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8/16 『戦場のメリークリスマス』『映画 ドラえもん のび太の宇宙小戦争2021』

『戦場のメリークリスマス』

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 先に進むとネタバレ解説となっています。

 同性愛がテーマの物語です。舞台はジャワ島。日本軍が俘虜を収容している施設です。朝鮮人軍属カネモトが俘虜のデヨンを襲ったことが発覚するところから始まります。
 最初、カネモトは弱っていたデヨンを献身的に看病していました。優しくされたデヨンが心を許した途端、カネモトは豹変したとデヨンは話します。
 軍曹ハラは恥ずべき行為だとしてカネモトに切腹を命じました。
 男ばかりの収容所で、同性愛は禁忌とされ、嘲笑、嫌悪の対象でした。死に値するほどの罪。そんな中、収容所の所長であるヨノイは新たに収容された俘虜セリアズに一目惚れしてしまいます。

 タイトルにもなっている坂本龍一作曲の音楽が超有名な作品。音楽が好きでよく聴いていたのですが映画は見たことがありませんでした。坂本龍一はヨノイ役で出演もしています。

 恥ずべき行為。嫌悪の対象。禁忌。持つべきでないとされたヨノイの恋心は抑圧されます。
 しかし抑圧された恋心は、ヨノイの説明のつかない不可解な行動として現れてしまいます。認め難い感情に翻弄されてヒステリックになったり、精神統一で気を散らそうとしたり、支離滅裂な命令をしてしまったり。そんな認め難い恋心に翻弄されたヨノイの行動は悲劇を呼びます。
 普段とは全く違ってしまったのだろうヨノイの姿に、誰かと分かち合うどころか、自分自身にすら認めてもらえない感情を抱えて生きるのはどんなに苦しいことだろうと思いました。

『映画 ドラえもん のび太の宇宙小戦争2021』

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 のび太は夏のある日ミニチュアの宇宙船を拾います。そこから小さな宇宙人パピが現れ、「争いが起きた星から逃亡し、彷徨ううちにここにたどり着いたのだ」と話すことから物語が始まります。
 のび太たちはパピの力になろうとしますが、パピは若くして大統領にまでなった有能な子供。責任感が強く、頼られることはあっても頼ることは得意ではありません。
 迷惑をかけることを恐れ一人で敵に立ち向かおうとするパピに、のび太たちは一人で抱え込まず仲間と助け合って難局に立ち向かおうとなげかけます。

 差し出された手を取らず、一人で背負い込んで行こうとするしまうパピにあるのは勇気じゃない。危険に巻き込むと分かっていても頼ることの方がよっぽど勇気がいるから。そんなことを思いました。

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