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2008.1.8(学級通信シリーズ)

 もう昔話ですね。

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 年末に,15年前に担任した子と会う機会がありました。15年前に高校1年生だから,今年ちょうど30歳になります(もうそんな歳?!)。
 中学時代から英語が好きで得意だった彼女は,高校入学後も英語だけは頑張っていましたが,他の教科には一切面白みを感じることができず,成績は下がる一方でした。一方的に展開される授業にもついていけず,高校を辞めようと何度も思ったそうです。
 なんとか我慢しながら進路を決める時期になり,「英語を生かしたい!」と思ってアメリカの大学を受験しました。詳しい経緯はわかりませんが,多くの反対を説得して無事にアメリカの大学に入学することができました。英語を生かして国際関係を専門的に学び,世界各地で困っている人の役に立ちたいと強く意気込んでいたのです。
 入学当初は希望どおり国際関係のclassばかりを選択していましたが,1年2年と学ぶうちに,「世界のことより,もっと身近なことから始めなくちゃダメだ」と気づいたそうです。3年生になってからは,国際関係はやめて心理学を中心に勉強し,卒業後は病院で介護の仕事をしています(以前紹介したように,リベラルアーツの大学で学ぶ科目の基本は文理の枠を超えた「サイエンス&アート」です。一般的には語学,文学,歴史,科学,数学,音楽,芸術,経済学,心理学,生物学,社会学,コンピュータなどが中心で,専攻は大学入学後に決めます)。心理学を学んだことが,介護に役立っているそうです。
 7年前に結婚もしました。もちろんお相手はアメリカで知り合った男性です。ご主人はプログラマーをしていましたが,自らのスキルアップ・キャリアアップのために現在はU.S.Navy(アメリカ海軍)で働いているそうです。現在はシアトル郊外で暮らしています。
 彼女が言うには,高校時代は全く興味の湧かなかった物理も数学も化学も,大学に入ってからは自ら学んでとても面白かったそうです。高校時代の勉強は学問ではなく,いわば「頭の体操」に近いものかもしれません。頭の体操(基礎訓練)をしっかりやっておけば,どんな学問にも対応できるのです。

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