見出し画像

漢字の成り立ち!「右」と「左」

「美しい文字とはどういう文字か?」について、最近考えていました。

前回、「お手本通りに書けばいいのか?」

を考えた時も思ったのですが、
最終的には見る人の感覚、好き嫌いになるのではないかと思いました。

私は
子どもの描く絵や、歌に感動することもあるし、
ピカソの絵が分からなかったりするし、
フジコ・ヘミングさんのラ・カンパネラが好きだったりします。
書でも、パフォーマンスがすごいなあと思ったとしても、作品にはぜんぜん何も感じないとかもあります。

なので、どう感じるかという究極のところは人それぞれなので置いておいて、
基本となるところで(普段使う文字)の、「美しい字・正しい字」について考えてみたいと思います。

またスケールがまた大きくなってしまうので、今回は
「右」と「左」に絞って考えてみたいと思います。

お習字的発想で、「右」と「左」の違いは何か?と問うた場合
「書き順!」と分かる人は多いと思います。

じゃあ、どうして、書き順が違うのだろう???

ということで
漢字の成り立ちについて調べてみました。


まず、
右も左も、自分からみた「手」から始まっています。
手(指はなぜか三本)と腕の形となっています
その後、
右手は、器を表す「口」を加えています。
左手は、工具を表す「工」を加えています。

この、器と工具ですが、今でいうところの「お皿」とか「大工道具」とは違っていてとても興味深かったです。
そもそも、甲骨文字(文字の始まり)は占いの記録として、亀の甲羅や動物の骨に掘られたものと聞いています。そんな時代なので、右の口の部分も、ただのお皿ではなく、神への祈りの文である祝詞(のりと)を入れる器だそうです。
左の工は、神に仕える人が持つおまじないの道具(呪具)だそうです。
神様にたすけを求める(占い)ときに、右手に器、左手に工具(鑿)を持っていたそうです。
物事を「左右する」という言葉は、神様の計らい、神様に尋ねるという行為からきているみたいです。おもしろいですね。
※「手」ってなんだか神秘的な感じがしました。お手あて・・・といったりもするじゃないですか。傷を治すパワーがあったり、神様との交信?に使われたのですね。

話を戻して・・・
次に注目したいのが「手」の形の変化です。

上の画像で、篆書までは、右と左は左右対称で、中指にあたる部分、親指・小指にあたる部分がほぼ同じところにあるのですが、隷書になると変わってきます。


右は、親指と小指が縦の左払いになっているのに対し、左は、親指と小指が横画になっています。
同じ「ナ」のように見えますが、表している部分が違うのです!!

指→腕と覚えると、書き順を間違えなさそうですね!
(普通に書き順覚えたほうが早いか・・・💦)

それではここでちょっと質問です
下の文字、それぞれ、どちらの文字が美しいと感じますか????
「ナ」の部分の、横閣が長いか、短いか?の違いなのですが・・・


正しい文字の正解は


手(ナ)の部分が、違うんです。
「右」は横画が長くて、「左」は縦画(左払い)が長いのです。
つまり・・・そう、中指+腕の方が長いんですよ!親指子指よりも!!

古典作品を見ても・・・

王羲之 蘭亭序

ね!!

「左右」パソコンでMSゴシックでみると、横画の長さの違いは分かりにくいものの、縦画(左はらい)は「左」の方が長いですね!
 
とういことで、
「右」を正しく書こうと思うと、
縦画左払いから始まり、横画が長くなります。文字は横長になります。
「左」を正しく書こうと思うと、
横画から始まり、縦画左払いが短くなります。文字は縦長になります。

これが正しく、美しい文字になると思います。

ただ、この蘭亭序の右・・・
書き順どうなってるんだろ・・・ちょっとまた調べてみます!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?