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いつか、いつかは来ない(ヘアドネーション)

私が鬱病と診断されたのは、6年程前らしい。
自分でも記憶になかった。






そこから離婚して、一時期体調もよくなったかのように思えていた。
しかし、またもや大きなきっかけがあり、そこからまた、鬱の波は大きくなったり小さくなったりを繰り返しながら生きてきた。





そして、昨年の10月前後からだったかな。
またしても、影を潜めていたかのようなうつが、じわじわと私の身体に纏わりついてきた。






そしてもう限界だと思いながら勤務して数ヶ月。
プチンと乾いた音をたてて、心の糸が切れた。






仕事を辞めたい。
辞めよう。







動きたいけど、動けない。身体中が痛い。起きられない。なんとか気合いをいれて仕事に行く準備をしても、ギリギリまで行く決心がつかなかった。
もう無理だ。限界だ。
もうすぐ丸14年となる、この仕事。
私は、この仕事、好きだと思ってたんだけどな。






主治医の先生に『症状が良くないときに、重大な決断はしないで下さい。少しお休みしませんか』と。






そんなこんなで、今1ヶ月半以上休んでいる。
頭の中では2月になったら、復帰しようと思っていた。
だけど、私の気持ちとは関係なく、頭も身体もそれを拒否した。







毎日のように、明日は少しだけ職場に、顔を出してみようかなと思うのに、当日になると行けなくなってしまう。まだ、早いのかな。
でも生活もあるしなぁ、と気持ちが焦ってきてしまっている。






鬱病になって、苦しみの時間は無限のように感じていた。
だけど、癌になり、時間は有限だと気がついた。
ましてや、今パンデミックが起きている状態。






今までの『普通』や『当たり前』なんて、ことごとく、覆されていった。






数日前の地震もそう。
大きくて長かった。東日本大震災を思い出した。






人間も動物も、みんないつどうなるかは、分からない。
だったら、やれるときにやれることをやろう!
やれるときに、やりたいことをやろう!






私が『ヘアドネーション』を知ったのは約10年ほど前のこと。
いつかやりたいと思いながらも、10年もかかってしまった。






ウィッグになる髪は31cm以上。
受付けているのは15cm以上から。(最近知った)
そこで、私はすぐに決めた!
31センチ以上は無いけれど、15cm以上はありそうだ!






私は、私のいらなくなった髪の毛だけで、誰かを笑顔にすることが出来るのなら、ぜひやりたい!と思っていた。
だけど、ずっとうつ病が邪魔をした。その後、癌も邪魔をしてきた。伸ばしては切り、伸ばしては切りとなかなか推奨される長さまでは伸ばせていなかった。(この頃は31cm以上じゃないとダメだと思っていた(^_^;))






よく、ヘアドネーションをしてくれる美容室は検索していたが、どこの美容院でもやっている訳では無いことを知った。






そこから、ヘアドネーションのプロジェクトをしている所を見つけた。
15cmあれば髪の毛付きインナーキャップが作れる。
それにも使えないものは、ヘアドネーションを支える美容師さん達の練習用の髪の毛になる。







ヘアドネーションをするには、色々と規定がある。髪の色、くせっけなどなど。
送っても使えないものもたくさんあるらしい。






私の髪は、ほぼストレート(ちなみにカラーしていてもok 。色の規定はあるけどね。白髪はNG←私の送ったプロジェクトとはね。他では需要あるのかも?)







よし!今やろう!
そう思い立った私は、ヘアドネーション用の髪の切り方を参考に、娘にハサミをいれてもらった。






何本にも分けた髪の毛を最後に1つにまとめる。
そして、そのプロジェクトのルールにそった方法で、この間はじめてのヘアドネーションを、送った。






あの長さで大丈夫だったかな?
色は大丈夫だったかな?
規定を何度も読み返しながら、切ったのに。
規定を何度も読みながら、送ったのに。






それでも送ったあとは、とても清々しい気持ちになった。
私はまたいつ、癌が再発するかも分からない。
コロナになって、助からないかもしれない。
この間の地震のように、天災や事故でいつ亡くなるかも分からない。






だからこそ『やれるときにやろう!』そう思ったんだ。






切った髪の長さは17cm程あった。
これなら、ウィッグにならなくても、髪の毛付きのインナーキャップになるかもしれない。
それが出来なくても、それを支える美容師さん達の練習用にはなるかもしれない。






はじめて送った私の髪の毛。
長年の夢が叶った。







その、私の夢を叶えてくれた、プロジェクトの方々には、感謝でいっぱいだ。






もしかしたら、何にも使えなくて、処分になり、お手数をかけるかもしれない。
それでも、私が今、出来ることを、今やらせてもらえたことは、何よりも嬉しいことだった。






誰かの笑顔のために、何かするって、なんだかすごく嬉しくて。






地震や土砂災害。
その後に、お忍びでボランティアに行った芸能人は、叩かれることも少なくはない。






しかし、家で、テレビやネットで、文句を言うだけの人にはなりたくない。






だったら、どんなことでも行動にうつそうじゃないか!
口だけではなく、実際に行動している人は何よりカッコいい!!






それこそ、それが『いまでしょ』
いつか、いつかは来ないよ。





あなたのやりたい!も、すぐにやった方がいいよ!