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ドイツの学校の外国語教育~第二外国語の口頭試験(中学校レベル)

ドイツの小学校は4年生まで。
5年生から次の学校に行くのだけど、基幹学校(9年生まで)、実業学校(10年生まで)、ギムナジウム(12/13年生まで)に分かれている。
基幹学校はいわゆる中卒のようなもので、ニーズが減ってきているのでほぼ消滅し、実業学校と合併する形で「総合学校」というのが増えてきた。

ギムナジウムは大学に進学することを前提としていて、実業学校は卒業後、2~3年の職業訓練を行う生徒が多い。
この職業訓練はパン屋さんや自動車整備、看護師、幼稚園教諭など日本でいう専門学校や短大卒でつくような仕事が多い。
ちなみにキャビンアテンダントもこの範囲。

実業学校とギムナジウムは色々と違うところが多いけど、外国語学習は全く違う。
実業学校は基本的に第一外国語として英語だけを学習する。
確か8年か9年生くらいから、希望者だけが第二外国語も選択できるはず。
英語も後半はビジネス英語になると聞いた。

一方のギムナジウムは学校により6年生ないし7年生から第二外国語の学習が始まる。
選択肢はラテン語、フランス語、スペイン語あたりが主流だ。
そして、学校によるが9年生、10年生(高校1年相当)あたりから、希望者は第三外国語も選択できる。
第三外国語は中国語、日本語、ロシア語などもある。

私の娘たちの学校は6年生から第二外国語学習が始まった。
長女は今8年生なので、2年半フランス語を学習してきた。
(次女は7年生で、1年半スペイン語を勉強。
フランス語希望だったが、抽選で落ちた)
今年、まもなく大きな口頭試問があるという。
口頭試問を担当するのは、高等課程の語学の先生。

ギムナジウムは5,6年生が初等課程(小学校高学年相当)、7~9/10年生が中等課程(中学校相当)、最後の3年生が高等課程(高校相当)となる。
中等課程は3年と4年の学校、コースがあり、娘たちの学校では3年で終わらせるクラスも1クラスある。
つまり、高等課程に上がったとき、丸々1クラスの子たちは1学年年下ということになる。

なんでこんなことが起きるかというと、元々西ドイツでは中等課程を4年にしていたけど、欧州の他の国も日本も中等課程は3年のため、ドイツの学生は1年長く勉強していることになっていた。
ま、その分緩やかに学習していたんだけど、よその国ができるならうちもできるだろうと、数年前に3年に変更を試みた。
ところが、生徒や保護者からの反発が大きく、4年に戻した学校が多かったというわけ。
娘たちの学校はパラレルで提供している珍しいケース。

話を元に戻すと、口頭試問の試験監督は自分の教科担任ではなく、ほとんど未知の先生がするという。
客観性が高い!
テーマは事前に13知らされていて、当日カードをひき、該当するテーマについて、2~3分のスピーチをしなくてはならないという。
プラス、会話の試験もあり、与えられた写真を使って、クラスメイトと会話をしないとならないそう。

スピーチのテーマは、家族、国、週末、動物、洋服、食べ物など。
結局全てのテーマについて事前準備をしておかないとならない。

日本の学生が、一体何年生なら英語の口頭試問でこれだけのテーマでスピーチができるだろうか。

もちろんドイツ語とフランス語は、日本語と英語に比べたら、ずっと似ている言語だ。
2年半勉強して、こんだけ話せるようになるのだ、ということに驚嘆した。
スピーチといっても、別に大したことを話しているわけではない。
しかし、2~3分とは結構たくさん話せる。
母語でやれといっても、つまる人は出てくるだろう。

長女は英語だったら、準備しなくても楽勝なのにと言っていた。
英語の本も言語で読んでいるくらいで、今や日本語と英語なら英語の方が得意なくらいだという。

ドイツ語という基礎があるからできることだけど、コミュニケーションとしての語学学習とは何かということを考えさせられた。

今度、大学の試験でもカードをひいて、そのテーマでスピーチというのを取り入れてみようかしらん。
きっと準備することでかなり力はつくに違いない。

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