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新しい時代の学力観「知識は検索すればいい」…本当?

新しい学力観

小学校現場では、一人一台端末が支給されています
知識を詰め込む学習から、「何を学ぶか・どのように学ぶか・何ができるようになるか」といった資質・能力が求められる学力観への変換が進んでいます
この考え方はVUCA時代の到来に見合った学力観だと思っています
ただ、教師がきちんと本質を理解していなければなりません
間違った方向へ子どもたちをいざなうことは、あってはなりません
今回は、「知識は検索すればいいのか?」ということを考えます

インターネット、実は広い世界ではない?

インターネットは便利です
検索すれば、色々な知識にふれることができます
しかし、気を付けないといけないことがあります
グーグルの検索システムや、FacebookやTwitterのようなSNSは、過去のクリック履歴や検索履歴などの情報からユーザーが見たいと思われる情報を自動的に判断するようにプログラムされています
検索する前に、候補を予想し、表示してくれるようになりました
この仕組みはパーソナライズと呼ばれています
実際、私のFacebookは、私の好きなラーメンの情報に青森のこと、教育関係の投稿が中心になっています
これは、ユーザーの利便性を高めるために行われているようです
反対に、パーソナライズが進んでいくと、どんどん狭い世界の情報に限定されていくようになります
このことを、「フィルターバブル」といいます

フィルターバブルについて

バブルとは泡のこと
つまり、広い世界にあっても、泡の中に閉じ込められたように狭い世界でしか情報と向き合えなくなっている状態をいいます
インターネットにおける知識が限りなく広い世界のように見えても、実は自分の居場所はとても狭い世界にいる、ということすら気づかないでいる状態です
この状況を「エコーチェンバー現象」といいます
閉ざされた世界で似たような意見ばかりに触れていると、その考えを絶対的に正しくて他の意見はすべて間違っていると思い込んでしまう危険な状況にもなります
新しい学力観のことを学ぶとき、知識面はインターネットに任せていこう、というようなことが言われますが、まず検索する側の情報に向き合う資質・能力を高めていかなければなりません

だからこそ、多角的・多面的思考

こうした状況におちいらないようにするためには、様々な情報源をもつことが重要だそうです
新聞を読み、テレビの情報を見る
できたら、数誌読めるとよいですね
しかし、メディアには様々なタブーがあり、偏りがあることも知っておかなければなりません

https://note.com/tatasyoku/n/ndf230c500385

そのためにも、多角的・多面的な思考が必要です
いくつかの立場に立ち、想像力を働かせて、その場所から見える景色を眺め、思考すること
そうして、メディアに接したり、インターネットの情報を取り入れたりする
そのためにも、各教科の見方・考え方をきちんと子どもたちに学ばせたいと思います
子どもたちがこれからの情報化社会を生きていけるように、情報の海に溺れないよう、確かに子どもたちを育てていく必要性を強く感じています
知識はインターネットに任せる、ということについては、私たちも、きちんとした見解をもっておきたいものです

                           三浦健太朗

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