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自由の風

今までそんなに意識していなかったのに、自分の育った時代や子供たちを育てたころの価値観が随分昔の事のように思うことがあります。

もちろん母は大正時代の人。何より口癖が「品がある!」とか「品がないわねえ!」でした。それは言葉使いやしぐさに出ると言って何かとうるさく注意されたものでした。

町中で若い人が肌を出して歩いていると「はしたない⁉」となり、肌を見せることを嫌いました。

夏でも薄手の物を羽織っていました。今生きていたなら三宮を歩く女性にびっくりすることでしょう。

なのに当時流行り出したミニスカートには清潔感があれば言い!と。
彼女の物差しの不思議さは辻褄が合わないような…。

最近は職場での服装も自由となりそうでなければ募集しても集まらないそうです。髪型、ネイル。服装のデザインや色に至るまでお洒落をすることが第一条件。自分もかなり飛んでいる服装をしていても人を批判する人もいてその標準値はどこにあるのかおもしろく、いよいよここまで自由な風!と。

それは憧れた制服に袖を通した半世紀前の私にはわからない感覚です。
髪型も、ネイルの色も、化粧品の品番も決められていましたから。

仕事中もランダムにチェックが入り先輩から注意を受けたり、たまには乗客に紛れて職員がサービスの様子までも審査したりと…。

髪型は今と違ってショートスタイルと決まっていました。若干の違いはありましたがマニュアルに示されていて、最初のころはなんの疑いや不平もなくみんなが同じような会社の顔。今ではちょっとコントみたいで…。

もちろん規則は破るものと言う猛者もいてウイッグをかぶっていたり流行りのネイルを堂々と。そのスリルを楽しむではありませんが結構半年も過ぎるとばらけていました。遠い昔のこと。可愛い抵抗です。

知りあいの職場はうるさく言う先輩もいなければ、かえって鼻を伸ばす男性もいて、基本は自由と言いうことらしいと苦笑いしていました。

もう片方には身だしなみと言う言葉もあり、私なんぞは形から入る昔人間。
なかなか今の自由を謳歌する能力はなさそうです。

服を着ることのないニケはつやつやの茶色の毛並みを唯一自分らしさと思っているのでしょうか?
今日もいい日にしましょう!



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