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仲人の仕事 タイミング

お見合いに臨む時、二人は緊張するものと思っているのは昭和生まれだけのようです。
しかしたまにいます。純情な若人。だからなかなか出合えない?チャンスを逃す?

京都から二時間かけてきた、30歳後半の彼は、尼崎辺りからのどがカラカラで、帰りたくなるほどだったそうです。なんかかわいい!

三宮駅で、女性の会員と待っていると硬い表情で気まずそうに前に立ちました。
ひょっとして「○○さんですか?」声がありませんがこっくりうなずきました。そんなときは女性の方が度胸があるというかいつもは恥ずかしがり屋なのにどんどんリードして、お見合い場所の喫茶店に向かいます。

席が決まれば、双方を紹介して私の出番はおしまいとなります。
昔のお見合いなら双方の両親と仲人ががっちり脇を固めて…。という構図でしたが、最近はなるべく早くに二人にしてあげます。

今は婚活する男女も年齢層が高くて、そんなに手取り足取りしなくても、お話しできるはず!なんですが今回はちょっと違うようで。でも5分ほど同席するとそこはやはり若者同士、笑顔になりました。

そっと帰り際に振り返ると結構打ち解けて話しています。ちょっと安心して私は三宮の街に消えます。

その女性の条件は何しろ地元に住んでくれること。いくら人格が、身長が、
年収が…。関係ありません。この土地を離れたくない!一見郷土愛、実家愛に溢れた可愛い女性に映りますが、それはそれで高いハードル。

男性も自分の地元で暮らしたいとなると決裂です。
もったいないことです。住むところなんてどうにでもなるとは乱暴な考えなのでしょうか?これは仲人の私が、どこでも「住めば都」という考えなので、押し付けるわけにはいきませんが、それほどのものかといまだに理解できずにいます。

何度かのデートがあってそろそろ核心に触れようとした時、男性から実家の近くに家も建てています。ぜひそちらでと有り難いお申し出がありました。彼の心の中には70%はOKをもらえるという自信もあったようです。

翌日お断りの報告が彼女から来ました。「やっぱりねえ」
残念ですが彼女の結婚です。周りがとやかく言う筋合いではありません。

反対にそれを超える何かが彼にあったら話は違ったかもしれませんが、この理由でうまくいかなかったことは数回。

案外と今の男女は新しい世界に飛び出すことを良しとしないのかもしれません。お互いが今のところで、相手が併せわせてくれるのを待っているようです。

ところがある日お申し込みがありました。他県なのでどうかなあと思いつつ知らせると背が高くて素敵!となってとんとん拍子です。


それもありなのがご縁ということなのかもしれません。
地元愛より彼への愛に代わるのに時間はかからなさそうです。
ご縁とタイミング、掴めそうでつかめない不思議なものはひょうんな所から
現れてくるようです。

仲人の仕事って面白いです。縁は異なもの乙なものです。

今日もいい日にしましょう!







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