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10/10 『八月の母』読了

 今日のお題は #休日のすごし方

 サウンドフローヨガを楽しんできました。タイトル上の写真は使われた楽器です。みたことがないものばかり。
 休日と言ってもね。家族全員がフリーの日って滅多になくて。大体がそれぞれマイペースに動いている。
 すんごく疲れていたのか、音を聞きながらめちゃ眠ってしまった気がする。機会があったらまた参加したいな。

 さて昨日読了した本について、忘れないうちにメモしておこう

『八月の母』

 内容はこちら。↓
 実際の事件から刺激を受けて書かれたお話なんだね。


 申し訳ないくらい個人的な感覚の話になる。
 話を読んで自分のことを思い返しているのだから、正確には相手の話を聞いてないというか、これを共感とは言わないと思うんだけど、語り手の気持ちめっちゃわかるって強く握手したくなるような感覚があった。
 わたしが瀬戸内に来た時の感覚がうわーって蘇ったからだ。よそ者の、それも子供だったわたしは、語り手たちのように地域から監視され値踏みされている様な窮屈な感じに鬱々としていた。
 語り手たちとおなじように、海に行きたいと願い、なのに凪いだ内海を見ては失望していたのだ。わたしも。どこにでも行けるんだと信じたいのに、どこにも行けないと閉じ込めている自分がいた。自分で、閉じ込めていたのだ。それに気がつかないまま、閉じ込められていると絶望していた。
 高知の海に行くシーンでもわたしは自分を重ねた。わたしも同じ場所に立ち、向こう岸の見えない恐ろしく荒れ狂う広い海に慰められた。
 そんなことを思い出したんだった。


 わたしの個人的な思いは、一旦わきに置いておいて。
 小説の語り手たちはどうだったのか。

 親が訳ありだった語り手たちには当人には何の関わりのない色眼鏡がかかっていて、本人がどんなに純粋であったとしても、外から強引に一つの色に染め上げられていったように思う。
 わたしが実際どのようであっても関係ないのだ。親も、先生も、近所の連中も、共に過ごした学友でさえも、勝手に抱いた像を押し付け、わたし自身を見ない。わたしからわたしが阻害されている。こんな寂しいことがあるだろうか。

 四人の語り手は皆、圧倒的に寂しい。物語に出てくる居場所のない子供たちもそう。相手の目に映らない虚しさを誰彼にぶつけて憂さ晴らしをすることしかできない。たくさんたくさん憎んでいるんだ。わたしをみてくれないことを。でもそれを当人にぶつけることができなくて、この憎しみがどこからくるかも知らないで、関係のない相手に八つ当たりする。

 彼女たちが本当に憎かったのは、わたしを見ようとしない親だ。わたしに勝手な幻想を見て、侵入した男たちだ。レッテルを貼って友人からわたしを遠ざけるよう仕向けた大人たちだ。
 なのに彼ら自身には返せない。はち切れそうな憎しみは、ぶつけることができるならもう、相手は誰でもよかった。わたし自身でも、誰かでも。

 そしてそんな憎しみを持った「わたし」も理想をパンパンに詰め込んだ大人になって、我が子の心を見失う。相手の気持ちが見えなくなる。知らず、相手に寂しい思いをさせる親になる。自分をコントロールするのに精一杯で。自分で自分に失望する。
 
 
 わたし自身を見てくれない。実はこれはものすごく傷つくことなのではないだろうか。わたしが何を感じていようと関心がないということは。本当のわたし自身に対してはどの様なストローク(反応・刺激)も与えられないで育つということは。
 別の相手には関心を向けるならなおさら。わたしの存在が空虚に感じられる。わたしにはなにか足りないと自分の欠陥を意識させられる。なにひとつかけてなどいないのに。なにひとつ他の誰とも変わらないのに。

 攻撃され、心理的、身体的虐待を受けた子供には、マイナスのストロークがある。悍ましいものにはちがいないが相手との間に歪んだ絆ができる。悲しいものではあれ存在の意味にしがみつくことができる。

 だから寂しい子供は派手な格好をし注目を引く。過剰に利口になって関心を誘う。どんなものでもいい。相手からストロークを引き出すために。どうにか絆を得たくて、必死で。
 その相手がたとえ、自分のことで一杯一杯でわたしを目に映す余裕を持たない親であっても。自らの欲望に飲まれ、わたしを思いやる余裕のない男であっても、自分からしがみつく。寂しくてたまらないから、誰かの目に移りたくて。
 そのわたしにも瞳に相手を映す余裕なんてない。みんなエゴイスティックだ。そしてそれに気がついていない。

 最後の語り手は気づく。エゴイスティックな場所にいたことに。わたしもそうだったことに。
 ドチャクソ重い話だったですよ……。

 今日はタイピング練習はカット。明日はメンバーシップとはどうしたらいいか勉強する時間を取ろう。

 ではでは。おやすみなさい。

  

 

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