自分のセクシュアリティを受け入れるということ

 オンライン交流会に参加してくださる方の中には、「今まで自分のセクシュアリティを他人に話したことなんかなかった!」という方もいらっしゃいます。
 そして、そんな方の中には、「自分がLGBTであることを認めたくなかった」という方もいらっしゃいます。
 その気持ち、とてもよく分かります。かつての自分がそうでした。

 私が初めて女性を好きになったのは、高校時代。当時の自分は女子校にいました。もし、読者の中に女子校出身の方がいたら想像できるかもしれませんが、女子校とは、良くも悪くも女の子が女の子でなくなる場所です。異性の目を気にして、大人しく可愛くしていよう、なんて人は少数派でした。
 また、私のいた所は進学校でもあったので、受験一筋で真面目な人ばかりでした。それなので、浮ついた噂がある人もほとんどいませんでした。
 そんな環境の中で、ふと、私はクラスの女の子を好きになりました。自分の感情に気が付いたきっかけは、その子が別の子といると嫉妬してしまう気持ちがあったから。他の友達にならそんな感情は湧いてこないのに、その子に対しては、何か独占欲みたいなものが芽生えていたのです。
 その時、自分の感情に対して戸惑っていたことを覚えています。
 それまでは普通に男子を好きになっていましたし、男子と付き合った経験もありました。
 また、こっそり女性同士で付き合っているような人も周りにいましたが、それに対しては率直に「気持ち悪い」と思っていました。

「今はたまたま女しかいない環境の中にいる。だから、自分は今、一時的に頭がおかしくなっている。大学に行けば治るから大丈夫」

 それが、当時の私が自分に下した結論でした。

 それから3年後、やっぱり自分はマジョリティとは違う、と性自認することになるのですが……そう思えたのは、当時LGBTについての大学の講義を受ける機会があって、さらに当事者団体が手の届くところにあったからだと思っています。自分のままで良いのだと、肯定してくれるものがあったのです。
 もしそういうものがなかったら、大学に入っても私は自分のセクシュアリティを受け入れられないまま、悩んでいたことでしょう。
 逆に、高校時代からそういった教育を受ける機会があれば、自分の感情をもっとポジティブに捉えて、変に悩まずに済んだとも思っています。

 ありのままの自分でいい。

 これまで、たまたま自分を受け入れる機会に恵まれなかった人たちへ、にじまゆプロジェクトの活動が届けば良いなと思っています。

いただいたサポートは、活動費に充てさせていただきます(*^-^)