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子どもの観察・ここを最初に見ます/発達支援Kくんの実例(最終回)

さて今回で発達支援型くんの連載も最終回となります。

最後に、シュタイナーの特別支援をベースにした個別レッスンでどのようなことを見ているのか?、という事について、簡単に(は行かないけれど)お伝えしたいと思います。


◆遺伝と個性

私たち人間は全ての人に個性があり、そして親から受け継いだ遺伝があります。

その二つをそれぞれの環境の中で活かしていく、そして自身の幸せだけでなく、周りの人も巻き込んで幸せな世界を作っていくことが、私達一人一人の役割だと私は考えます。


「多様」という言葉をよく耳にするようになりましたが、多様であるということはそれぞれが皆「違う」ということです。

違うとは、それぞれの人の中に個性と共に「苦手や得意不得意」といった多少の凸凹があるのは当たり前です。しかしその凸凹が、本人が生き辛い、不具合やストレスと感じるほどに自分に向かってくる場合は、バランスを崩していると見ることができます。


多様であることが本人にとって不都合になってはいけないのです。

もちろんそれは個人の在り方だけでどうにかできるわけではない部分もあります。昭和の時代と比べても現代社会は人への「許容範囲」が狭くなっていると感じます。もっとゆったりと許しあえる社会を作っていくのはおとなの務めでしょう。


ですがそれ以外に、一人一人の中の「バランス」を調整していくのもまた大事なことですし、それは十分可能なのです。

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