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一番大切な働き方改革は「自分が一番何をしたいのか」を決めること

したいことをするのか?
したくないことをするのか?
この選択が、幸せを作ります。
この事実は、以下のようなことが私たちに語り掛けてくれます。

 アフリカゾウの平均寿命は、動物園の個体は16.9年、野生では35.9年だった。国立公園内で人間に殺される個体を統計から除外すると野生での平均寿命は56年となり、動物園で飼養されている個体の平均寿命の3倍にもなる。

地球生物会議より

普通は、動物園の象の方が安心して生きられるし、栄養環境も優れていて長生きしそうですが、実際はその逆なのです。サバンナで自由に生きている象は、動物園の象の3倍長く生きています。

また、人間でも同じです。ストレスにさらされ続ける管理職の平均寿命は、そうでない社員の人たちよりも、長いことが分かっています。つまり、自分で選択し、その通りに行動できることが、動物でも人間でも、長く生きることに役立っているのです。

今回、私が読んだ「三流シェフ」という本。三國清三シェフの自伝です。面白くて、あっという間に読み切ってしまいました。
北海道の増毛で漁師の息子として生まれ、小学生から商売して、学校にもまともに通えずに育った三國シェフ。中卒ではふつう働けない札幌グランドホテルでも、帝国ホテルでも、持ち前のガッツと知恵、そして母親からもらった「学歴はないけど、志は平等」という言葉と、父親からもらった「大波が来たら逃げるな。正面からぶつかっていけ!」という言葉を胸に、成功を手にしていきます。家に帰る時間すらないほど、鍋洗いや総料理長の補助など、自分にできる仕事を見つけ、総料理長の評価を手にしていきます。そして、スイスのジュネーブの大使館専属シェフに推薦されます。さらに、休みの日には、料理界のモーツアルトとよばれたジラルデさんのレストランで仕事をします。とにかく、料理人として一流になるために、休むこと、寝る暇さえ惜しんで仕事をし続けたのです。そして、食べた人を幸せにする料理を作るために、「オテル・ドゥ・ミクニ」をオープンするのです。

さて、教員の話から考えます。
職員室。まえよりも、ずっと勤務時間通りに帰りやすくなったように感じます。長く働けば働くほど偉いみたいな考え方は、少しずつ薄らいでいるように思います。

ただ、この三國シェフのことを考えると、色々なことに気づかされます。「早く帰ることだけが、働き方改革ではない」
ということだと、強く感じさせられるのですね。もっと言うと、
「自分のしたいこと、一番したいことはなにか?ということを見極めて、仕事をすること」
だと感じました。だから、勤務時間だけにとらわれて、
「それは時間外ですよね!」
ということも大切なのですが、その向こうにあることは、
「あなたはどうしたいのですか?」
ということなのです。

三國シェフにとっては、休日も一流シェフのもとで自分の料理の腕を磨くことが幸せなのです。だから、休日かどうかは、そもそもどうでもいいことで、全ては自分の幸せのために、料理の腕を磨くのです。

私たち教員にとって、何が本当に幸せなのかを考え、決めること。
何が幸せなのか、自分の物差しできめること。
これが、時間外勤務かどうかより、よほど大切な働き方の物差しなのだと思いました。

                      三浦健太朗

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