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小説『地獄の王』

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ホームページで公開しているSFファンタジー小説です。 ホラーやアクションも入っています。
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『はじめに』 と 『目次』

ご覧いただき、ありがとうございます。 小説についての注意事項などを記しました。 小説『地獄の王』について 1、この話は、フィクションです。 2、小説には、作者の意に反して(?)とてもたくさんの人や女神(神)とその 部下(精霊)、鬼、ドラゴン、魔物などが登場します。また、史実や世間一般に いわれていることと異なる場合が所々あるかと思いますが、物語の設定上のこと としてご了承ください。  わからなくなったら、こちらの「登場人物」のページ(私のホームページに移動します)を参照し

第18章、第二都市(学校)ー2,「いませんね。」

 学校(1階から屋上へ) 「二手に分かれるよ。藍白くんとタガメくん、ヨシツネは、あっち(校長室のある方)の階段から上へ上がって行って、私と副隊長とアオバは、こっち(教室のある方)の階段を上へ。3階の廊下か、屋上で合流する。」 「はい!」  私を先頭に、副隊長とアオバが階段を駆け上がる。  2階に上がると、廊下と左手には部屋が3部屋、手前から『2−1』『2−2』『職員室』、右手には窓が並び、その向こうには寮が見える。 「俺、視てくるっす。」 「うん、上に上がる。」  

第18章、第二都市(中庭、学校)ー1、「2匹いたのね。」

 木花 咲子さんの部屋  校舎に向かって、渡り廊下を歩いて行く。  右手には、大きな針のように細い三日月  月の女神ルナがいるので、三日月なのに煌々と周囲を照らし、幻想的な雰囲気だ。 「わあ、すごい・・・。」  校長先生、市長さん、姫子さんたちは、大きな三日月に感嘆の声を上げる。  私も大きな三日月を見て、次に、来客や職員用のドアの方を見る。  そこから、明かりが漏れている。(下記の校舎1階の見取り図参照)    私は川原 幸子さんにした質問(15章-1「木花 咲子さ

第17章、第二都市(食堂)ー1、「月の光は幻覚を視せるのよ。」

 夕食の準備  私は本当は、食堂で川原さんや高森くんたちと食事をしたかったのだ。  食堂で一緒に食事をすると、気軽に色々なことがきけて、周囲の人々の話からも色々な情報が入ってくる。  階段を下りて、あらためて食堂を眺める。 長方形の白いテーブルが、縦に2列、横に3列、並んでいる。 その長い辺に、椅子が3脚、向かい側にも同じように3脚ある。 テーブルとテーブルの間は、人が1人通れるぐらいの間が空いている。 (下記のイラストを参照)  機械室の前のテーブルで、姫子さんた

第16章ー第二都市(寮の3階、1番奥の部屋) 1,「一つの方向から、物を見ないようにしろ」

 ルナの部下たち  寮の3階、1番奥の部屋の前で私は立ち止まり、ドアの把手に手をかけ内側へと押す。 「あっ、澪様!」とハピラキの声 (このドアは食べられなかった。脱衣室も押し入れも・・・なぜ、あのドアだけ食べられたの? っていうか、なかったの? 金具ごと・・・。) などと考えながら、ドアを閉めた。  部屋の方を振り向くと、左手にあった部屋の壁が取り払われ、代わりに大きな長方形のテーブルが置かれ、その上には昼食と同じ豪華な夕食が並べられ、すでに食べ始めている。  私の

第15章ー第二都市(寮の3階、二人部屋)  1、 「由美ちゃんも、地獄姫様に何かお願いが あったのかな?」

川原さんとおしゃべり  外の廊下に出ると、二人部屋の前で川原 幸子さん(以下、すべて川原さん)が どうしようかと悩んでいる。高森君は、いないらしい。  私は、近くに行き 「開けないの?」 「う、うん・・・・」 うなずくも、じっと二人部屋のドアを見ている。  私は思い切って、ドアの把手に手をかけ開け放す。 「あっ・・・・・。」 川原さんが小さく声を上げ、離れていくドアに手を伸ばすも、それは空く放物線を描き、遠ざかっていった。  部屋の中は何もなく、床の上の血は(銀河

第14章、第二都市(寮の3階、1番奥の部屋)ー1、「普通に使って、引き千切れる物じゃないんですよね。」

前回(幻覚について)の感想など  アルテミスは帰った。  私と女神たち、キングと部下たちは、校長先生と市長さんを先頭に、寮に戻る。  入って左側の階段を上っていると 「キャー!!」 ナナとミミの叫び声が、聞こえてきた。  いち早く、藍白とタガメが駆け上がって行く。  私は、たいしたことなさそうなので、先に行く2人にまかせた。  校長先生が振り向き、私に 「良いんですか?」と、駆け上がって行く2人を指差す。  私は苦笑いしながら 「たいしたこと、なさそうなので」  マー

