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あの頃みたいに本を買う|ナインチェ・プラプラウスの「いつかいなくなっちゃうかもだし」#18

写真をたくさん撮ると、微妙なものは厳選され削除されます。
すると画面いっぱいに映されていた画像たちが、パッと消えてしまいます。
でも別に、その記憶も一緒に消えてしまう訳ではないと思うんです。

どーもどーも、ナインチェ・プラプラウスです。ちんちんじゃないですよ。

ご主人もミフィちゃんも、漫画が好きです。
20代半ばの二人の世代、漫画好きの子供たちは、ブックオフに入り浸っていました。
お金がないから、気になったものは100円コーナーで買い集めます。
ああ、昨日まではあったのに。このお店だと250円のしかないや。隣町のお店ならどうだろう。
あっちこっちと、お店をめぐり、すこしづつ買い揃えていきます。
やっとこさ全巻揃った時、なんとも言えない感慨がありました。
今は、アマゾンで、いつでもどこでもなんでも買える時代。
無駄といってしまえば無駄な、あの達成感を味わうことはなくなってしまいました。

けど、二人といると、あの頃みたいに漫画探しの旅が始まることがあります。

昨年夏、週間少年ジャンプで連載中の人気漫画「アクタージュ」の作者が逮捕されました。
連載は打ち切り。発売中の単行本も絶版となってしまいました。
ご主人は、20年近いジャンプ読者。
本作、「アクタージュ」も好んで読んでいました。
打ち切りのショックはもちろんですが、絶版により二度と読むことができなくなる事実に震え上がりました。

ニュースを観たご主人は、なんとか全巻集めなくてはとすぐにネットの海に潜りました。
しかし、考えることは皆同じ。ネット書店ではどこも欠品でした。
思い立ったご主人は、リアル書店で「アクタージュ」集めの旅を始めることにしたのでした。

ご主人のお家の付近の数駅、職場付近、ターミナル駅、ミフィちゃんの家の近くの数駅。
少しづつ揃うも、元々発行数が少なかったのか、どうしても手に入らない巻が出てきます。
もう無理かなーと思いつつ、都内近郊の店舗に電話までして在庫確認を始めたところ、千葉県の駅構内にある書店に在庫を確認。
わざわざ、夏休みのレジャー帰りに、車で立ち寄ってまでして全巻達成したのでした。

最近だと、「エヴァンゲリオン」のコミック版の新装版で似たようなことがありました。
映画に合わせて新装された、エヴァ。
三ヶ月に分けての発売でしたが、最終の6・7巻がどこの店舗にも見つかりません。
特に、緊急事態宣言で百貨店が閉まっていたことから、そもそも空いている書店を見つけるのに一苦労でした。
結局、全巻揃えるのに、2週間近く時間を要しました。

結構歩くし、無駄な時間も多い、何やってるんだろうと思うこともあります。
お金をかけたり、少し待ってみたり、別の解決策だってあるでしょう。
だけど、欲しいものを子供の頃みたいに一生懸命探すということを、二人はどこか楽しんでしまっているところがあります。

先週は、ミフィちゃんが、ミッフィーのムック本(ミッフィーのクッキー型が付録の本)がないというので、ご主人が本屋めぐりをしていました。
一応、アマゾンにはあったのですが、気がつくと結局、足を使っていました。
最終的には、最寄駅の本屋さんで売っており、灯台下暗し。
なんか、こういうところも楽しいんですよね。

無駄じゃん。こっちの方がいいじゃん。で衰退していく文化や習慣はいっぱいあります。
けど、無駄は無駄で楽しくて、いい思い出。
二人のこういう感じはなんか観ていて微笑ましいな。
人なんだから、こんな感じでもいいじゃんね。

18回


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