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リハビリをする上で大切だと思うこと


くも膜下出血の後遺症のため何人もの療法士さんに関わっていただきました。担当の理学療法士さんだけでも5人です。色々な施術方法や個性があるということを知りました。そんな中でリハビリをする上で私が1番大切だと感じたのは「この人がいうなら」そう思って自分がリハビリをできるかどうかということです。

私がとても信頼している療法士さんは二人います。
一人は急性期に担当してくださった方です。
もうお一人は現在お世話になっているリハビリセンターリハフィットのセンター長さんです。
このお二人については後日また書こうと思います。


自費リハビリを探すことになった経緯

回復期では左下肢に残った麻痺に対してより、失われた体力と筋力の強化に重点をおいてリハビリが行われました。
そして回復期を退院後は、ジムで水泳を楽しみつつ近くのクリニックでリハビリを受けていました。

ある日クリニックの担当者が代わり「回復期では麻痺に対してのアプローチがなかったようだけれど、麻痺の回復はピークが半年なので急いで下肢の反復運動をやったら麻痺の改善が見られるかもしれない。ただ、自分のところでは多くて十日に一回しかリハビリができないので、自費のリハビリを探し並行してやってはどうか」加えて「体力筋力は後からなんとでもなるのでジムはやめて早く自費のリハビリを探した方が良い」と言われました。また、ときどき左足の痛む原因は水泳だとプールも禁止されてしまいました。

回復期の療法士さんに相談してみて

回復期でやっていたことが無駄であったと言われたかのように感じ、楽しんでいた水泳も否定されて落ち込んだ私は回復期の担当だった方に相談をしてみました。
もともと退院時に「通いのリハビリはいらないからジムに行くように」と言って送り出されたのででっきり「自費のリハ?いらないでしょう」と言われると思いこんでいました。
ところが「今は自分の手を離れて別の人が担当なので自分が口を出す立場ではない」と。そして「麻痺が改善する可能性があると言われて麻痺が良くなると思っているでしょう?なんなら病気の前に戻ると思っているでしょう。障害は障害としてきちんと受け止めないとダメだよ」と言われました。

今担当ではないので「口を出す立場ではない」それは十分に理解でき徹底した意見だなと思います。自分が何かをいうことでクリニックの方との信頼関係が築けなくなることを心配されたのかなと思いました。そして「麻痺が良くなると思っているでしょう。障害は障害としてきちんと受け止めないと」この言葉はさすが1ヶ月半担当していただけあって私の心を見抜いた一言でした。

自費リハビリ一本に

どうしたら良いかと思いつつ自費リハビリを探していると、以前から興味のあった川平法が受けられる施設があることがわかりました。通うにはちょっと不便でしたがとりあえず見学してみようと夫に背中を押され体験の申し込みをしました。
明るく広い施設、穏やかで知識の豊富そうなセンター長さん、何より高額を一括前払いというところが多かった中で、ここは都度払いでもOK。3回からの回数券もありととても良心的な設定でこちらに通うことに決めました。

そのことをクリニックの担当者に伝えると「それは良かったです。ではこちらのリハビリの回数を減らしましょう」と言われました。あれ、回数が足りないから自費のリハビリを加えてくださいってことではなかったの?
不信感と二人の療法士さんにつくと混乱してしまいそうなこともあり、結局自費リハビリ一本で行くことにしました。

信頼関係があったならば

仮定の話になってしまいますが、もしもクリニックの療法士さんときちんとコミュニケーションが取れ信頼関係ができた上での「麻痺改善」や「水泳禁止」だったらどうだったのかと考えることがあります。
初日にいきなり自費リハのことを持ち出されて驚きました。「麻痺の改善が見込めるかも」の言葉には大きな期待と共に大きな不安も持ちました。
歩けないわけではなく不自由さが残る程度の麻痺です。それでも少しでも改善するならば頑張ってみたい。その一方多額のお金をかけて本当に良くなるのだろうかと。

先に「この人が言うなら信じられる」そんな信頼関係があったならば、不安に思うことなく頑張ってみようとなったのかもしれません。他の療法士さんに相談することもなかった気がします。でも出会ったばかりで信頼関係どころか、私がどういう日常生活を送っているのか、具体的にどんなリハビリをしてきたのか話すこともないままの提案でした。
自身が施術をするので「一緒に頑張っていこう」とそこから信頼関係を作り、その上での自費リハの提案であったならばもっと違う形になったのかもしれません。

実は回復期へ転院したとき、急性期の療法士さんを信頼しきっていた私は正直なかなか新しい療法士さんに馴染めませんでした。
いつも静かで穏やかだった急性期に比べ、回復期の療法士さんはいかにも体育会系という感じの元気な方でした。急性期と回復期ではリハビリの内容が違うのだということも知らなかったので常にいろんなことを比べ、疑問を持ちつつリハビリをしていました。
私の想像でしかありませんが、回復期の療法士さんはそんな私が信頼できるようになるまでコミュニケーションをとりつつ待っていてくれたのではと思っています。そして信頼関係が築けた頃から徐々にリハビリや後遺症に対する話がなされ、リハビリの内容もハードなものとなっていきました。が、それを頑張れたのも「この人のならば」と信じられたからだと思います。

能動的な治療だからこそ

リハビリに限らず医療においては治療内容はもちろん「この先生のもとで治療したい」と思えることが大切だと思います。
けれども患者本人が能動的に動かなければならないリハビリでは「信頼関係」がもっとも重要なのかもしれないと思っています。