第13章、第二都市(学校の1階、客や職員用の出入り口)ー1、(うわーシンクロしちゃった・・・・。)

「銀河連合について」と雑談  渡り廊下から校舎の入り口まで来ると、昨日と同じように運動場に黒い巨大な円盤がある。運動場のトラックが見えなくなるほど大きい。  ソウイチロウが振り向き、私に 「あれが、銀河連合の船ですか?」 「うん。」  他の部下たちも、物珍しそうに見ている。 (それは、そうだろう。毎日、地下の地獄でドラゴンと共に駆け回り、地上に出る時は、私が王宮に定例会議に出席した後から夜のパーティーが終了する間、だけなのだから、全員、出席させておいて良かった。今のよう

第12章、第二都市(中庭)ー1「ルナって、今晩あたり来ると思う?」

ルナの考え  校舎や寮では、ガヤガヤと片付けや掃除を再開している。  校長先生と市長さん、B地区の区長をしている赤い髪のおじさんは、大事な話があるようだと、一緒に話を聞いてくれている。  ルナの第1の部下、アーサーが立ち上がった。  アーサーは会議でよく見る金属の鎧を脱ぎ、黒のTシャツとズボンを着ている。その隣の3人の部下たちも、同じ様な服装でアーサーを見上げている。  私と女神たち、その部下たち、キングとクリスは、テーブルの前のキングが出してくれた豪華な食事に手を伸ば

第11章、第二都市(寮の3階、1番奥の部屋と二人部屋)ー2「この星の警戒レベルを、5に引き上げました。」

レベル5とその原因   「キング、ありがとう。」と、私は礼を言う。 「お、おお、って、お前は何を・・腹が減っとるのでは、なかったのか?」 「中を見てから。」  階段の方から、アルテミスが上がって来たので 「アルテミスが、話があるって」 「もう、ひどいわね。」とアルテミス、顔は笑っている。  その後ろから、市長さんがついて来ている。  校長先生も再び上がって来たので、私は 「校長先生、都市の人たちや学校の人たちは、みんな中庭に行きましたか?」 「えっ!?・・あっはい、私は

第11章、第二都市(寮、二人部屋)ー1「ライガの酒って・・・。」

虹池や並木道の様子  学校へ帰る途中、生徒や教師たちが歓声を上げ、虹池のそばに駆け寄り、水に手を浸したりしている。  虹池は穏やかに、水を満々と湛えている。  私はオフィーリアに 「水は溜まってた?」 「ええ、十分すぎるほど。昨日、澪ちゃんに下水道のイモ虫を退治してもらったおかげよ。」 と、満足そうに虹池に目を向ける。  その部下たちは誇らし気に、虹池とオフィーリアを見ている。  並木道に行くと、木々は枯れておらず(5章-1)、所々茶色い部分があるも、ほとんどフサフサ

第10章、第二都市(A地区)2ー「いつまで居るの?」

作戦会議 空は快晴、風はかすかに感じるぐらい。(サファロスが配慮してくれたのか?)  私は虹池(窪地)のほとりの崖の上から、A地区を見下ろす。  昨日と、まったく変わっていない。  その周りをキングやクリス、ルナの部下たち、第二都市の人たち、学校の生徒や教師たちが取り囲み、ある者は、崖の下で唸り声を上げて争っている亡者たちを見下ろし、ある者は私たちの方を見ている。  私は後ろを振り向くと、自分の半身ほどある刀を出し、地面に半円を描き 「これを崖だとしてもらって、タガメくん

第10章、第二都市(寮の3階1番奥の部屋)ー1「なんで金具だけ、ついてんだ?」

おかしな金具 「副隊長! 今そこで、すごいもん見たっす。俺、初めて背筋がゾクゾクって・・・まだ、この辺にゾクゾクが少し」  ソウイチロウの滅多に聞いたことのない、はしゃいだ声が耳に飛び込んできて目を覚ます。 (ソウイチロウ、来たんだ・・・一晩中あの砂漠を歩いて、走って、かな?・・)  私は、昨夜の夢の中で、由美ちゃんがハアハアいいながら砂漠を歩いていた様子を思い出す。(第9章-1)  隣の寝室から、掃除機の音が聞こえてくる。その音が止まり、ニッカちゃんの 「マーズ様、こ

第9章、寮(3階1番奥の部屋、夢の中)ー1「地図を渡したでしょ。」

夢1「砂漠と由美ちゃん」 場面が変わった。 夢2「20人の生徒」