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小説のちょっとしたコツ

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小説のちょっとしたコツや小技、考え方などの記事をまとめています。「文末の処理」「描写の考え方」「ページ数と内容」ほか。
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#描写

手軽にできる文章練習法3つ〜小説のちょっとしたコツ

崖っぷち作家のニジマルカです。 小説のちょっとしたコツや小技をご紹介するシリーズ。 今回は「手軽にできる文章練習法3つ」です。 手軽にできる練習法小説の練習で一番効果が高いのは、なんと言っても新人賞に出すことですが、その他にもいろいろと文章の練習をしていました。 練習ばかりしても仕方がないとは言え、練習を習慣にすれば、少なくとも、毎日書いている状態を保てます。 練習よりも「毎日何か書く」ことの方が重要かもしれませんね。 今回は私がやっていた手軽な文章練習を3つご紹

完成前に原稿を削る〜小説のちょっとしたコツ

崖っぷち作家のニジマルカです。 小説のちょっとしたコツや小技をご紹介するシリーズ。 今回は「完成前に原稿を削る」です。 完成までの道のり原稿が完成するまでには長い道のりがあります。 書き過ぎて削ったり、規定枚数に足りなくて追加したりと、ページ数の調整で苦労することもあると思います。 いまのところの経験では、以下のように原稿を進めるとスムーズなようです。 初稿は控えめに書く 修正しつつ加筆する 最後に少し削る それぞれ見ていきましょう。 1.初稿は控えめに書

天才キャラを書くには〜小説のちょっとしたコツ

崖っぷち作家のニジマルカです。 小説のちょっとしたコツや小技をご紹介するシリーズ。 今回は「天才キャラを書くには」です。 天才キャラとはたまに登場人物として天才を出すことがあると思います。 ミステリだと名探偵キャラとか、日常ものでもギフテッドな人を登場させたい場合もあるでしょう。 どのような天才を登場させるにせよ、まず天才とはどういう存在かわかっておくといいでしょう。 こんな感じです。↓ 左右の軸は、ある論理体系における論理力の大小です。 単純に言って、キャラ

わかりやすくするには〜小説のちょっとしたコツ

崖っぷち作家のニジマルカです。 新年おめでとうございます。 今年もよろしくお願いいたします。 さて、新年最初は小説のちょっとしたコツや小技をご紹介するシリーズ。 今回は「わかりやすくするには」です。 わかりやすさとは何か小説を読んでいると、たまに「わかりにくいなあ……」と思うことがありますよね。 あまりにもわかりにくいと、読むのを止めることもあるでしょう。 ですから作者としては、作品としてのレベルを保ちながらも、可能な限りわかりやすくする必要があります。 ここで

心の声の書き方〜小説のちょっとしたコツ

小説のちょっとしたコツや小技をご紹介するシリーズ。 今回は「心の声の書き方」です。 心の声とは心の声とは、話者や視点人物が心の中で考えたり、思ったりしていることです。 内面描写や心情描写と言った方がいいかもしれません。 さまざまな表現の仕方があると思いますが、今回はよく使う3つの方法を見ておきましょう。 大きく直接的か間接的かの2つに分かれ、直接的な方はさらに2つの方法をよく見かけます。 直接的 地の文にそのまま書く カッコで囲う 間接的 〜と思った、〜と

人称の基本を知ろう(3)〜人称ごとの内面の書き方

小説のちょっとしたコツや小技をご紹介するシリーズ。 今回は「人称の基本を知ろう(3)」です。 前回の記事はこちら。↓ 前回のおさらい前回は人称ごとに地の文を誰が書いているのかを説明しました。 一人称は人物本人。↓ 三人称は人物とは別の話者でしたね。↓ 話者の違いによって、情報の出し方には以下のような違いがありました。 一人称 人物が見たもの、聞いたもの、感じたものしか書けない 三人称 人物が知らない情報も書ける 三人称ではわりとルーズにいろいろ書けますが

創作におけるトレードオフ〜小説のちょっとしたコツ

小説のちょっとしたコツや小技をご紹介するシリーズ。 今回は「創作におけるトレードオフ」です。 トレードオフとはトレードオフというのは、両立しない関係性のことです。 簡単に言うと「あちらを立てれば、こちらが立たず」という関係ですね。 小説を書いていると、よくトレードオフにぶつかります。 この関係性を知っておくと、執筆方針がブレずに済むでしょう。 代表的なトレードオフには以下のようなものがあると思います。 読みやすさ ←→ 情報量 物語の深さ ←→ 進展の速さ

見せるか語るか〜小説のちょっとしたコツ

小説のちょっとしたコツや小技をご紹介するシリーズ。 今回は「見せるか語るか」です。 見せることと語ることよく小説の指南本には、 「見せよ語るな」 と書かれています。 ごく単純には、 語る  = 説明する 見せる = 描写する と考えればいいでしょう。 ですから、冒頭の「見せよ語るな」の意味は、 「説明せずに描写しましょう」 ということですね。 語ると見せるの簡単な例を出すと、こんな感じでしょう。 確かに、「語る」より「見せる」方が小説としては正しい気

説明のテクニック〜小説のちょっとしたコツ

小説のちょっとしたコツや小技をご紹介するシリーズ。 今回は「説明のテクニック」です。 説明のむずかしさ小説の文章には主に以下の3つがあります。 描写 説明 セリフ それぞれに難しさがあるのですが、2の「説明」の難しさは独特です。 説明すると、物語の時間が止まるのです。 例を見るとわかりやすいでしょう。 あまり良い例ではないですが、行動描写はもちろんのこと、情景の描写もカメラの移動が伴うため、物語は動き続けます。 ですが、説明している間は、物語の進行が止まっ