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メンバーマネジメントを脳科学の観点から考える

なぜ同じ指示でもアウトプットが異なるのか?脳科学から解明する個人差の理由

チームで働く際、リーダーは同じ指示を出しても、メンバーによって異なる結果が返ってくることにしばしば直面します。これはなぜでしょうか?この現象を脳科学の観点から解析し、AさんとBさんが異なるアウトプットを出す理由を探ります。


1. 脳の情報処理能力の違い

脳の構造と機能は人それぞれ異なります。特に、前頭葉は計画立案、意思決定、問題解決といった高次の認知機能を司っており、この部分の発達や活性化の度合いが個人によって異なります。Aさんが計画的にタスクをこなすのに対し、Bさんは即興で対応する傾向があるのは、この脳領域の違いに起因するかもしれません。

メンバーの思考にも得意不得意があります

2. 経験と学習の影響

脳は経験を通じて学習し、その過程で神経回路が変化します。Aさんが以前に似たようなタスクを経験している場合、その経験が神経回路に組み込まれ、より効率的にタスクを処理できるようになります。一方でBさんが初めてのタスクに直面している場合、新しい神経回路を形成する必要があり、そのプロセスには時間がかかるため、アウトプットに差が出ることがあります。

メンバーの過去の経験を理解することが重要です。

3. 注意と集中力の差

脳の扁桃体や前帯状皮質は感情調節や注意制御に関与しています。Aさんが集中力が高く、タスクに没頭しやすいタイプであれば、細部にわたる注意を払いやすく、高品質なアウトプットが期待できます。一方、Bさんが容易に気が散るタイプであれば、同じ時間をかけても細かいミスが多くなるかもしれません。

仕事の性質を長考と短考で分けてみると有意義にメンバーの能力を活用できるかもしれません。

4. ストレスへの反応

脳のストレス反応は個人差が大きく、ストレスホルモンの分泌量や反応速度が異なります。ストレスに強いAさんはプレッシャーの中でも冷静に対応できる一方で、Bさんはストレスに弱いとパフォーマンスが大きく落ちる可能性があります。

ストレスのトリガーは最も個人差が出る個性でもあります。

5. 動機付けと報酬系

脳の報酬系、特にドーパミン系の活動は、モチベーションと密接に関連しています。Aさんが目標達成に対して高い動機付けを感じるタイプであれば、積極的にタスクに取り組むでしょう。一方でBさんが報酬に対してあまり反応しない場合、同じ努力をする動機が少なく、結果としてアウトプットに差が出ることがあります。

多様化に対応した外発的動機・内発的動機を持てる仕組みづくりが必要です。

このように、脳科学的な観点から見ると、同じ指示に対しても個人の脳の構造や機能、経験の積み重ね、感情のコントロール能力など多岐にわたる要因が影響していることがわかります。これを理解することで、リーダーはメンバー一人ひとりの特性を考慮したマネジメントを行うことが可能になり、より効果的なチーム運営が期待できるでしょう。

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