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小説『地獄の王』

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ホームページで公開しているSFファンタジー小説です。 ホラーやアクションも入っています。
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#寮

『はじめに』 と 『目次』

ご覧いただき、ありがとうございます。 小説についての注意事項などを記しました。 さらに、その下に読みたいページにすぐに移動できるように目次を設けています。 『はじめに』 1、この小説は、フィクションです。 2、この小説には、作者の意に反して(?)とてもたくさんの人や女神(神)とその部下(精霊)、鬼、ドラゴン、魔物などが登場します。また、史実や世間一般にいわれていることと異なる場合が所々あるかと思いますが、物語の設定上のこと、としてご了承ください。  わからなくなったら、こ

第10章、第二都市(寮の3階1番奥の部屋)ー1「なんで金具だけ、ついてんだ?」

おかしな金具 「副隊長! 今そこで、すごいもん見たっす。俺、初めて背筋がゾクゾクって・・・まだ、この辺にゾクゾクが少し」  ソウイチロウの滅多に聞いたことのない、はしゃいだ声が耳に飛び込んできて目を覚ます。 (ソウイチロウ、来たんだ・・・一晩中あの砂漠を歩いて、走って、かな?・・)  私は、昨夜の夢の中で、由美ちゃんがハアハアいいながら砂漠を歩いていた様子を思い出す。(第9章-1)  隣の寝室から、掃除機の音が聞こえてくる。その音が止まり、ニッカちゃんの 「マーズ様、こ

第8章、寮(部下たちの部屋)ー9「あの偽寮母さんが連れてきたのは、別のイモ虫でヒドルじゃなかった。」

廊下に出てみると、電灯は点いているが、薄暗く静まりかえっている。 外に出ている者は私たち以外、誰もいない。 1、トカレフたちの部屋 まず私たちは、トカレフたちの部屋(1)に行ってみる。  トカレフたちが言うには、クローゼットの中に布団とマットレスが5組、入っていたらしい。  今は、各ベッドの上に1組づつ置かれている。 「鉄のベッドね。」 アルテミスが、手前のベッドのヘッド部分の手すりをなでる。 「こっち(5)も、ベッド以外は同じですね。」と副隊長 「そうなんだ。」と私

第8章、寮(3階、1番奥の部屋、寝室)ー8     「ベッドがないわ。」

寝室  テーブルと椅子のある部屋から入って反時計回りに箪笥、クローゼット、大きな出窓、花瓶や時計がのった腰までの高さのあるキャビネット(食器棚)、出窓(最初の出窓より半分ぐらいの大きさ)、脱衣室につながっているドアがある。  寝室全体を見るとかなり広い。 (そのしわ寄せが、隣の5人部屋になったのだろうか?)  寝室に入ってみると、埃っぽく、白いペンキで塗られた箪笥やドレッサーの上、カーテンレールの上には埃がたまっているのが見える。  オフィーリアが 「ここ(キャビネッ

第8章、寮(3階、1番奥の部屋、和室)ー7  「みお、じゃなくて澪木ですわ、川の中で水先案内人の役目をしますのよ。」

座卓の跡    ザワザワとみんなが伸びをしたり話をしたりしている時に、トカレフたちが私の所に来て 「さっき、マーズ様が「座卓の跡がついてないから、あまり使われてない」って指摘されたって、どういう意味で言われたんですか?」 「あーじゃ座卓と座布団を、入って来た時と同じように置いてみて。」  トカレフたちは、使った後の食器が入った箱を畳の上に置き、座卓を柱に立てかけ、座布団は重ねて隅に置く。 「うん、あの(廊下側の)ドアからこの和室まで、何か気づくことはある?」  トカレフ

第8章、寮(3階、1番奥の部屋)作戦会議後編ー6「空気が変わりましたでしょ、あれって邪悪な力がなくなったからだと思いますの。」

「なんでオフィーリアたちを、 あそこ(排水溝)に案内したんだろう?」 「まだ気になっていることがあって、あの偽寮母さん、なんで排水溝の死体を見て、あんなにびっくりしたのかな? なんでオフィーリアたちを、あそこ(排水溝)に案内したんだろう? 侵入者だったらヒドルの性質(詳しくは、前回を参照)とかって知らなかったってことはないだろうし・・・。」と、私が言うと 「姫の力を知らなかったのですわ。」とナナ 「そうですわね。大元の場所を案内してくだされば、後は、私たちで何とかいたし

第8章、寮(3階、1番奥の部屋、作戦会議前編)ー5「第二都市は水の女神がいないから、自分たちで雨水とか地下水とかで確保しないといけないのね。」

  キングからの差し入れ  和室に行くと、2つの座卓が縦に並んでいる。  その上には、キングからの様々な種類のオードブルが入った箱、握り寿司の入った箱、お菓子の入った箱が並んでいた。それらの間に、アルテミスが持ってきたローストビーフやシュークリームなどのお菓子が置いてある。  各席に1組ずつの小皿と箸やフォークなどが置かれ、隣の部屋から持ってきたワイングラスと水の入ったグラス(中身はもちろんバッカスの酒とオフィーリアの水)が、所狭しと並んでいる。  私とアルテミスが

