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小説のちょっとしたコツ

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小説のちょっとしたコツや小技、考え方などの記事をまとめています。「文末の処理」「描写の考え方」「ページ数と内容」ほか。
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2023年3月の記事一覧

人称の基本を知ろう(4)〜内面を書くときの重要ルール

小説のちょっとしたコツや小技をご紹介するシリーズ。 今回は「人称の基本を知ろう(4)」です。 前回の記事はこちら。↓ 前回のおさらい前回は、内面の書き方の違いを人称ごとに説明しました。 まとめるとこんな感じです。↓ 一人称 本人が感じたことをそのまま書く 三人称 憑依型:ほぼ一人称と同じ 背後型:やや離れたカメラから推測して書く 図にするとこうです。↓ 三人称における内面の書き方は、図のように2通りあります。 おそらく、いまの主流は「憑依型」なので、感

【番外編】 休憩中にやること〜小説のちょっとしたコツ

説のちょっとしたコツや小技をご紹介するシリーズ。 今回は番外編「休憩中にやること」です。 ちゃんと休憩を取ろう執筆するときは、定期的に休憩を取りましょう。 集中力はそれほど長く続かないので、ぶっ続けで書くよりも、こまめに休憩を挟んだ方が効率よく書けます。 私は、 執筆:50分 休憩:10分 を繰り返しています。 いわゆるポモドーロ・テクニックですね。 タイマーアプリもたくさんあるので、試してみるといいでしょう。 (私はmacなので、これを使っています。↓)

上手く伝えるには〜小説のちょっとしたコツ

小説のちょっとしたコツや小技をご紹介するシリーズ。 今回は「上手く伝えるには」です。 伝わらなければ存在しないのと同じようやく完成した小説を読んでもらったら、相手から、 「よくわからなかった」 「理解できない」 「難しすぎる」 といった反応が返ってきて、がっかりすることがありますよね。 中には「相手の頭が悪いからだ!」と憤慨する人もいるかもしれません。 もちろんですが、この場合、相手が悪いと考えるより、伝えることに失敗したと考えた方が健全でしょう。 小説は、作者

人称の基本を知ろう(5)〜一人称、三人称のどちらで書くか

小説のちょっとしたコツや小技をご紹介するシリーズ。 今回は「人称の基本を知ろう(5)」です。 前回の記事はこちら。↓ 前回のおさらい前回は、内面を書くときの重要なルールを説明しました。 ルールはこうです。 内面を書けるのは節で1人だけ 節とは、空行から空行までの文章の塊の意味で使っています。 ですから、だいたい1シーンになるでしょう。 1シーンで、内面を書いていいのは1人だけです。 そうしないと、読者が混乱するからです。 ですので、他人の内面を書きたい場合

読みやすくするには〜小説のちょっとしたコツ

小説のちょっとしたコツや小技をご紹介するシリーズ。 今回は「読みやすくするには」です。 「読みやすい」とはどういうことか世の中には読みにくい小説と、読みやすい小説があります。 読みにくい小説にも味があり、決して悪いわけではないのですが、あまりにも読みにくいと読者が減るのも確かなことです。 ですので、今回は読みやすくするにはどうすればいいか考えていきましょう。 最初に「読みやすい」とはどういうことか確認しておきます。 ごく単純に言って、「読みやすい」とは ノイズが

作品を好きになりすぎない〜小説のちょっとしたコツ

小説のちょっとしたコツや小技をご紹介するシリーズ。 今回は「作品を好きになりすぎない」です。 好きすぎても上手くいかない誰しも、自分が書いている作品が大好きだと思います。 そもそも好きでなければ、書きませんからね。 特に長編の執筆は長丁場ですから、好きでないと最後まで書くのは難しいでしょう。 ですから、作品を好きになることは、作家にとって必要不可欠なことだと言えます。 ところが、好きになりすぎてしまうと逆に上手くいかなくなるのが、創作の一筋縄ではいかないところです

創作におけるトレードオフ〜小説のちょっとしたコツ

小説のちょっとしたコツや小技をご紹介するシリーズ。 今回は「創作におけるトレードオフ」です。 トレードオフとはトレードオフというのは、両立しない関係性のことです。 簡単に言うと「あちらを立てれば、こちらが立たず」という関係ですね。 小説を書いていると、よくトレードオフにぶつかります。 この関係性を知っておくと、執筆方針がブレずに済むでしょう。 代表的なトレードオフには以下のようなものがあると思います。 読みやすさ ←→ 情報量 物語の深さ ←→ 進展の速さ

クライマックスを盛り上げる手軽な方法3つ〜小説のちょっとしたコツ

小説のちょっとしたコツや小技をご紹介するシリーズ。 今回は「クライマックスを盛り上げる手軽な方法」です。 盛り上げるには「クライマックスまで書いたけど、どうも盛り上がらないな……」と思うことがありますよね。 簡単に言うと、「盛り上がる」とはこういうことです。↓ 逆向きの何かと何かが衝突すると、その勢いで上に盛り上がります。 これが盛り上がりの原理です。 ですから、盛り上げたいなら、 主人公と敵をぶつける 組織と組織をぶつける 利害関係がぶつかる といった衝

キャラクターの成長を書くには〜小説のちょっとしたコツ

小説のちょっとしたコツや小技をご紹介するシリーズ。 今回は「キャラクターの成長を書くには」です。 成長を書く書き始めたころはストーリーを進めるだけで精一杯ですが、主人公の変化まで描けるようになると、途端に物語に深みが生まれます。 少し書けるようになったら、物語に、主人公の変化や成長を組み込んでみましょう。 どういった成長を描くにせよ、やり方はだいたい同じです。 以下から見ていきます。 成長とはどういうプロセスか成長のプロセスは簡単です。 以下の3段階で成長すると