高橋涼介

まだまだ勉強が足りませんが、日本文化に興味を持ち日々いろいろ学んでおります者です。

高橋涼介

まだまだ勉強が足りませんが、日本文化に興味を持ち日々いろいろ学んでおります者です。

最近の記事

クールジャパンを読み解くための日本古典文化試論-『宗教的感情』フレームから見た日本の美術芸道-日本文化 日本的な感情・美意識・価値観の源流

クールジャパンを読み解くための日本古典文化試論 -『宗教的感情』フレームから見た日本の美術芸道-日本文化  日本的な感情・美意識・価値観の源流 *昨年7月にアップしました『日本的美意識・文化の継承者として「クールジャパン」を読み解く―「鬼滅の刃」「機動戦士ガンダム」「魔法少女まどか☆マギカ」「この世界の片隅に」』のアップデート版です。 まだまだ学ぶことが多く間違いもあると思われますが、以下2024年四月の時点で学び考えた事項を提示させて頂きます。 画像などはパブリックドメイ

    • 『祈り』と『化身』-日本人の心と社会の歴史的構成-「宗教的感情」フレームから見た日本の美術芸道-日本文化 日本的な感情・美意識・価値観の源流(改訂Ⅱ.「宗教的な感情」から見た日本文化 美術芸道-日本的な感情・美意識・価値観)

      「祈り」と『化身』-日本人の心と社会の歴史的構成-『宗教的感情』フレームから見た日本の美術芸道-日本文化 日本的な感情・美意識・価値観の源流 *昨年五月・七月・八月にアップした同名の原稿のアップデート版です。 まだまだ学ぶことが多く間違いもあると思われますが、以下2024年四月の時点で学び考えた事項を提示させて頂きます。 画像などはパブリックドメインのものを使用しておりますが、文章の引用含め著作権等で何か問題がありましたらすぐに削除など対応いたしますのでよろしくお願いいた

      • 「鬼の統合」-ジャパニメーションに見る日本的な「人格の統合」 試論

        本稿では、目に付いたジャパニメーションのいくつかの作品を私の分析のフレーム(【憑依】【祈り】【化身】)に当て嵌めて考えてみたものです。 ジャパニメーション作品を幅広く見ている人の意見を頂き精査することが必要と思われますが、取り合えず印象論での仮説として提示させて頂きます <(_ _)>。 1.「正義の味方」でありかつ「邪悪」 -両義性を持つジャパニメーションのヒーローたち 2020年に映画・TVアニメ・漫画とも大ヒットした「鬼滅の刃」。大正時代の日本を舞台に人間を喰う邪悪な

        • 「神霊と魔を鎮めるシステム」として見た日本文化

          以下粗いメモではありますが、江戸時代頃の日本と現代の日本を 「神霊と魔を鎮めるシステム」の視点で比較してみましたところ、 現代文明の中に依然として妖怪や魔が跋扈している状況とその問題点 などが少し見えてきたかところを記すものです。https://note.com/nihonos2020/n/ncd123a3b88ec  https://note.com/nihonos2020/n/nd3376c989b59 などを前提としたメモになります。小松和彦先生の著書「妖怪学新考

        クールジャパンを読み解くための日本古典文化試論-『宗教的感情』フレームから見た日本の美術芸道-日本文化 日本的な感情・美意識・価値観の源流

        • 『祈り』と『化身』-日本人の心と社会の歴史的構成-「宗教的感情」フレームから見た日本の美術芸道-日本文化 日本的な感情・美意識・価値観の源流(改訂Ⅱ.「宗教的な感情」から見た日本文化 美術芸道-日本的な感情・美意識・価値観)

        • 「鬼の統合」-ジャパニメーションに見る日本的な「人格の統合」 試論

        • 「神霊と魔を鎮めるシステム」として見た日本文化

          「妖怪・憑き・怪異」現象を「宗教感情の理論」で読み解く

          「妖怪・憑き・怪異」現象を「宗教感情の理論」で読み解く   本稿では、「妖怪・憑き・怪異」などの現象を、既に提示した「宗教感情の理論」の拡張により読み解けることを示します。 「宗教感情の理論」とは、先に記した 改訂Ⅰ.https://note.com/nihonos2020/n/n503827d4966c   改訂補足:1 https://note.com/nihonos2020/n/n3a5968ef3b72 などで示した、宗教感情-宗教表現、D表現-D感情、【祈り

