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【高校生継承語クラス】小説読解の「めあて」達成のために


先週、子どもの運動会を見に行くためにお休みをいただいた高校生の継承語クラス。
代講を補習校元同僚の友人に頼んだら、Back numberの「わたがし」を使った「人称」や場面設定などの話をしてくれた。
(以下、会員登録ないと詳細見られませんが・・・)


そんなわけで、昨日は久しぶりに教科書の小説を読む。
「ドライクリーニング」(吉田修一作)
めあては、「現代を舞台とした小説を読み、情景描写や登場人物の心情の変化を表現に即して捉える」。

まず、先週の復習としてごく簡単に教科書「小説の読み方」を確認。
語り手の人称、場面設定、表現の3つをおさえる、とする。

めあてを読んで、噛み砕いてもらう。
その上で、このめあてを達成するためにどうしたらいいか、隣の人と数分アイディアを出し合う。

まあ普通のアイディアは、情景描写のところ、心情のところを教科書にマーキングする、書き写すなど。

いいね!と思ったのは、登場人物の気持ちになってみると、絵を描いてみる。
言葉の幼さか、経験の浅さかそういう表現になったけど、登場人物の気持ちになるとは、一種のロールプレイ。
これは面白いかもしれない。
それから、絵に描くことも、他の生徒は笑ったり、え~っと言ったりしたけど、別にきちんとした絵じゃなくてもいい、スマイリーのような絵でいい。
それをすることで、登場人物の心情の「変化」はおさえられるだろう。

高校生クラスは今、もう一人の先生と交替で約10名ずつを午前午後に分けて見ていて、このロールプレイとお絵かきはそれぞれのグループで出た。
だから、それぞれのグループで別々のことをしてみたいと思う。

もう1つ面白いと思った意見は、「でも、読めばわかるじゃないですか」というもの。
分かる!
私も全く同じタイプだった!
そうなの、読めば捉えられるよね!

私自身も高校でもずっとなぜみんなが分からないというのが分からないと思っていた。
国語は現文も古文も得意だった。

じゃあ、得意な人はその勉強をしないでいいか。
例えば、この話のめあては読めば達成できるね、はい、みんな読んでね~、終わり~!でいいのか。
そこになぜわざわざ集って勉強しているかの理由があると思う。

すると、一人の女子が
「でも、先週歌詞の読み取りをして、同じ歌を読んでいるけど、みんな受け取り方が違ったから、みんなで考えるのはいいと思う」
と発言してくれた。
心が震えるほど感動した。
というのは、この生徒は普段どちらかというと、寡黙であまり発言しないタイプだから。
しかも小2のときに担任をしているので、その成長が見られたことも本当にうれしかった。

同じ花を見て、「赤」だと思っても、本当にそれは赤なんだろうか。
他の人には「青」に見えていて、その色を「赤」と呼んでいるだけなんじゃないだろうか。
光の周波数XXは、本当に同じ色に見えるんだろうか、みたいなことを誰しも考えたことがあるだろう。

同じ話を読んだとき、表面的に「主人公は驚いた」と理解としたとしても、その理由や驚き方の捉え方は、実は差があると思う。
正解のある問いもあるけど、正解がないものもある。

まあ、今回の場合、俯瞰して言ってしまうと、天気が象徴的に変わっていくことを、情景描写と心情の変化と言っているだと思うんだけど、それが本当に効果的だったのかどうかは、この生徒たちがどう思うか(本当に伝わっているのかどうか)次第だとも思う。

教科書の学習はつまらないと思うけど、それは私の視点で、面白いと思う人もいるだろうから、取り上げる。
取り上げるからには、そこから何か得られたらいいし、面白いという部分があったらいいと思う。

その他、ヨーロッパカップ開催中で、前日のドイツの初戦があったので、サッカー用語を日本語で確認した。
トーナメント戦と総当たり戦、勝利、敗北の類語(敗退、白星をあげるなど)、チーム内のポジションの言い方、オフサイド、ファウル、延長戦、PK戦(ドイツ語では「11メートル(エルフ-メーター)」という!)などなど。
時事ネタで、得意でない分野(私にとってのスポーツ!)も語彙を増やしていけたらいい。

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