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鳥山明先生はRPG業界でも偉人

鳥山明先生の御冥福をお祈りします。2024年3月8日、鳥山明先生の訃報を知って悲しみと共に少年時代に受けた影響の数々を思い出しました。漫画・アニメ、ゲームに多大な功績を残したことはニュースで報道された通り。『Dr.スランプ』『ドラゴンボール』が世界中で愛されていることに驚きました。受章当時は知りませんでしたが、2019年にフランス芸術文化勲章「シュバリエ」を受章したそうです。前の記事に西洋絵画だけがアートでないと書きましたが、当のフランスは「漫画」を芸術分野の一つとして認めています。「建築」「彫刻」「絵画」「音楽」「文学(詩)」「演劇」「映画」「メディア芸術」そして「漫画」が芸術9ジャンル。

鳥山明先生は『ドラゴンクエスト』シリーズを生み出し、大ヒットさせたクリエイター陣の1人でした。ドラクエブームの凄さは、1988年2月10日『ドラゴンクエスト3』発売日に行列がニュースになったほど。倒すべき敵ながらどこか愛嬌のあるモンスター、スライムやドラキーといった弱い敵から、ドラゴン、ゴーレム、キラーマシンなどの強敵。要所で待ち受ける中ボス、最後の大ボス。私たちは数多くのモンスターを目にし、倒してきました。それでも敢えて一つ最大の功績を挙げるならば、パッケージデザイン。思い出してください。あるいは、webで検索してください。1作目『ドラゴンクエスト』は左奥の竜王に対峙する右手前で剣を構えた勇者。2作目は、シドー、ハーゴンに挑みかかる青衣の勇者と仲間らしき少年と少女。実は購入前から、パッケージを見ただけでワクワクさせる期待感を煽る秀逸なデザイン。ラスボスを見せつつ、構図的に勝つべき勇者を右側に配置しています。3作目は趣向を変えて、勇者を中央に配置し、パーティーを組む仲間たちが左右に並んでいます。3作目がパーティー形式であることが一目でわかります。1作目のアンケート葉書を送付したため、2作目、3作目の発売前にパッケージイラストを描いた販促DMが届いたときは、それ1枚を何度も見て期待感を膨らませたものでした。
2020年代のファンタジー作品を見ると『葬送のフリーレン』を代表的に勇者と魔王に言及されることが多いです。日本人のファンタジー世界観、剣と魔法に加えて勇者と魔王を普及し、醸成したのは『ドラゴンクエスト』シリーズの功績です。私たちはビジュアル面で鳥山明先生に多大なインパクトを与えられました。

私がTRPGを知ったきっかけはゲームブックFFシリーズが先でしたが、『ドラゴンクエスト』の影響も大きいです。1作目の勇者が剣と魔法の両方を使いこなしたので、TRPGをプレイするときも魔法戦士に憧れます。
最初に見た作品はアニメ『Dr.スランプ』でした。それから弟がコミックスを買い揃えて、『Dr.スランプ』『鳥山明◯作劇場1』を借りて読んでいました。『ドラゴンボール』は少年ジャンプ連載で毎週読んでいました。大ヒット作品もいいですが、短編や読み切りの派手でない作品も面白いです。個人的には単行本『銀河パトロール ジャコ』買いました。

少年時代を思い出すと、中学の美術の授業。レコードジャケットをデザインする課題のとき、A面にドラゴンクエストの竜王を描き、B面にゲームブックFFシリーズのロゴを描きました。「FIGHTING FANTASY」とは何やねんとクラスメートに聞かれましたが。辰年の年賀状に神龍を描いたこともありました。たしか、トレーシングペーパーを使って複写したように覚えています。最近では、映画『SAND LAND』を見て、某巨匠作品より面白いと思いました。公開直前にテレビCMを見たとき、一緒にテレビを見ていた高校生に「ドラゴンボールの作者」と説明したとき、あとからドラゴンボール直撃世代でなくても通じるんやと思いました。これまで『ドラゴンボール』劇場映画やTV新作で鳥山明先生が作画されていなくても制作に関わっており、『ドラゴンボール』新作予定も期待していたところ。『SAND LAND』続編展開も発表されたばかり。まだまだ活躍を期待していたので、惜しい人を亡くしました。全世界が泣いた。

参考文献
ルーヴルが認めた9番目の芸術ジャンルは「漫画」!ルーヴル美術館特別展「LOUVRE No.9~漫画、9番目の芸術~」