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はざまの景色

桜が満開で近くの川はキラキラ輝いて海に向かっている春を過ぎて、季節は夏に向かっています。

日本には四季があっていろんな風景を見せてくれます。山だけにとどまらず、公園の、道野辺の端っこにも。

今の時期は街のあちこちでアジサイ。鮮やかな色合いなのにいい意味で派手さはなく、地味と言うにはちゃんと主張があってこのはっきりしない季節のはざま。色に例えるならパステル。

雲は白が多くなると晴れとなり、少しグレーが混ざると梅雨の到来を知らせる雲行きとなります。

そんないい(良い)加減の季節が好きになったのはいつごろからでしょうか?

若い時はそれが何ともシャキッとしない自分の心にも似ていてあまり好きではありませんでした。シロクロと言う言葉が正しかったり気持ち良かったりと感じる年頃だったのでしょう。

それは思春期を卒業したものの、心の澱はまだ完全に溶けてなくて
おとなになりたい、なりたくないの狭間の感情。

いつしかそんなあいまいな気持ちなど吹っ飛ぶような新しい世界に飛び込むと、自分の中に秘かにあったそれさえも愛おしく思える気持ちが生まれて瞳の奥に隠していたのか新しいものの見方を、異国の風景が教えてくれました。

四季のない国は何とも中間色。短い夏や冬の国さえもよどんだ空に覆われて日常が絵画のようで、その景色が私にとってはとても魅力的でした。

そなん曖昧なところが古代の石畳みの坂道や、くすんだ壁土の建物によく合っていて川の色さえも違うのはきっとその国の自然が作ったものなのだと思えました。

今はニケと毎日の散歩。朝は少し肌寒くてギラギラ輝く太陽が現れると自然と汗がしたたり落ちます。

もう梅雨をすっ飛ばして夏なの?と思えるお昼間。なのに夕方には涼しげな山風が吹いて昼間のほてりを鎮めるために撒いた庭の水を植木たちは全身で受け止めています。

そんな小さな一日さえもいろんな表情を見せてくれるのはきっと短い時間でもどっちつかずの時間があるからかもしれません。

今朝はすでに暑い一日になることを知らせるような日差しです。
鳥の甲高い声がいつもより響いています。夏が苦手なニケは早く冬毛を落として一回り小さくなりたいようで、柴アルアルの換毛期、掃除が大変な毎年の事ながら、嬉しい便りです。

今日もいい日にしましょう!




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