新潟市西区のむかしばなし

縄文時代に新潟市西区で暮らしていた人達のお話を童話にしました。このお話を新潟で育ったみ…

新潟市西区のむかしばなし

縄文時代に新潟市西区で暮らしていた人達のお話を童話にしました。このお話を新潟で育ったみんなに捧げます。

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    縄文時代に新潟市西区で暮らしていた人達のお話を童話にしました。このお話を新潟で育ったみんなに捧げます。

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【縄文時代】新潟市西区のむかしばなし【読み聞かせ】【童話】

縄文時代に新潟市西区で暮らしていた人達が、いまを生きる僕たちに伝えたい事や見せたい景色。 それらを、ひとつの「おはなし」にして、声に乗せました。 この「おはなし」が、一人でも多くのみんなのほっとする場所、安心する場所、心のよりどころになったら嬉しいです。 手渡します。 ありがとう。

    • 『新潟市西区のむかしばなし』第12話「明るい道」

      【第12話】明るい道《行動範囲》寺尾 寺尾東 寺尾前通 坂井東二丁目 はなしは はずみにはずんで 夜が来て ぐっすり寝ていたら 太陽に笑いながら叩き起こされた 太陽はきっと 僕たちが明るい道をつくるのを楽しみにしているんだ 青空が きれい 僕たちが見たかった青空だ お祭り日和 みんな元気だ 始めよう 「ぃよぉぉぉ!」 まぬけな掛け声に みんな ぷっ と 笑う おねがいします めのまえの 草や土に 手を合わせて おじぎをする ぱんっ ぱんっ 手を

      • 『新潟市西区のむかしばなし』第11話「こんにちは!」

        【第11話】こんにちは!《行動範囲》寺尾 寺尾東 上新栄町 寺尾上一丁目 坂井東 坂井砂山 小針 そんなこんなで 夜明けは 徐々に はやくなる 雪のふらない日が しばらく続く ひと雨ふるごとに 寒さも和らいでゆく 僕たちは せまいうちの中で みをよせ合い うずうずしながら 春をまちわびていた 海 山 川 緑のはらっぱ ウサギの野原 雪の溶けたあとは どうなっているのだろう みんな はやく見てみたくて うずうずしている あいかわらずの くもり空だ 太陽 

        • 『新潟市西区のむかしばなし』第10話「不思議な話」

          【第10話】不思議な話《行動範囲》寺尾 まずはふたりの姫様 ふたりの姫様が まっさきに不思議なものをつくり始めるんだ 僕たちがぼーっとしながらめをさますと ふたりの姫様が忙しそうになにかをしている 土をこねて 焼いて 不思議なものをつくっているんだ お人形さん と ふたりの姫様は言う 寝ているときにみた と 言う 不思議なすがただから なんとかかたちにしたくて 土をこねて 焼いて お人形さんにしている でもなかなかうまくいかないんだって 土をこねるまではうま

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          『新潟市西区のむかしばなし』第9話「ゆき団子」

          【第9話】ゆき団子《行動範囲》寺尾 寺尾朝日通 小針 日をおうごとに風も冷たくなり 僕たちは冬支度にとりかかる 龍からもらったサカナは干物 ウサギは干し肉にした ウサギの毛皮は編布に合わせて あったかい服にした イネは僕たちがひと冬のりきるのにじゅうぶんなだけの お米になった 山には竹や笹がたくさんはえていたので いくらかわけてもらい 竹で米びつや水のみをつくり 笹でかごをつくった 笹の葉っぱは 団子をくるんだり お皿にしたり 何にでもつかえる ふたりの姫様は 

          『新潟市西区のむかしばなし』第9話「ゆき団子」

          『新潟市西区のむかしばなし』第8話「いなさと龍」

          【第8話】いなさと龍《行動範囲》寺尾 寺尾東 小針 坂井東 坂井砂山 寺尾上 上新栄町 寺尾上一丁目 太陽の しづむのがはやくなる 僕たちは 胸を そわそわさせていた 龍がやってくる もうすぐ 龍がやってくる 僕たちに プレゼントを届けるために もうすぐ 龍がやってくる 龍は 僕たちのあこがれだ 龍は 風の中に住んでいて 風とおなじようにめにはみえないのだけど いつも僕たちのそばにいて いつも僕たちを見守ってくれている あついあつい夏を 全力で駆けまわった僕

          『新潟市西区のむかしばなし』第8話「いなさと龍」

          『新潟市西区のむかしばなし』第7話「イネたちの演奏」

          【第7話】イネたちの演奏《行動範囲》寺尾 寺尾上 坂井砂山 坂井東 夏も終わりに近づくころ 幼いふたりの道も いよいよ完成を迎えようとしていた じつは道はすこし間違っていて 幼いふたりのめざす川のほとりは つくっている道よりも左側 左の斜面をくだったさきにあった そこでイネたちは もうすでにみのりの時期を迎えていて 幼いふたりが来るのを まだか まだか と まちかまえていた しかし 幼いふたりはまったくそれに気がつかない もどかしくなったイネたちが 幼いふたりに手

