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【編集後記】 変化と革新

燕三条で発行されている「産業カレンダー」について、三条市側は今年限りで廃止されるとの報道があった。他地域の人にはピンとこないかもしれないが、この地域で働く人にとっては生活と密接に結びついた存在。幼少の頃から燕市に住む私も、大学に上がって県外へ出た時に初めて「え? 産業カレンダーって地元だけなの?」と気づいたほどである。需要が低下していたとはいえ、今回のインパクトは大きい。

話は変わるが、26日、27日には燕三条地場産センターで見本市「ものづくりメッセ」が開かれた。2年前に取材した際はアウトドアブームに乗りキャンプグッズに参入する企業が多く見られたが、今年もその動きは継続しているように感じられた。

一方で、今年に入ってアウトドアブームも一服している。だが重要なのは、これを契機に今までBtoBを主としていた企業が自社ブランドを確立した点や、新たな売り方に挑戦できた点だろう。単に流行りに便乗しただけでなく、新たな知見を持って次の手を考えることができる。

以前の特集で、燕の金属産業の裏で時勢の変化や時代ごとの困難がバネとなったことを紹介した。産業カレンダーの廃止、需要の変化、「工場の祭典」の運営体制、県央初の音楽フェス……立て続けに起こる変化と挑戦が、この地域の今後の礎になることを願う。

(編集部・鈴木琢真)

にいがた経済新聞 2023年10月29日 掲載


【にいがた経済新聞】

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