団体側にとってもメリットが大きいはずです。

これらを実現するための技術を考える

投票所・選挙管理のデジタル化

ここからはこれまで述べてきたアイディアを実現するために必要な技術的な側面について述べていきます。既に国会等で議論されてきたことも含みますが、いわゆるDX(デジタルトランスフォーメーション)です。

具体的なイメージを共有した方が早いかもしれません。選挙区が地面から切り離されても投票所はこれまで通り各地にあった方が良いと思います。デジタル技術を用いて個人認証を行うと、タブレット端末に自分が所属するグループの候補者と候補者情報が一覧で表示され、そこから選択するという流れになるでしょう。

セキュリティを重視するならインターネットから独立したクローズドネットワークを構築した方が良いでしょう。これは地域と中央をつなぐネットワークとして災害時の情報インフラとして活用することもできるかもしれません。

また、現在の投開票に関する各種選挙管理は人間が介在しているわけですが、地面から選挙区が切り離されると人によって選挙区(グループ)が異なるためデジタル化が必須です。

人間が票を数え、人間がそれをチェックする仕組みへの納得感や公平感を超える必要があるわけですが、ブロックチェーン技術がそれに資する可能性があります。ただし、他の領域のDX化と同様に私たちの物理への信仰を乗り越える必要がありそうです。

これらを実現するには多大な費用がかかることは間違いありません。それでも私たちが政治に対して自分たちの責任だと思えるような環境づくりをすることは何よりも重要なことではないでしょうか。数ある国家規模のプロジェクトの中でも、多くの納税者が納得する使い道だと思います。

インターネット投票の実現

これはもう言うまでもないことですが、投票機会の平等性を確保するためにもインターネット投票を実現するべきです。数年前に、日本若者協議会さん主催の集まりで若者団体と与野党の代表者(国会議員)が一同に会し、議論を行う場に立ち会ったことがあるのですが、その場に出席した与野党の代表者全員がインターネット投票の実現に前向きでした。ではなぜ未だに実現していないのかというとその場に来てくれるような議員は少数派だからです。これは、選挙区が地面から切り離されることで実現しやすくなる政策の一つだと思います。従って、インターネット投票もできる限り早く実現することが望ましいですが、前述した投票・選挙管理のデジタル化の方が優先度は高いです。

インターネット投票はエストニアで20年以上の実績があるため、技術的な課題は大きくなく、政治的意思の問題であると言えるでしょう。

社会契約論を説いたルソーや代議制統治論を著したJ.S.ミルの時代には非現実だったことが技術的に実現できる時代に私たちは生きています。そして、世界を見渡すと民主制国家の数はピーク時より減少傾向にあります。より良い民主主義のために工夫を凝らし不断の努力をしていく責務が私たちにはあるのではないでしょうか。

「どうして昔は選挙の投票率が低かったの?」と未来の若者たちに聞かれる時代が来ることを夢見て。

あなたはどう思いますか?忌憚のないご意見をください!

以上、前編では「国政の選挙区を地面から切り離す」というアイディア、後編ではセットで実装すべき国民の意思がより反映される選挙の方法やこれらを実現する技術面についてお伝えしてきました。

長文にも関わらず、最後までお読みいただきありがとうございました!
ここまでお読みいただいたからには、何らかのご意見やご感想をお持ちいただいたことと思います。

前編でも述べましたが、この記事の狙いは、皆さんからのご意見やご感想などのフィードバックをいただくことです。あらゆる政策課題の中で、選挙制度だけは政治家任せにせず、有権者が主体で議論し、選択すべきものだと思っています。誰にとって有利か不利かだけでなく、皆さんと一緒にこの国の民主主義の未来にとってより良いカタチを見出したい。これが、この記事を公開した最大の理由です。

以下のフォームからあなたの忌憚のないご意見をお聞かせいただけると嬉しいです。

また、今後、このアイディアをより磨いていくために、皆さんのフィードバックを踏まえながら、関係する領域の専門家を招いた勉強会等を開催していこうと考えています。

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