          「妖怪・憑き・怪異」現象を「宗教感情の理論」で読み解く

          日本文化の特性の再確認-「近代の藝術論」に学ぶ

          日本文化の特性の再確認-「近代の藝術論」に学ぶ  本稿では「近代の藝術論 / 山崎正和責任編集」で山崎先生が描写されている西洋近代の様々な芸術観-人間観の文章をヒントに、それと比較対照することで江戸時代などの日本文化の芸術観-人間観の特性が見えてくることを示したいと思います。 ※「近代の藝術論」の文章は「日本文化の特色を浮き彫りにするため」に、「ヒント」として使わせて頂いております。文章、文脈を前後してあれこれ引用させていただいておりますこと、ご容赦いただければ幸いです。

          日本文化の特性の再確認-「近代の藝術論」に学ぶ

          「無心・自然法爾・おのずから」から見えてくる日本文化の特殊性

          本稿では、先に上げた大野晋先生の「日本語の年輪」に関する論考https://note.com/nihonos2020/n/nb895b6503e08の、『敬語には「日本人の自然や神への畏怖の気持ち」が今も痕跡を残している』以降の内容を前提として ・「無心・自然法爾・おのずから」この三つの概念-言葉の関係を見ることで ・日本的な「無心の境地」の特殊性が見えてくることを示します。 これは多くの人には「言わずもがな」の内容かも知れませんが、敢えて論拠らしきものを積み上げて言葉で説

          「無心・自然法爾・おのずから」から見えてくる日本文化の特殊性

          日本史上の「怨霊の在り方の変化」と「女性の在り方の変化」(「日本語の年輪」に学ぶ)

          本論では、大野晋先生の「日本語の年輪」に描写されている日本史上の「女性の在り方の変化」には、先の「増補 死者の救済史」(池上良正先生)に描写されていた日本史上の「怨霊の在り方の変化」に似たところがあることを見て頂きます。 この両者を対照して見ると、日本人が「心理的安定を脅かすもの-心理侵襲的なものをいかにして無毒化するか」のパターンなのかも知れないと思われたりもするものです。 そしてそれ以上に「かわいい」に関わるような女性に対する視線や女性のアイデンティに対する精査探求の必

          日本史上の「怨霊の在り方の変化」と「女性の在り方の変化」(「日本語の年輪」に学ぶ)

          「日本語の年輪」を「D表現」の視点から読み解く

          「日本語の年輪」を「D表現」の視点から読み解く 大野晋先生の「日本語の年輪」は一般向けの解説書ですが、これまで見て頂いた日本文化の特性を傍証していただく内容が多く、以下抜粋・紹介・本論の視点からの議論を記させて頂きます。 大野先生は言語学者・国語学者であり岩波古語辞典(1990年補訂版)編集に携わられた方で、この著書では古代-中世の言葉から見た日本文化の様々な特性を解説して下さっています。 以下、「日本語の年輪」の中から、先に挙げたD表現・D感情の議論に関係する部分を紹介、議

          「日本語の年輪」を「D表現」の視点から読み解く

          改訂補足:2.5「祀りと祓い」古代から続く死者や怨霊、神霊に対処するシステムについて

          先に「中世の人格宗教表現」「王朝D表現」「中世の自然宗教表現」に関して【祈り】【化身】のモード、またそれに関わる宗教感情、D感情等を考察しました。 一方で、古代から中世の日本文化においては死者や怨霊、神霊への対処は国家にとっても組織や個人にとっても重要事項であり、それらは(現代の言葉で言えば)宗教的な領域の問題であり仏教などはそれらに対処する手段を多々提供していったのでした。    以下、古代から続く死者や怨霊、神霊に対処するシステムについて、「増補 死者の救済史」(池上良正

          改訂補足:2.5「祀りと祓い」古代から続く死者や怨霊、神霊に対処するシステムについて

          「岡崎義恵著作集〈第2〉日本文芸の様式と展開」における【祈り】と【化身】

          本論では「岡崎義恵著作集〈第2〉日本文芸の様式と展開」の「寄物陳思」の解説を【祈り】と【化身】の視点で読み解いていきます。 岡崎先生は同著で、万葉集における表現様式上の分類の名称である「寄物陳思」の語を 『物と心との両形象が作品の表に並立していて、それが種々の融合の仕方で、共通的な一つの世界に収まり、それによって結局心を表現している如き、特殊の表現法を認めようとする点にある』 と記述され、この分類に該当する表現とその展開を万葉集以降の様々な日本の文芸で辿られていますが、その中

