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NNE note ブログシリーズ                    【英語看板のお手本】がスタートします!

「日本の英語を考える会」(NNE)は、日本における英語の看板が読み手(英語話者)にとって分かりにくいので改善したい、という課題に長年向き合ってきました。そして、新年度、その課題に本格的に取り組むことにいたしました。

ご存知のように、英語の単語と日本語の単語は、数字のように1=一とならないことがほとんどです。下記の図が示すように、英語の単語の意味を表す青い丸と日本語の単語の赤い丸を描くと、意味が重なっている部分の方が少ないのです。それは、一つの単語を辞書で引いてみれば一目瞭然です。同じ数だけ相対する意味が存在することはほとんどなく、どちらかの意味が多かったり少なかったりします。また、日本語の表現に相当する英語が存在しない場合もあり、その逆もまた然りです。それは、異なる歴史、文化、言語構造をもつ異なる言語同士のことなので当然のことだと言えるでしょう。

英語の単語と日本語の単語がほぼ同じ意味の部分 ©️NNE

海外からのビジネスパーソンや観光客が戻ってきた今、公共の場でよく目にする英語の看板を今一度見直してみたいと思います。そして、NNEの強みである日本語を母語とするメンバーと英語を母語とするメンバーが頭を突き合わせて、「英語看板のお手本」(テンプレート)を作ってみることにしました。あくまでもお手本なので、他にも良い表現があるでしょう。しかし、少なくとも英語話者に伝わりやすい英語看板を作れば、訪日外国人の皆さんは、日本が英語の通じるフレンドリーな国だと認識するようになり、日本人も自信を持って英語でおもてなしをすることができるようになるでしょう。日本の国際プレゼンスも高まるかもしれません。

目黒区にある警視庁による英語看板 ©️NNE


第1回はNNEアソシエイト・メンバーのマヤ・バーダマンさんによる「立ち入り禁止」をとり上げます。これは様々な場面で見る標識ですが、英語にするときに最も注意したいのは、読み手である英語話者の視点で書くこと、そして簡潔に要点のみを伝えることです。起承転結的な発想ではなく、結論を簡潔に書き、細かい状況説明や理由を入れないことが重要です。街中にある横断歩道の英語看板「信号に従いなさい。左右を見てから渡りなさい。」や、電車の中に「周りの方のご迷惑になるため携帯のご使用はお控えください」と英語で書いてあると、発想の異なる英語話者は子ども扱いされているような気分になるかもしれません。英語で書く場合は「青信号で渡りましょう」「携帯電話は使用しないでください」、これで十分です。
 
新年度から始まるブログシリーズ【英語看板のお手本】を、公共性の高い看板や文書を作成するときの参考にしていただければ大変嬉しく思います。
加えて、英語を勉強されている方や英語に興味のある方々にも、ぜひ日本語と英語の発想の違いからくる言葉の使い方について読んでいただければ幸いです。

(文責   加藤 麻子)







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