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フォース・ターニング 「危機」の時代

ストラウス、ハウの『フォース・ターニング』はアメリカの歴史が80年周期で変わるという説です。一つの周期(同書の中ではサエクルムと呼称)の中で「高揚→覚醒→分解→危機」と四季をめぐるようにターニングするので「フォースターニング」。1ターンおよそ二十年となります。この周期はアメリカだけでなく日本にも当てはまるそうです(翻訳者の奥山先生や北野幸伯さんの書籍など参照)。

『フォース・ターニング』の中で、それぞれのターンは人のアーキタイプとライフサイクルの組み合わせで説明されています。

まずは、気質・世代(同書では原型 アーキタイプ と呼称)。これには次の4つがあります。

預言者 → 遊牧民 → 英 雄 → 芸術家

それぞれ二十年の幅を持ちます。例えば、「遊牧民」世代は、1964年から1984年に生まれた世代で、あまり保護されずに育ち、プラグマティストな成人となる世代だそうです。

これらの世代は、次の4つのライフサイクルをめぐり社会から退出していきます。

幼年期 → 成人期 → 中年期 → 老年期

そして、世代とライフサイクルの組み合わせが4つのターンを形作ります。たとえば、「危機」のターンでの組み合わせは次のようになるそうです。

幼年期:芸術家

成人期:英 雄

中年期:遊牧民

老年期:預言者

実際のところ、今の日本はどのようなターン 時代なのでしょうか?

今は危機の時代

今は「危機」のターン 時代ということのようです。世の中の雰囲気からするとぴったりですね。危機の時代に必ず戦争になるわけではありません。いろんな形を取り大きく世界が変わるそうです。そして覚醒の時を迎え、新しいサエクルムが始まります。

今回の「危機」のターンの期間は、2005年から2025年。リーマンショックあたりを起点とすると2008年から2028年という説もあります。ちなみに、前回の「危機」のターンは太平洋戦争、前々回は明治維新でした。今回はアジアを中心とした世界大戦もしくは冷戦となりそうな様相です。

やがてくる「覚醒」の時代を中国の統治下で奴隷として過ごすか?米国からも独立した自立した国として春を迎えるか?新冷戦下のアジアの調整弁として各国から搾取される存在となるか?

しかし、あと10年以内に(それは令和三年かもしれません)、危機のターンのピークは訪れることになります。その後に新しいサエクルムが立ち現れてきます。

新しいサエクルム

「危機」のターンのピークに向けて各国の競争は激化し、様々な技術が革新的に発展するでしょう。IoT、AI、ロボット、核融合、量子コンピューター、宇宙、金融・経済システム(ブロックチェーン)、再生医療などすでに知られた技術とまだ見ぬ技術たちです。

これらの技術は開発した国や地域にとどまらず流出し世界中に拡散するでしょう。そして、新しいサエクルムはこれらの技術を応用して全く異なる世界に変わっていくのでしょう。人類はガンダムの世界のように地球と宇宙に分散して居住し、新たな危機のターンの火種を育むのかもしれません。

類似の話

「天災は忘れたころにやってくる」で著名な物理学者 寺田寅彦先生がその著書『津波と人間』書かれているように(★1)、人の代替わりによって過去の教訓は忘れ去られ廃れてしまいます。同書の中では「二十年も前のこと覚えていられるか!」という話があります。

★1 東日本大震災は想定外の災害などではありません。記録に残っているだけでも江戸時代から繰り返し発生していた災害であり、人死にが出るのは人災であるというのが寺田寅彦先生の考えです。



日本の危機を広く知ってもらうため日々noteで投稿しています。あわせて日本復活に必要と考えている新しい技術・産業についても書いています。