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第3回「ものと語りオンライン発表会」レポート

2022年12月16日13:30~15:30 オンライン上にて開催

NASCでは、作品発表にまつわる相談が多く寄せられています。これまで、全県を対象としたアール・ブリュット公募展(2019年度、2022年度)や、地域の障害当事者や施設職員を対象とした参加型展覧会、コロナ禍ではオンラインで発表する機会など、その場のニーズに応じて発表の機会を広げるように試行してきました。

今回行った「ものと語り オンライン発表会」は、作品を見てもらいたいけれど、「障害を持っている人の作品」として紹介されることに抵抗を感じるという障害当事者からの声や、作品の内容や制作背景が繊細で不特定多数の方に見せられないという声を受けて、少数の発表者と聞き手のみで構成する、小さなピアグループのような在り方で開催しました。

「ものと語り オンライン発表会」実績
過去2回の「オンライン発表会」は、コロナ禍の中でも発表の機会を作る目的で開催しました。


第1回(2020年)
オンライン/リアル会場(上越市内/新潟市内 2か所)
発表者数:13名 観覧者数:約40名(事前申込制)
聞き手:ゲスト 4名、NASC 2名

第2回(2021年)
オンライン/リアル会場(新潟市内)
発表者数:9名 観覧者数:約20名(事前申込制)
聞き手:ゲスト 3名、コメンテーター(前回受賞者)2名、NASC 2名

第3回(2022年)
オンライン会場のみ
発表者数:4名 非公開。外部参加なし。
聞き手:NASC 2名、NASCアドバイザー(精神保健福祉士)1名


第3回は発表者4名と施設担当者2名、NASCからはアートディレクターの角地と、2021年から訪問調査を担当する渡辺が聞き手となりました。そして今回は新たな試みとして、藤井岳さん(相談作業所もくれん相談員(上越市))に企画全体のアドバイザーとしてご参加いただきました。会の企画段階から参画いただき感謝いたします。

会は終始和やかな雰囲気で進んでいきました。最初に作品画像をじっくりと鑑賞する時間をとり、聞き手が創作についての質問を投げかけます。それに呼応するように、他の発表者の方たちから感想や質問をもらうかたちをとりました。
作品を人前で発表することに不安がある方や、いざ自分の順番になると話せなくなってしまい、代わりに施設職員が発表する場面もありましたが、皆さん感じたことをゆっくりとお話しする姿が印象的でした。
また、自分ではない方の作品をじっくりと見ることが初めての方もおり、それがよい鑑賞体験になったのではないかと、施設職員の方から感想をいただきました。発表することに重きを置いて企画した小さなグループでの発表会でしたが、作品を鑑賞する機会としてもよい時間を作ることが出来ました。

会の後、参加者からは感想が寄せられました。アンケートを抜粋します。

Q.自分の作品発表について話す時間はどう思いましたか。
A.センシティブな内容だったので、少し皆さんの遠慮もあったと思いますが、出すことのなかった作品を世に出せてすごくスッキリしました。
A.対面式だとかえって白熱しすぎてしまい、時間が足りなかったかもしれないと考えると、オンラインでちょうど良かったと思います。

Q.他の人の作品について聞く時間はどう思いましたか。
A.皆さんそれぞれの作品を見て、こういう作品もあるんだなと発見できてよかった。
A.もう少し自分自身が突っ込んで聞けることがあったのではないかと反省しています。
A.発表者のプロフィールと作品が事前に分かっていたらもう少し語りの時間が長くなったのかな?と思いました。
A.新しい発見や新しい取り組み方やアイデアがうかんだのでよかった。

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