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ありがとうっていい言葉!

何気なく使っている言葉ありがとう!
この言葉を意識するようになったことがあります。

それは訓練生時代。いままでの勉強以上に絞られた期間でした。特に英語の授業。講師の女性はオーストラリア訛りのこわい、007に出てくる悪役のスパイみたいな人でした。いつもがんがんまくしたてる感じ!

きっとあの靴の底には鋭い鋲が付いていると思われるくらいコツコツと足音が近づくのを恐れていました。

それはともかくもう一人、見かけはジェントルマンの講義は「アメリカ人のフランクで楽しい英語教室を期待した私たちがバカでした」と思うほど厳しいものでした。

ある時、ヨーロッパやアメリカのフォーリナーはなぜ必ず「Tank you!」と言うのか?と順番に聞いてきました。答えられないと立ったまま。だれかが答えてくれるのを祈るのみ!です。正解ではなくても何も答えないのにおこっているのだ!きっと。

あまり的外れもかえって火に油だと思っているうちに私の番が来ました。とっさに出た言葉は「custom」 習慣や風習なら当たり障りがないかと。「GOOD!」急に相好を崩して手をたたきました。何も素晴らしい回答だとは思えませんが何かを答える、考えて口に出すことを求めていたのかもしれません。いつまで続くかわからない講義が終了になってみんなに喜んでもらいました。それから「ありがとう」と言う言葉を意識するようになりました。

無事卒業して何回目かの乗務。搭乗前のブリーフィングでファーストクラスを着物で担当するように指示されました。

通常は離陸して、シートベルトのサインが消えたらトイレで着物に着替えるのですがその時は先に着替えてお迎え。ジャンボジェットの鼻先が一等席です。乗客を真正面に立ってお迎えするのですが、緊張している新米の様子を旅慣れた乗客は反対に温かい目で見てくれました。コートをかけてもコーヒーをサービスしてもブランケットを膝にかけても「Tank you!」必ず目を見て言われます。
何と自然に…。もっと偉そうな人ばかりかと思っていましたが、私はもうれしくなって仕事に精が出たのは言うまでもありません。

それ以来良い習慣はまねしようとなって、コンビニでもレストランでもあらゆる場面で普通に言うようになりました。まさしくcustom!
その習慣は子供にも伝わって家の中でも自然と使うようになりました。
ありがとうと言われて嫌な気持ちになる人はいません。

声に出さなくても心で思うありがとうも、相手を大切に思う気持ちは伝わりそうです。沢山ありがとうと言えた日はきっと気持ちのいい日になります。
 今日もいい日にしましょう!



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