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昭和の夏祭り

小学生の頃はあっという間に夏休みは後半戦。宿題はそこそこ。

遊ぶことに忙しくて勉強をする暇もなし!
送られてくる孫たちの様子も花火にプール。家族旅行と盛りだくさんのようです。

毎年小さくなる浴衣を祖母は丁寧に縫い直して、地蔵盆に間に合うように準備してくれました。浴衣の柄は朝顔。白地にきれいな赤の花が咲いていました。

地蔵盆がすむと次は夏祭り!おとなたちも何やら忙しそうで、町内会は頻繁に開かれました。大体我が家が集合場所。お昼前には三々五々集まって、おばさんたちの輪、おじさんたちの輪。わいわい手も口もにぎやかです。

 お昼は巻きずし。早くから何本も用意して、着物姿の祖母や母の紐をたすき掛けをする手順が手品みたいで、りりしくかっこいいなあと思ったものです。

中学生は子供たちに渡すお菓子の袋づめ、小学生は絵をかいたり夏祭りと書いた大きな看板作りに一生懸命です。

夕方にはほぼ準備が出来て、子供はジュース、大人はキンキンに冷えたビール。乾杯と同時に賑やかな前夜祭⁈が始まります。

当時は神戸の空にもいっぱいの星。この日は少々夜更かししても叱られません。

何が楽しみって、それは皆で一緒に公園での盆踊り。

数日前まで大きな和太鼓はでんと玄関のたたきを占領していましたが今日は表舞台!櫓の真ん中で待機中です。

当日は履きなれない鼻緒の下駄をはいて、足は痛くてたまらないのにそれを忘れるくらいはしゃいでいましたっけ。またカラン、コロンと軽やかに歩く度、それがまた靴では味わえない耳障りの良さ!わざと鳴らして…。誰からともなく片足を蹴って「明日天気になあ~れ」

2時間ほどの祭りは花火の後のかすかな火薬のにおいを残して公園は静かになります。提灯も知らぬ間にそおっと消されて…。

次の日には祭りが終わった寂しさと、もう少しで夏休みも終わり!学校に行くのは楽しみだけれどやっぱりもっと遊びたい!と後ろ髪引かれる思いでした。
同じような思いを子供たちもしたでしょう。今は孫たちが甚平姿で写真に納まっています。

初のデートは花火大会。母に浴衣を着せてもらい、つぎには私が娘に着せて、何年か先には孫娘の帯を娘が結んでいることでしょう。

やっぱり日本人はお祭りが大好き。きっと盆踊りの輪にはご先祖さまも加わって、見ている以上に賑やかだったのかもしれません。

今日もいい日にしましょう!





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