急いで過ぎていかないで…時よ止まれ

季節がどんどん移り変わっていく
私の気持ちなど関係なく
桜咲く春から、若葉が眩しい初夏へ

ハナコが旅立っていったのは1月の終わり
まだまだ新しい年が始まったばかりというのに
今年の幕開けは、大切な相棒との別れとなった

2月は、淋しくて淋しくて
ハナコが使っていたもの
ハナコが居た場所
ハナコが好きなもの
ハナコとでかけた道
何をしても、何をみても
「ハナコは居ないんだ」と現実をつきつけられては
動けなくなっていた

3月は、悲しさに包まれていた痛みがむき出しとなり
ハナコのことを考えると痛みで辛くなってきた
会いたいという気持ちが一層強く
側に行きたい
置いていかないで
取り残された私は四九日を目前に
表に出す自分の裏には、痛みでコントロールできない夜を過ごした

そして4月
まだ半分残っているけど、
一緒に桜をみること、写真をとることが叶わず
あんなに寒かった日から、軽く汗ばむような陽気となり
枯れ木だった散歩道は、花や新芽をまとい始めた

ハナコへの後悔は消えないけど
毎晩突き刺してくるような痛みは少し和らいだ
ハナコの笑顏も時折思い出せるようになってきた

何かしていないと
体も気持ちも落ち着かなくて

だから、何かに没頭するんだけど
思ってもいなかった言葉や曲や色…
目に飛び込んできた何かが
突然　涙の引き金を引く

結局　今日まで泣かない日はない

昨日も今日も雨
春の雨
どこかで誰かが泣いているのかな
お空でハナコが泣いているのかな

ハナちゃんを泣かせるやつは誰？
それは私だよね

ハナコが出会わせてくれた人や犬や猫たちに
毎日寄り添ってもらっているのに
ワガママ言っているのは私です

初夏は好きな季節
寒くもなく、暑くもなく
緑がいっぱいになり
カラフルな花々が飾る

だけど、本音は
これ以上時間をすすめたくないんだ
もっといえば
ハナコが居た時に戻って、そこで止めたいよ

雨の日は
やっぱり
後ろの景色が恋しくなって
戻りたくなってしまう…

ハナコはどお？
今日はどんな一日だった？
お返事聞きたいな…　ハナちゃん

今日も一日ありがとう