いろんな景色 ニケと歩けば
天気がいいので久しぶりに布引の滝まで行ってきました。
新幹線の高架をくぐると右に折れるドンとした坂道が現れます。
クンクンと久しぶりの山道はいろんな匂いがするのかニケは忙しそうです。
神戸市の市章がレンガで作った橋に張り付けられています。
そこを渡ると山道に…。
あたかも結界があるかのようにサア~と空気が変わります。
鳥の声は何羽いるのかわからないくらいいろんなところから、私たちに向けて降ってきます。ニケは耳をピンと立てて少し緊張した横顔は久しぶりの山道に用心しているみたいです。
少しすると水の音が聞こえてきます。まさしくマイナスイオンを浴びていい気分です。草木のいい香りもかすかに…。
「何かあるの?」とニケがのぞき込む下には、滝からの山水を溜めた池があります。ここは一番下の滝。日本三大神滝の一つです。最初の滝は雄滝。上に上がるにつれて雌滝、夫婦滝そして鼓ヶ滝の四つがあります。昭和の小学生の遠足は王子動物園かこの布引の滝へのハイキング。細い山道を歩け歩けであまりいい思い出はありませんでした。あの時は自然の良さもマイナスイオンのすがすがしさも感じずただ最後の滝辺りでお弁当を食べるのが楽しみでした。
そんなことをボーっと思い出していると、「早く帰ろ」と言わんばかりにニケが見上げます。
彼女にとってはただの…。
すたこら急いで公園までまっしぐらです。
近くなのになかなか足が向かないのは、ニケがあまり山に登りたがらないからです。彼女は海の方が好きなようです。
一度あの橋のところで、大きなイノシシと出会って、怖い思いをしたのを覚えていたのかもしれません。向こうも角をまがっての突然の出現に、びっくりしていたようでした。
「また来ようね!」と私の独り言は聞こえたかどうか⁈
いつもより家路への道を急いでいたような気がします。滝から小さな川が山道沿いにあります。それは生田川となって海に繋がります。
生田川公園は小さな子供や、小学生が思い思いの遊びをしていつもにぎやかです。
たまの子供サービスなのか父親の姿もちらほら。一緒になってボールを蹴っている親子もいますが、母親に無理やり子守を頼まれたのか子供そっちのけでスマホをのぞき込む男性もいて、それをとやかくいう筋合い?はありませんが太陽の下で一緒に遊んでほしいなあと老婆心ながら見ていると、「パパ~見てぇ」と滑り台から小さな子供が手を振ります。
それに気が付かないので子供の声はますます大きく叫んでいます。
横を通るニケもその子を見て、私は小さく手を振りました。
はにかんだ顔は何ともかわいらしく、また滑り台を元気よく登っていきました。その背中を沈みかけた太陽が温かく包んでいるようでした。
子どもと一緒に遊べるのはほんの一時期です。その真っただ中にいる親は毎日が慌ただしくて、忙しくてすることがたくさんあります。たまの休みにゆっくりしたいでしょう。おうちの中がかたずいていなくても、夕食が少々手抜きであっても、子供との一緒の時間は何物にも代えがたいものです。ここぞとばかりに経験者として言えます。友達の方がよくなるのはもうすぐです。
いつも目と目で話をした。そんなこともきっと子供たちは覚えています。
親になれたのも子供のお陰、一人の人間として成長できるのも…。
切に祈ります。子供との時間を大切にしてほしいものです。
今日もいい日にしましょう!
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