          「岡崎義恵著作集〈第2〉日本文芸の様式と展開」における【祈り】と【化身】

          改訂補足:4「美や悲しみを隠し-察知することを求める」日本文化

          以下進捗しました事項につき改訂のメモです<(_ _)>。 ●「美や悲しみを隠し-察知することを求める」日本文化 日本文化にあります『悲しみや美は隠され-その悲しみを察知したときに外の者は深く感動してしまう』パターンにつき探求します。   芥川龍之介の短編「手巾」 芥川龍之介の短編「手巾」には、自分の子どもを病気で喪った悲しみをまったく外面には現わさず微笑みさえ浮かべ完全な平静を保ちそのことを話す母親が登場しますが、話し相手のやや俗物の大学教授はその母親の手がテーブルの下で激

          改訂補足:4「美や悲しみを隠し-察知することを求める」日本文化

          改訂補足:3  「【祈り】人の言葉」「【化身】神の言葉」そして「宗教表現」から「D表現」への推移

          以下進捗しました事項につき改訂のメモです<(_ _)>。 本稿では、先に呈示しました【祈り】【化身】の概念を考えるヒントとさせて頂いた「景と心―平安前期和歌表現論」(佐藤和喜先生)の第二章 「多声の歌体から単声の歌体へ」中の「人の立場の表現」「神の立場の表現」の考え方を紹介させて頂くとともに【祈り】【化身】の表現の事例を提示させていただきます。 佐藤先生は、風土記や記紀、万葉集と平安時代中期の拾遺集とを対比し、歌-和歌の「神と人との唱和-多声の歌体」から「人のみの単声の歌体

          改訂補足:3  「【祈り】人の言葉」「【化身】神の言葉」そして「宗教表現」から「D表現」への推移

          改訂補足:2 宗教的な「祈り」と人間の感情:和歌-王朝文化のD表現

          以下進捗しました事項につき改訂のメモです<(_ _)>。 ●和歌の源流にある宗教性 和歌に宗教性や救済を見出す議論は中世から現代まで多々存在します。 池永三郎先生「日本思想史に於ける否定の論理の発達」には、平安貴族の文化においては自然、山里が非常に重要であったこと、新古今和歌集の時代の没落しゆく貴族階級の間で、和歌の文化を究め没入することが宗教的な救済に近かったこと、それは西行や鴨⾧明が自然の中に救いを得たことに近いことが論じられています。 その他亀井勝一郎先生も、『歌作-歌

          改訂補足:2 宗教的な「祈り」と人間の感情:和歌-王朝文化のD表現

          改訂補足:1 宗教的な「祈り」と人間の感情:人格宗教表現

          以下進捗しました事項につき改訂のメモです<(_ _)>。 ●最初に:平安-鎌倉時代の宗教的な「祈り」の内容について  『日本の中世の初期は、庶民の間に、地獄への恐怖の感覚が深く浸透した時期であり、神仏に寄付を行えば亡者供養と自分の極楽往生がかない、地獄堕ちが避けられる、とする勧進興行の場に多くの人々が吸い寄せられ、そこに多額の物品・金銭が落とされた時代でもあった』(中世芸能講義 松岡心平先生)   十世紀末に源信「往生要集」の克明な地獄の描写の影響で地獄草子のような絵が多々

          改訂補足:1 宗教的な「祈り」と人間の感情:人格宗教表現

          改訂Ⅰ.「宗教的な感情」から見た日本文化 美術芸道-日本的な感情・美意識・価値観

          *五月・七月にアップした同名の原稿の修正アップデート版です。   まだまだ学ぶことが多く間違いもあると思われますが、以下2023年八月の時点で学び考えた事項を提示させて頂きます。 画像などはパブリックドメインのものを使用しておりますが、文章の引用含め著作権等で何か問題がありましたらすぐに削除など対応いたしますのでよろしくお願いいたします。 以下説明させていただきます。  本論の要旨以下は本論で展開する議論の要旨です。 中世-平安・鎌倉時代を中心に宗教が絶大な存在であった

          改訂Ⅰ.「宗教的な感情」から見た日本文化 美術芸道-日本的な感情・美意識・価値観