          『新潟市西区のむかしばなし』第7話「イネたちの演奏」

          『新潟市西区のむかしばなし』第6話「夏休み」

          【第6話】夏休み《行動範囲》寺尾 寺尾上 雨の中を カエルが飛びはねる カタツムリが気持ちよさそうに背のびをする 梅雨のくるまえに僕たちのうちは完成した 柱も屋根も みんなの気持ちが込められているから なんだか僕たちは 僕たち自身のおなかの中にいるようだった とても居心地がいい 草はぐんぐんと伸びてゆく ひと雨ふるごとに びっくりするくらい伸びてゆく 雨がやむのをみはからって外へ行き カエルをつかまえたり 道にはえた草をむしりとったりして あっという間に夏が来た

          『新潟市西区のむかしばなし』第6話「夏休み」

          『新潟市西区のむかしばなし』第5話「ひふみ祝詞」

          【第5話】ひふみ祝詞《行動範囲》寺尾上一丁目 今日は みんなで木をきる日 うちの柱にするための木を 山におねがいをして いっぽん わけてもらうんだ お祭りだから わくわくする 山のてっぺんに ひとり また ひとり と あつまり始める ふたりの姫様が てちてち あらわれた 幼いふたりも バカも 元気にやってきた みんなあつまったところで 太陽におじぎをする おねがいします 木と山におじぎをする おねがいします そしてお祭りが始まる みんなで歌って みん

          『新潟市西区のむかしばなし』第5話「ひふみ祝詞」

          『新潟市西区のむかしばなし』第4話「ハッピーなターン」

          【第4話】ハッピーなターン《行動範囲》寺尾 寺尾朝日通 小針 坂井東 寺尾東 寺尾上一丁目 坂井砂山 朝日が顔をのぞかせても 知らんぷり すがたをみせても おれ知らね ひたすら寝ているのもいれば 起きているのも いる なにも しない なに してもいい しらない ぴょん だから だれも だれにも 干渉しない ほおっておく お好きにどうぞ 僕は起きあがり 背伸びをして ふかく深呼吸をした めを閉じて 風を吸いこみ 空気をもらって 息をはく 風は 僕たち

          『新潟市西区のむかしばなし』第4話「ハッピーなターン」

          『新潟市西区のむかしばなし』第3話「ゆびきり遊び」

          【第3話】ゆびきり遊び《行動範囲》寺尾 寺尾東 寺尾上一丁目 上新栄町 そしてつぎの日 朝もはやくから僕たちは 山に道をつくろう と 盛りあがっていた 山のてっぺんにのぼる道 だ どうせやるなら まっすぐな道にしよう 山のてっぺんまで まっすぐにのぼる道にしよう と 話はすすみ 「おもっしぇーな!」 「はよ見てみてえ!」 と みんなの言葉が はずむ おなかもすていたので 今回も ふた手にわかれることにした みち組 と めし組 山に道をつくる「みち組」と 海

          『新潟市西区のむかしばなし』第3話「ゆびきり遊び」

          『新潟市西区のむかしばなし』第2話「ペロ」

          【第2話】ペロ《行動範囲》寺尾 上新栄町 寺尾上一丁目 朝日が すそのを照らす 背伸びをして 深呼吸をする 風を吸いこみ 空気をもらって 息をはく すんだ空気が とてもおいしい みんな起きてきた ふたりの姫様も おはよう だ 草の実をつまみながら みんなで朝日をながめた ふたりの姫様が めを閉じて 手を合わせる 太陽にむかって おじぎをした 僕たちも めを閉じて 手を合わせて 太陽に おじぎをした ここに 住みます おねがいします 太陽が 

          『新潟市西区のむかしばなし』第2話「ペロ」

          『新潟市西区のむかしばなし』第1話「ふたりの姫様」

          このお話を新潟で育ったみんなに捧げます。 【はじめに】僕は、一万年以上前に新潟市西区で暮らしていた。 そのころはまだ、新潟市西区という区分けも無く、五十嵐、寺尾、上新栄町、小針、坂井という地名も無かった。 五十嵐は大きな砂の丘で、寺尾はその砂の丘のさきの、小さな山。僕はその山のすそので、ふたりの姫様とみんなで楽しく暮らしていた。 上新栄町には、だんだんの丘がひろがっていて、ウミドリの浜辺があった。 西川は今よりも大きくて、坂井の川辺にはイネが生い茂っていた。 寺尾

          『新潟市西区のむかしばなし』第1話「ふたりの姫様」