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システム化されたマンパワー

独立してから6年間で40軒ほど家やお店設計をしています。

案件ごとに10社程度施工会社さんに挨拶に行っており、これまでトータル400社ほど最低でもお話しをしに伺ってきました。

それぞれの会社と話していくうちに、各会社ごとに得意不得意があることに気づいたので、纏めていきたいと思います。

①施工会社のエリアの得意不得意。

・半径10キロ圏内
・施工会社がある県のみ
・施工会社がある県+隣接する県のみ
・主要都市+隣接する県のみ
・全国
に分けられます。

※下に行くにあたって、会社内でのマニュアルやシステム化が強くされていて、宣伝広告費にも力を入れてる印象です。
上に行くにあたってマンパワーや人の繋がりで運営をされていて、紹介などで循環を作っている印象です。

②工事を請けて頂ける内容の得意不得意。

・工事のみ
・設計と工事両方
・設計のみ
に分けられます。

※webサイトなどを見ていると全ての会社が「設計も工事もお任せください」と書いてますが、実際話をしてみると設計を外注していたり、施工部隊を持っていなかったり、大工さんを外注していたり、メンテナンス部隊を外注していたりといろいろなようです。

③ジャンルの得意不得意。

・住宅系が得意な会社
・店舗系が得意な会社
に分けられます。

※住宅と店舗では進めるスピードが全く異なります。
住宅の場合、工事だけで最低3ヶ月程度見ますが、店舗の場合は計画〜工事完成まで2ヶ月や1.5月というのも少なくありません。
当然丁寧さや計画性なども変わってくるようです。

④住宅系の得意不得意。

住宅系が得意な会社を大きく分けると、
・住宅会社
・設計事務所
に分けられます。

※住宅会社は組織としてチームで動くのに対し、設計事務所は所長とアシスタントという体制です。役割分担がなされ一度に多くの案件を受注するのが住宅会社です。
それに対し全て所長を中心に進めていくのが設計事務所で、スタッフの人数が多くないため一度に受けられるのが1〜2件程度のみのようです。

⑤住宅会社の強み

さらにそのうちの住宅会社の得意不得意を分けていくと、
・高級派 →タイルなどの高級素材が得意
・自然派 →珪藻土や無垢の床など自然素材が得意
・機能派 →IOTなどの最新設備が得意
・性能派 →断熱や耐震、防音などが得意
・デザイン派 →可愛い美しいデザインが得意
・超特殊分野 →地下室や屋上庭園などが得意
に分けられます。

※と言っても、もう今はどこでやろうがどんなことでもできますし、デザインも材料も機能も性能も極端に変わることはないです。
違いはその得意としてるジャンルをやる際のコストで、取引してる商社(部品や部材、商品を売る会社)の違いが若干ある程度です。
一部例外で、地下室や屋上バルコニーのような超特殊分野だけは会社は多くないようです。

⑥店舗系の施工会社の得意不得意

・商業施設系店舗会社 → 銀座sixだったりミッドランドの様な商業施設内の店舗が得意
・雑居ビルなどのテナント系店舗会社 →街の美容院や飲食店などが得意

に、分けられます。

※商業施設内の工事は、施設内ルールが分厚いのと多くの予算が必要なケースが多いためデザイン以外の知識や経験が必要になります。オフィスやクリニックなども商業業施設系が携わることが多いです。
テナント系では、ビル内のルールが薄い場合が多く、建築の法律さえ守ればあとはノールールで行けることも多い様です。


⑦業種の得意不得意

店舗会社の中でも開店される店舗の業種での得意不得意があります。

・飲食系 →カフェ、居酒屋、バー、パン屋、ケーキ屋など
・美容系 →ヘアサロン、エステ、ネイルなど
・接骨院、整体
・ボディケア系 →ヨガ、ストレッチなど
・物販系 →アパレル 、アクセサリー、ライフスタイルショップなど

※それぞれの業種で扱う設備や求められるデザインが違うため、専門として謳っている会社や自然と偏りができている会社が多いようです。


まとめ

東京、埼玉、千葉、神奈川、静岡、愛知、岐阜、滋賀、和歌山、大阪、兵庫で家やお店のリノベーションの設計をしてきました。

我々は設計デザインのみで工事ができないので、その都度工事をして頂ける会社を探しながら進めています。

家にしろお店にしろ、ひとつの案件にあたり10社程度お話しを伺って2〜3社程度、工事や見積もりの相談をさせて頂き、施主とどの会社が良いか?の決断をしていきます。

各会社は「謳い文句」として専門性を表現していますが、実際と謳い文句でギャップが生まれているのが依頼をする上で複雑にさせているポイントかと思います。
(新規集客を頑張らないといけないので謳い文句は当然ですが)

施主のニーズはさまざまなので施工会社の得意不得意を理解して、施主に合わせて相性の良い施工会社を見つけていけると良い物が作れるのではと。

余談


個人的には地域密着系の会社の人たちが好きです。

挨拶に行くとだいたい食事に誘って頂けて、食事やお酒の席だと人柄や何を大切にしているか?が見えてきます。

アナログめいてますが、僕たち設計は作り手の癖や気持ちを背負う必要があると思ってるので、ご飯に行けるくらいの関係性がちょうどいいわけです。

アナログでマンパワーな会社も最近ではマニュアル化やデータの蓄積が行われるようになってきていまして、システムとマンパワーの融合がいい感じになってきてる会社も多いです。

余談でした。

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