第8章、寮(3階、1番奥の部屋)ー4「見つかった、遺体の2人。」

「もう来やがった。」  私たちが、脱衣所で体を拭いていると 「ドン!ドン!ドン!」 誰かが、ドアをノックしている音が聞こえてきた。 「うげっ! あいつら、もう来やがった。」とバッカス 「まだ、30分ありますわよ。」とオフィーリアは、隣の部屋の置き時計を見る。 「もうちょっと、ゆっくりさせろよ。」とマーズちゃん  私は、浴衣を羽織りながら 「どうする? 30分早いけど、中に入れる?」 「そうですわね、早く始めて早く終わらせましょ。どうせ、ずっと待ってるし  みーちゃん(主

第8章、寮(3階、1番奥の部屋)ー3「地獄姫を捜してたわよ。」

和室  私は、アルテミスと浴室の方へと歩いて行く。  その途中の右側に部屋があり覗いて見ると、そこは畳敷きになっており、長方形の座卓が2台、柱に立てかけてある。部屋の隅には、座布団が5〜6枚ほど積み重なっているのが見える。その奥は押入れのようだ。  私はそこに入り、電気をつけた。 「あまり使われてないみたいだね(畳に座卓の跡がついてない)。」 「そうね。」 アルテミスも畳を覗き込むように見ている。 「バタン」と出入り口のドアの閉まる音がして 「あーやっと行った。」 マー

第8章、寮(3階、1番奥の部屋)ー2「異星人に体を乗っ取られたら、何か違いはあるんですか?」

「いつから音が聞こえ始めましたか?」 「決まりましたか?」 と言いながら、校長先生が大きな長方形の箱を持って入って来た。  その後ろから、滝口先生も同じくらいの大きな箱を持って入って来ると 「まぁ!なんて事!」と驚いている。  その後ろから、黒いレースの付いたつばの広い帽子に、閉じた黒いパラソルを手に持ち、黒いレースのフリルがついたドレス姿のアルテミスが、にこやかな笑みを浮かべて入って来た。 「あっ、アルテミス様!」  部下たちが驚いている。 「ヒュー」とバッカスが口笛

第8章、寮(3階、1番奥の部屋)1ー「誰かが使っていたようですね、壁紙もカーペットも色褪せていません。」

どの部屋も5人部屋です。  マーズちゃんの部下たち(トカレフ、ニッカ、リボルバー、ランチャー)が、3階の階段を上がって左手の、1番奥の突き当たりの木製のドアに耳を押し付けている。  ドアの前の廊下の両側にも同じような木製のドアが、4つ(1、2、4、5)並んでいる。  ヒアキッソスやサイケたちが、校長先生から鍵をもらっている所へ、アオバが 「おい!まてまてまて!」  ヒアキッソスが呆れたように 「わかってるよ、とりあえず部屋の広さで考えないと、マーズ様の所は4人いるし・・

第7章、寮(食堂)2ー「3階の1番奥の突き当たりの部屋は行かないほうがいいわ、幽霊が出るから。」

エルザ、 スカーレット、 はるか  私より頭半分ほど背が高い、長い金髪の女生徒が声をかけてくる。  その後ろにはその女生徒より頭半分ほど背が高く、茶髪を2つにまとめておさげにしている細身の女の子と、金髪の女生徒より頭1つ分ほど背の低いちょっと小太りで、肩までの長さの少しカールした茶髪の女の子が立っていた。  市長さんが、慌てて申し訳ないといった表情で 「あーエルザ!・・すみません、娘です。」 「何?」と私 「私はエルザ、市長の娘よ。この子(背の高い)がスカーレット、この

第7章、寮(食堂)1ー 「銀河からってことになりますか?」

「亡者じゃない。」  人々が死体に駆け寄り 「寮母さんだ‼︎」 「マリーさん!?」 「由美! どうしてこんな所に?」 (あの子、由美っていうんだ!)死体に駆け寄る人たちを見ながら、私はイモ虫を真っ二つに割ってみる。副隊長にも 「真っ二つにしてみて。」  透明な体液以外、何も出てこない。肌色の肉がびっしりと詰まっている感じだ。所々から糸屑のような毛がたくさん出ている。 「これが死体の腕を食べたとでも?」と副隊長 「うん、でも違うみたい。(じゃ腕はどこに?)」  その横で次

第6章、寮(機械室)ー2「目の前のやつに集中しよ。」

死体を引き上げてみる   副隊長の顔が「くっ!」と歪み 「くわー!重てー!!」 アオバが声を上げ、水が 「ザバー!!」 音を立ててアオバの頭を伝って、貯水槽(?)の中へと勢いよく落ちていく。    ドアの所では、ヨシツネとマーズちゃんの部下たちも見守っている。  オフィーリアと藍白たちも来た。 「どうですの?」 「死体で蓋をしているんじゃない、みたいだぜ。」 「えー!?」  部下たちも不安そうに、部屋の中を覗き込んでいる。    アオバが起き上がり、両手に抱えていた死体