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昭和の家族はいい思い出

リアルなカエルの置物を見つけました。
無事帰る!おかえりなさいのお出迎え
 最近は父親が帰っても誰も家に居なかったり迎えに玄関までくる家族は犬や猫。何とも時代は変わりました。鍵を自分で開ける。ピンポーンもなし。合理的と言えばおっしゃるとおり。みんな忙しい。

昭和の家庭がいいとは言いません。時代ごとに家族のあり方も違うのですから。

「ただいまー」はみんな集合の合図。バタバタと二階やリビングから子供たちや秋田犬のフジ、祖母に母。「おかえりなさーい」と一斉に迎えます。父や祖父の手元には何やらお土産の包み!母は祖父たちのカバンを預かって最後にリビングに行きます。

お土産はまずは仏壇に供えます。ケーキなら早い目に下げても叱られません。おりんを鳴らして早く食べれますように!と手を合わせます。

ご飯の湯気がご先祖のごちそうだそうで小さな杯に小高く盛って仏壇のど真ん中に。大体が私の仕事です。

夕食は皆でいただくもの。父親たちのおかずはちょっといいものでした。
尾頭付きっていまのひとは分かるのかしら?

今では考えられない夕餉は午後6時。1時間ぐらいかけてゆっくりと食べます。
庭ではガチャガチャと金属の椀を鳴らして食べるフジは一心不乱です。
こんな毎日がごくごく当たり前でした。

今は子供も塾や習い事で夜遅くまで帰ってこなかったり父親はほとんど外食か、帰ってきても深夜に近い時間の夕食。母親も仕事を持っていたりと専業主婦も少なくなりました。

祖父たちはおとなの時間を大切にして食後はコーヒーやウイスキーを片手に雑誌を読んだり、お気に入りのジャズを聴いていました。大きなラッパの蓄音機(古!)ロゴの耳を傾けるビクターの犬はニッパー。亡くなった飼い主の声が聞こえる蓄音機に耳を傾けている姿ですって!その部屋は子供立ち入り禁止です。

叔母がお供えのケーキを運んできて、慎重にホールケーキを切り分けます。私は従兄たちと一緒にどれがおおきかを固唾をのんで見守ります。あとはじゃんけんで一番勝った人からケーキを取って行きます。今なら「そんな夜に甘いものなんて虫歯になる!」と叱られそうですが案外そんなところは寛容でした。

現代は家族みんなが友達のような関係ですが当時はやはりピラミッド型の家族構成。父が一番怖い!祖父は前線には出ませんがやはり一番偉い人。

祖母や母はごく普通に敬語で一歩下がっての立ち位置です。
今だから分かります。私たち子供はみんな本当に大事にされていたんだと…。親たちは明治、大正と激動の時代を生きてきて、やっと光の見えた戦後。

家族が揃うことが何よりの幸せと感じたことだったのでしょう。
今や遠い時代。久しぶりに思い出したのはあのでっかいカエルが連れて来てくれたのかもしれません。

フジと同じように一心不乱で食べるニケは「いまの時代も良いよ!」と言っているようです。




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