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退院後の療法士さんとの出会い

回復期を退院後、さまざまな経緯を経て自費リハビリを探し始めました。医療保険でのリハビリと自費でのリハビリで大きく違うことは、かかる費用とセラピストが選択できるかどうかということだと思います。
自費リハビリで検索をするとたくさんの施設がヒットしました。
一体何を基準に選んだらいいのか?悩みつつ決心するまでの経緯を書いてみようと思います。

リハビリ施設探し

自費リハビリを探してくださいと言われてまず最初にしたことはネットでの検索です。地域と脳疾患自費リハビリと入れるだけでたくさんの施設がヒットしました。
最初にざっとみて驚いたのはどこも2ヶ月16回30万円や24回50万円など。初回の体験等は無料というところも多くありましたが、全額一括前払いというところが多く正直不安を覚えました。

最初に払ってしまって担当者と相性がよくなかったらどうしよう?
体験で担当した人がずっと担当してくれるのだろうか?
途中で予約が入れられなくなってしまったりしないのだろうか?
本当にちゃんとしたリハビリが行われるのだろうか。
昔聞いた悪徳エステ業者の話が頭をよぎったりしました。

そんな時にふと思い出したのが以前、テレビか何かで見た川平法のことでした。鹿児島大学で提唱されたという足痛反復療法、せっかくならばこういう施術を行なっているところはどうだろうかと探してみました。
すると自宅からは距離はあるもののなんとか通えそうな施設が一つだけありました。それがリハフィットでした。

体験に行ってみて

まず思ったのは明るく広い施設でした。
片側には様々なマシンとスタジオがあり、もう片側には何台ものプラットホーム。
入り口で靴を履き替え手指消毒と検温を済ますと女性の方に中へ案内されました。

緊張していてあまりよく覚えていないところもありますが、穏やかそうなセンター長さんが出てこられて今までの経緯や現在の様子をまずお話しました。
体験となっていたのでまず施設の説明や支払いのことなどから始まるものと思っていたので正直びっくりしました。

それから歩行をじっくり見られました。まだ気持ち的には診ていただくというより見られているそんな感じでえした。
鏡に向かって何往復もし、正面から横から腰を落として歩き方を見ておられ、今までのリハビリとの違いに驚き緊張しながら歩いたのを覚えています。

私は左足首に麻痺が残っているので右に比べてつま先が上がりにくいです。
その様子を録画したあといよいよリハビリが始まりました。
これが川平法なのかな?
声かけに合わせてつま先を上げ下げする。その直後マッサージ。
膝を上げ下げしながらまたつま先の上げ下げなどを繰り返す。
そのうち私が力を抜くことが苦手なことに気がつかれたようで指を曲げながら上げ下げすることに。
こんなに足首に限定してじっくりリハビリしたのは急性期以来でしょうか?辛いことは何もなくただ言われるがままに足首を上下させていました。そんなことが繰り返されたあと再び両足首を上げ撮影をすると、不思議なことに左足首がちゃんと上がるようになっていました。
そしてその後、再び歩き方のチェックとアドヴァイスが行われて体験は終了しました。
なんというかそれだけで十分お得感があるような体験でした。

そのあとようやく今後のリハビリについての説明となりました。
私の現状と今後の見通し。
「週に2回2ヶ月通ってください」などではなく、ある程度の歩行ができていること、よくない癖をとっていくことなどを話されて、
「家で自主練をするならば、月に1〜2回、計5回くらい通えばいいでしょう」そんなお答えでした。

私の足に対してのしっかりとした説明と、あまりに良心的なお話にちょっと驚きました。
支払いは都度払いでも少し割引のある回数券購入でもいいこと。
そんなお話をされたあと、持ち帰ってご家族でご相談してくださいと。
てっきり引っ越しの見積もりのように(笑)「今すぐ契約されたら‥」なんてイメージさえ持っていた私は拍子抜けしました。

でももう私も付き添っていた夫もこのかたにお願いしようと心は決まっていました。
私も夫もリハビリについては素人です。
何が良いのか悪いのかそういうことではなく、前回私が書いたように「この人なら」という信頼がただ一度の体験で寄せられそうだと感じたからです。
これがリハフィットに通おうと決めた経緯です。

リハフィットに通ってみて

体験のあととりあえずと5回の回数券を購入しリハビリに通い始めました。
体験の時と変わらない熱心さで足の麻痺に対して対応してくれるセンター長さん。
歩き方の癖のせいであちこちに痛みが出る原因を探ってくれます。

さらには私がやっていたボランティアが退院後うまく行かないお話をすると、次回には理学療法士さんの範疇ではないことまで調べ、テストをしてださり具体的な対策方法まで考えてくださいました。
今後専門医に受診の予定ではありますが、高次脳機能障害の可能性も脳外科の先生には言われました。でも、先生は「やれる範囲でやれることを」と言われるだけでした。
でも、できたことができなくなるのはとても辛いことです。
少しでもできるようになりたいと願っている者にとっては、練習方法や対処法を教えていただけることは本当にありがたいことです。

結局その後は私の体調が思わしくなく入退院を繰り返したため、残念ながらリハビりは順調に行っていません。
筋力・体力・そして気力とどれも落ちてしまったためです。
でもその状態に対してまた柔軟に対応してリハビリをしてくださり本当にありがたいと思っています。

最初は5回くらいの予定が今は延長となっています。
足首のリハビリだけの予定が全身に及んでいること、そして家での自主練ができていないためです。
肉体的だけでなく精神的にも不安定なためさらなる延長もあるかなと思っています。ただ、自費リハビリのありがたいところはどれだけでも延長できるところです。
回復期を退院すると私たちには頼るところがなくなります。
いきなり「日常生活に支障はないよ」と放り出されてしまいます。
そんな私たちを救ってくれる場所の一つとして自費リハビリ施設はとてもありがたいと思っています。

急性期や回復期と違って毎日リハビリをしていただくわけではないので信頼関係を結んでいくのに時間がかかるところはあるのかもしれませんが、「この人なら」と思える療法士さんにまた出会えたことは本当にラッキーだったと思っています。

みなさんはどのくらいのことまでセラピストに求められますか?
面会禁止で家族に話せなかったり、また家族だからこそ話せない悩みなどもあると思います。毎日一緒だったセラピストにはそんなケアもしていただいていました。
月に何度か施術してもらうだけの方にどこまで求めていいのかは迷うところではありますが、せっかく「この人なら」という方に出会えたのでこれから先もっと信頼関係をむすんでいけたらと思っています。