ものと語りオンラインⅡ ーオンライン発表会2021ー 開催レポート
10月1日(金)13:30より、昨年度に続き2回目のオンライン発表会をおこないました。
配信拠点の新潟ユニゾンプラザ(新潟市)
今回は発表者7名(事前申込3名、当日発表4名)、聴き手には20名前後の方にご参加いただきました。長時間にわたってのご参加、ありがとうございました!
[発表者]
・藤巻啓介さん
・角張利市さん、横田綾子支援員
・情報資格試験さん
[コメンテーター発表]
・佐藤葉月さん(前回受賞者)
・YOHKOさん(前回受賞者)
[飛び込み発表]
・MOMOさん
・小川直美さん(うおぬまアール・ブリュット芸術祭 事務局)
オンライン配信の中継拠点は、新潟市の新潟ユニゾンプラザです。ゲストの他、今年は新たな試みとして前回受賞者の方にコメンテーターとして登壇いただきました。
まずお一人目は、藤巻啓介さん。新潟市内で「ほほえみの木」という精神障害当事者のピアサポートグループを立ち上げ、活動されています。タブレットで描いた絵画、イラスト、そして作詞作曲の詩を発表いただき、その場で歌も披露くださいました。
発表の最後には、藤巻さんより「これからは『アールブリュッター Keisuke』として活動していきます!」と宣言がありました!この宣言には聴き手の皆さまから自然と拍手がおこりました👏。
ゲストの岡部兼芳さん(はじまりの美術館/社会福祉法人安積愛育園マネージャー)からは「表現が色んなジャンルにわたっている。自分に一番合っていると思うものはなにか」という質問があり、藤巻さんは「一番やっていて楽しいのはバンドです!」と力強く答えていました。
2人目は、角張利市さん。通所リハビリ施設から、支援員の横田さんとご参加くださいました。腕や手のリハビリの一環で始めた塗り絵が、時間をかけてだんだん上達されて、とても美しく塗り分けたりすることができるようになったそうです。
一連の塗り絵は、色鉛筆やパステルを指で塗り延ばしたりしながら、細かく色を調整されているとのこと。確かに、吹雪を受ける木々や、雪深いシーンをグレーで幻想的にしあげてらっしゃいますね。記名部分には、色んな国の言葉でご自身の苗字「かくばり」を書かれているところも見てほしいポイントとのこと。
また、別の塗り絵作品では、都道府県にちなんだイラストに、隠し文字を入れて見つけてもらうのを楽しんでいるという作品も発表されました。
施設からオンラインでの登壇ということで、横田支援員とリラックスして臨まれているようすが伝わってきました。
ゲストの米田昌功さん(美術家/富山県障害者芸術活動支援センターばーと◎とやま代表)より、「水彩を使っているような塗り方だと思った。優しい色合いが角張さんの人柄をあらわしているようですね」とコメントいただきました。
また、前回受賞者のYOHKOさんからは、「ぜひご自身のこの塗り絵を紙芝居にして、読み聞かせをしてみてほしい。」と作品の将来的な展開についてのコメントもいただきました。
3人目は情報資格試験さんです。NASCではすっかりお馴染みのアーティストで、ふふふのお店にも作品が常設展示・販売されています。
今回は、ご自身が服用されている薬の薬袋を使った新作を発表くださいました。
今までもご自身の障害と対峙した作品を発表している情報資格試験さん。この作品についても、自分の素性がばれたくない、見られたくないんだけど、見せたいという葛藤そのものを苦しいまま表現したとのこと。薬袋を外袋に貼り付けた作品は来春上越市内で開催する展覧会で発表する予定とのことで、今後の展示も楽しみです。
(今までの情報資格試験さんの作品については、過去の記事を参照ください。)
ゲストの小林弘樹さん(新潟市議会議員)からは、「薬袋を重ねていることは、時間の経過を表しているのか」という質問がありました。
情報資格試験さんからは、「薬をずっと飲み続けているというのは、異常だな、こわい、不気味だなとおもわれることがあるだろう。そういう障害を持つ人のマイナス面を表現していきたい。」と発言していました。
・・・3人の発表が終わり、会場の参加されている方から発表希望者を募り、発表いただきました。
4人目はMOMOさん。入所施設からの参加です。ご本人は画面外に居て、主な説明を職員の藤井さんがおこないました。MOMOさんの作品は、ふふふのお店で販売しています。おかげさまで人気商品となっています。
MOMOさんは、多種多様な布小物を作っていらっしゃいます。布地選びも独特で、可愛らしい和風のものが多くあります。通われているデイケアでも、住まわれているところでも自身で作り方を調べ、制作しているそうです。職員の藤井さん自身がMOMOさんの一番のお客さんだそうで、バッグやランチョンマットなどたくさん愛用されているとのことでした。
前回受賞者の佐藤葉月さんも、MOMOさん作のポーチを使われていると画面越しに見せてくださいました。こちら、キノコ柄で素敵です!
最後に、10月16日から十日町市で開催される魚沼地域のアール・ブリュット展の事務局を担当されている小川直美さん(障がい者地域生活支援センター あおぞら)に展示予定の作品一部をご紹介いただきました。
「うおぬまアール・ブリュット芸術祭の開催 ー原動力ー」
会期:2021年10月16日(土)-24日(日)
会場:十日町市市民活動センター十じろうギャラリー、わっかふぇ
うおぬまアール・ブリュット芸術祭事務局の小川さん(右)
展示予定のカボチャの作品はハロウィンのこの時期にピッタリですね。このカボチャは被ることもできるそうで、展示方法をどうしようか思案中とのことでした。
最後に、コメンテーターの佐藤葉月さん、YOHKOさんにも最近の作品制作について発表いただきました。佐藤さん、YOHKOさん、ありがとうございました◎
佐藤葉月さん(左)、YOHKOさんの発表
最後に、特別賞の決定です。今回の特別賞は、、、
情報資格試験さん が選ばれました!おめでとうございます!
特別賞の情報資格試験さん(左)と、ゲストの小林弘樹さん
今回は発表者の皆さんに対して、ゲストやコメンテーター全員がコメントや質疑をしていくというかたちを取り、時間をかけて作品についてお聞きすることができました。
ご参加いただきました皆さま、ありがとうございました◎
次回機会がありましたら、ぜひ施設や学校などからご参加ください。
※追記
発表者の藤巻啓介さんは、10月10日に急逝されました。謹んでお悔やみ申し上げますとともに、心からご冥福をお祈りいたします。
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