春を思う
早くも川津桜の便りが来ました。早いもので2月上旬から咲き始める
そうですが、空気も柔らかくなって、これからあちこちで花のたよりが聞こえそうです。
若い時は大人ぶって秋の黄昏が好きでした。
それは自分に無い何とも切ない様子にあこがれていたのかもしれません。
今となれば、一斉に花開く春が待ちきれません。
冬の終わりに見つけた小さな蕾がいつの間にかふっくらして野辺にも咲く小さな花を見つけることが出来ます。
未だ息子が1歳ぐらいの赤ん坊の時、自転車の前に子供用のちいさな椅子を着けて川まで桜を観に行きました。まだ何にもわからないような子供とお花見。
土手に座って、息子は哺乳瓶。私は持ってきた日本茶。
そこにひらひら花びらが舞って、見上げる息子に降り注いでいるようでした。
しばらくしてそろそろという時、息子の小さな手に花びら一枚。偶然に握ったのでしょう!不思議そうに見ていましたが、早く取ってと言うように私を見ました。
結婚八年目に生まれた息子は私たちにとって特別でした。もちろん義父は大喜び、義母に見せられなかったことが心残りでしたが…。
我が家に春を持ってきてくれたような誕生は今からの波乱の人生なんて、微塵も考えられないくらい平和で、毎日が心安らぐものでした。
桜の季節、主人はいろんなところに二人を連れて行きました。
あの時は宝塚のファミリーランド。六甲山の牧場。琵琶湖でバーベキュー。
週末にはどこに行こうかと一番父親がワクワクしていたように思います。
必ず手弁当。ピクニックシートはいつも車に乗っていました。
面白そうな公園やきれいな花畑を見つけるとそのシートを抱えて、ひと時を過ごします。
何にもなくても子供たちは小さな虫を見つけたり、仰向けになったその上の動く雲を見て、いろんなことを想像します。
小学校に行くようになると息子はサッカークラブに、娘はガールスカウトと、彼らのスケジュールもできてなかなか四人で行くことが出来なくなりましたが、新しい環境でも親の私たちを楽しませてくれました。
そんなことを思い浮かべる春がもうそこにやってきているのを感じます。
たまに悲しい子供の事件を知るとやるせない気持ちになります。
生まれてきた時のあの感動をいつまでも親は忘れてはいけないと思います。
近くの男の子。少し前まではママと手を繋いで坂道を散歩していたのが、今朝、ぐんと背も伸びてたくさんおしゃべりしているところを見かけました。
春から幼稚園のようです。知らぬ間にではなく見過ごしているだけで、子供は確実に新しい世界に向けて大きくなっています。
ニケと私は歩くのがゆっくりとなりましたがこれはこれで春を迎える気持ちは同じです。
今日もいい日にしましょう!
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