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中国の大学(日本語学科)のテストと成績

※大学によっても違うと思います。以下は「私の大学では」という前提です

私は中国の大学で日本語教師として働いております。
中国の大学は二学期制で、3月〜6月の春学期と9月〜12月の秋学期があります。学期末にテストが終わり成績を付けたら外教(外国人の講師)は帰国していいということで、テストの実施は外教にとって最後の大仕事です。

多くの中国の大学生は日本の大学生と比較して成績をかなり気にします。
入試時の点数が悪くて日本語学科に振り分けられた学生も多く、日本そのものに対する興味は低くても成績は別です。普段授業を殆ど聞いていないような学生でもテスト直前になると範囲などについての質問をしてきます。
なぜかというと、学生によると大学院試験でも就職でも成績表を見られるのだそうです。(また、成績上位の学生には日本円で1万円程度のこちらで言う「奨学金」が支給されます。)
うちの大学では普段の授業は指定の教科書をベースにやっていれば殆ど何も言われないのに対し、テストの時は事前に用紙を提出して試験官を決めるなど手続きがあり、また、普段の授業は90分なのにテストは2時間となっており、その重要性がうかがえます。 

日本の大学の場合は大多数がSかAがもらえる授業があったり、逆に単位を取るのも難しい授業があったりしましたが、
中国の場合明確に割合が決まっているわけではないものの、A(90点以上)を出しすぎたり、逆に何人も不合格を出してしまうと、
難しすぎるテストを出したのでは?とか、簡単すぎるテストを出したのでは?と問題視されかねないそうです。(中国人教師談)
ただ、中国の場合は一度不合格になっても何度でも再試験を受けられるので、単位落として留年ということは殆どなく、その点では緩いですが…

ともかく、学生の人生に影響するとなるとできるだけ正確かつ客観的に評価したいとは思うのですが、最も外教に任されることが多い「会話」のテストはなかなか実施も評価も難しいものがあります。
面接時間1人10分だとしても一学年何十人(下手すると100人近く)となると何時間もかか、質問内容も完全に全員別の内容とはいかないにせよそれなりの数を用意して挑みますが、いくら「面接の内容を言わないでね」と言っても他の学生から聞いて原稿を用意したんだろうなという学生も多いです。

それでも明らかに頭一つ抜けている学生はAがつくし、明らかに能力が低い学生は60点とかになるのですが、中間ぐらいの学生をうまく評価するのはなかなか難しいものがあるとも思っています。
今後いい方法を生み出せたらnoteで共有したいと思います。

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