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占い師として、通訳の「黒子力」から学ぶこと

 最近、通訳の方を通して海外の方とコミュニケーションを取っている方々の動画を見る機会がありました。2時間ほどのミーティングの中で、同じ方がずっと通訳をしていたのですが……

 語学力はもちろんのこと、通訳の方ってすごいんです!

 まず、2時間ぶっ通して通訳できる集中力。一瞬でも気を抜いたら話は先に進んでしまうわけですが、「すみません、聞いていませんでした」ということはないわけです。時には、同じ人が2分くらい話し終わってから訳す場面もあったのですが、それでも聞き返すこともせず、最初から淡々と通訳できる能力に驚かされました。

 次に、行間を読んで適切な言葉を選ぶ力。言葉一つを取っても訳し方はたくさんあります。また、話し言葉なので、時には話者が最後まで言わなかったり、含みを持たせた言い方をすることもあります。
 そのような、言葉にならなかった部分も含めて、話者の意図を瞬時に適切な言葉に置き換える力は、単なる語学力を超えた能力であるように思いました。

 そして、徹底的に黒子でいる力!
 
通訳は自分の意見を述べることは求められていません。むしろ、言っちゃダメです。ミーティングはなかなか白熱していたので、ピリピリした雰囲気を感じることもあったと思うのですが、通訳の方は全く動じません。
 また、通訳の方が疲れてしまうかもしれない、なんて配慮は誰もせず、みんな容赦なく話し続けます。それでも淡々と自らの役割を果たし、黒子でい続ける姿に、もはや感動すら覚えました。

 通訳の方は、ナーバスブレイクダウンで仕事を続けられなくなる人も多いと伺ったことがあります。実際に、通訳の現場は常に本番なわけで、少しのミスが重大なコミュニケーションエラーに繋がることもあります。緊張感は相当なものでしょう。
 今回、通訳の方の姿を見て、私には絶対にできない仕事だなぁ、と思ったのですが……。
 通訳の方の黒子でいる能力には、学ぶことがあるように感じました。

 通訳の勉強をしたことはないのですが、過去に、週末だけ翻訳学校の入門コースに通っていたことがあります。
 翻訳でも、「黒子でいること」の大切さは繰り返し教えられました。原文にないのに、勝手に想像して訳者が意味を付け加えちゃだめだよ、ということです。
 翻訳も、辞書の言葉をそのまま置き換えるだけの仕事ではないので、言い回しに工夫がいる場面はあります。でも、それが作者の意図とずれていてはいけません。課題文を訳すときに、「その言葉って本当にそんな意味ある?」と先生に繰り返し言われたことを思い出します。

 現在、仕事としてがっつり翻訳をやることはないのですが、最近、この時に言われたことを意識させられる場面があります。

 それは、占いをしているとき!!
 
 カードや星の象徴から、相談内容に応じて言葉を引き出す作業は、翻訳や通訳に似ています。何となく、脳の同じ部分を使っている感覚があります。(霊感がある人は違うかもしれませんが)
 相談内容が、自分の経験や知識のある分野だと、つい自分の意見を付け加えたくなることもあります。でも、わざわざ占いというツールを使っている時点で、それは本来、占いとは切り離して伝えなければならない部分でしょう。
 ご相談者様に自分の力で未来を選び取ってもらうという意味でも、悩んでいる方に引っ張られないように心理的な一線を引くという意味でも、「黒子力」は重要であるように思うのです。
 今回、通訳の方の仕事ぶりを見て、そんな気付きを得た私なのでした。

 翻訳、もう1回ちゃんと勉強してみようかな。英語力と黒子力が同時に鍛えられそう✨

 


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